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第82話 物資不足の街 

 さて、念願の万事屋さんのシークレットクエストも解決できたことだし


 …これからどうするかな。



 なんか、FGS始めてキャラ作成でレイスにやられてから必死で金稼いだりして、で、配達中にシークレットクエストに出会って、それを目標にしてこれまでやってきたけど、ここへきて目標がなくなってしまった。



 ステータス画面見てもクエストで残ってるのはマジョリカさんの薬草採取依頼だけ。



「ま、とりあえず、いろいろ買い足してからブルーゼリー集めかな」



 そういや、HPポーションもなかったし、釘も全部使ってしまった。弁当も最後の1個を美容液作り中に消費してしまった。とにかく、俺のストレージは今とっても寂しいことになってる。ここはまず十分に補充をしとくのが先決だろう。厄介事はいつも突然やってくるからな。白金貨とか、白金貨とか、白金貨とか。ストレージがスカスカになって存在感増してきてるんだが?


 とりあえず、幸せの匂いがしないものは記憶から消し去るに限る。消し消しと。

 


「じゃ、まずはポーション作りと行きますか、ネギ調合師様」

『ゆらゆら♪』


 うんうん、ネギ坊も乗り気だな。じゃ、薬屋に戻るとしますか。





ブーン

『閉店中てす』



 あれ? 入れない? マジョリカさんまだ休憩中?



『ゆら!』


「あ、そっか。そういや、肩書外してたんだった」


 ネギ坊に言われて肩書をセットする。と、普通に入ることができた。中に入ってマジョリカさんを呼んでみたが返事がなかったからそのまま薬房へ向かう。


 さすが愛弟子効果。マジョリカさんがいなくてもすんなり入ることができた。


 薬房ではさっきまで煮込んであった中華鍋に蓋がしてあり火も消してあった。



「マジョリカさん、どっか出かけたのかな?」

『ゆら〜?』



 ま、マジョリカさんがいなくてもポーションくらいなら作れるだろ。



 作業台の前に立つと、ピコンと現れるアイコン。アイコンを指でチョンすると調合メニューが現れる。調合するものと、その横に材料が示されていて、調合可能なものは白く、材料が足らないものはグレーで表示されている。



「えっと、調合可能なものは…【上級MPポーション】の品質10だけ…って、品質10!」


 ストレージにはジュース用にネギ坊からもらっていおいた癒楽草と聖水があるから上級MPポーションが調合できるのはわかっていたんだけど、目の前のメニューには「品質10」の文字。



 これまでは最高でも品質8だった。でも【創薬】を習得して美容液が品質9で作成できた。だから品質9までならできるんだろうとはなんとなく思っていたんだけど、品質10となれば話が変わる。



 ここで一旦作業台から離れて、簡易調合セットを取り出してみる。そして癒楽草をゴリゴリして聖水を入れる。



【上級MPポーション】品質9

MPを500回復する。

クールタイム2分



 だよな。


 で、再度作業台で調合メニューを開く。うん、品質10って書いてあるな。じゃ、作ってみるか?



【上級MPポーション】品質10

MPを500回復させる。

クールタイム30秒。



 マジかよ。品質10ったら最高品質だよな。これいくらで売れるんだ? 肩書と称号効果で3、4倍で売れるんだったよな、確か…





『ゆら!』


 はっ、いかんいかん、なんかものすごくダメな妄想に足を踏み入れてたような。



『ゆらゆら!』

「あ、はい、すみません」



 ネギ坊から「葉っぱやらねーぞ」とお叱りを受けてしまった。


 俺としたことが。ここは自分を取り戻そう。



 まあ、つまるところの話、この薬房で調合するだけで品質が上がるってことが証明されたってことだ。流石、特殊上級薬師マジョリカ薬房!



 で、疑問が解決したところで問題のHPポーション。材料は、と…【治癒草】か。


 HPポーションの材料は【治癒草】と【浄水】の2つ。【浄水】は薬房の備え付きのものが利用できるらしく白く表示されている。



「治癒草って言ったら南の平原で採取できたよな」



 確かゴルバさんと毒出し草の採取に行った時にいくつか採取できたはずだ。



「でも今イベント中なんだよな。南の平原でゴブリンの群れとか遭遇したら一発アウトだし」



 スライムならなんとかなるにしても流石にすばしっこいゴブリン相手は無理が過ぎる。



「東の森で【治癒草】は見なかったしな。西は危な過ぎだし、北は…どうなんだろう。ま、採取が必要だって事が分かったんだから、外に出るならとりあえずは武器を何とかしないと…だよな」



 薬屋を出て大通りを西に向かう。


 行き交うプレイヤーがやたら慌ただしいのはイベントをやってるんだろう。スキルの書とか星獣とかみんな欲しいんだろうな。




「こんにちは」


「おお、スプラか。大変なことになったな」


「あ、イベントですか?」


「イベント? 何変なこと言ってるんだ。ゴブリンだよ、南の平原にゴブリンが大量発生しやがったらしい。今朝、領主が武具をほとんど買い占めていきやがった」



 そう言ってマークスさんは顎で店内を指す。見ると店内はあれだけ溢れていた武具がすべてなくなり、ただ高い場所に超高価な剣だけが一本寂しく飾られている。



 武器屋に武器がないとこんな殺風景なんだな。閉店セールの最終日みたいだ



「鉄の釘を作りたかったんですけど…」


「ああ、悪いな。鉄は今一番不足してる素材なんだ。素材のインゴットすら片っ端から領主が持って行きやがった。しかも緊急事態だからって散々に買い叩かれちまった、あのクソ…領主様」


「そうですか…」



 ここの領主は誰にとってもアホでクソらしい。



「鉄って何処かで採掘できないですかね」


「ああ、採掘か。実は鉱山のある北の山脈がここ何年もずっと封鎖されててな。採掘場は他にはねえんだ。チマチマ仕入れてた南からの行商もゴブリンで来れなくなくなっちまったし。ふう、お手上げだ」


「そうなんですね…」



 しっかし迷惑なイベントだな。早くみんなでゴブリン殲滅してくれないかな。



「武器屋に武器がないとかシャレにならんよな。ほんと客に申し訳ない…って、そういやスプラ、なんか背伸びたか? 服とブーツが縮んで見えるんだが…」



「え、あ、ああ、そうですかね? そうだったらうれしいな~。あ、そうだ、北地区の異人の露店も見てこようかな。はは」



「お、おう、そうだな。異人の店なら領主も手を出してねえだろう」



 あっぶねえー。服を素材に変えてるとか絶対に言えないよな。ってか、マークスさん流石に鋭いな。



 俺は武器屋を出るとその足で北地区へと向かう。今は金もあるし、押し付け販売どんと来いだ。どれだけでも全部買ってやる。





「…へ? なに?」



 北地区に行ってみると、殺気だったプレイヤーて溢れていた。それは俺にとっちゃもう生き地獄としか表現できない有様で。



「くっそ、なんだよ解決ってよ。かぶせてくんなっての。どこのどいつか絶対に突き止めるぞ」

「おい、ポーションくらい適正価格で売れよ」

「あ、うっせえ、今はこれが適正価格なんだよ、嫌なら買うな」

「お前ら面覚えたからな」

「おうおう、覚えたんならさっさと帰れ、貧乏人ども」

「てめえら、絶対に後悔させるからな!」

「こっちは今それどころじゃねえんだ、さっさと帰れ、バーカ」

「て、てめえ…」

「うっせえ…」



 …とりあえず武器はいいかな、うん。


 あ、そうだ、弁当だけでも買い溜めしとくか。よし、次、一角亭!





「いらっしゃいませ~お好きな席に…こちらのお席にどうぞ~」



 一角亭に入ると弁当買った時と同じ女の店員さんが接客してくれた。


 で、なんかたくさん席が空いてるのに、一番奥の豪華な個室に案内される俺。


 いや、後ろでざわつかれても俺にできることは【俺は何も気づいていません】を発動することくらいだぞ。知らんから。



❖❖❖❖レイスの部屋❖❖❖❖


小僧の奴、この感じじゃイベント参加する気さらさらねえな。


くっそ、小僧ならなにかしでかしてくれるかもとか思ってる自分が情けねえな。


白金貨なんて小僧にどうにかできるもんでもないだろうに。


俺も焼きが回っちまったか。まだ始まったばかりなのに、くっそ。



あああ、もう。このままじゃ星獣契約数がショボ過ぎることになっちまう。


第三陣まで在庫作っちゃってるのに…




――――――――――――――

◇達成したこと◇

・マジョリカ薬房の価値を知る

・鉄の入手失敗

・一角亭で個室に案内されてしまう



◆ステータス◆

 名前:スプラ

 種族:小人族

 肩書:マジョリカの愛弟子(EX)

 職業:上級薬師

 属性:なし

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1(+3)

 敏捷:1(+14)

 器用:1

 知力:1

 装備:ただのネックレス

 :聖魔のナイフ【ドロップ増加】

 :仙蜘蛛の道下服【耐久:+3、耐性(斬撃・刺突・熱・冷気)】

 :飛蛇の道下靴【敏捷+14】

 :破れシルクハット

 固有スキル:【マジ本気】

 スキル:【正直】【薬の基本知識EX】【配達Lv10】【勤勉】【逃走NZ】【高潔】【依頼収集】【献身】【リサイクル武具】【採取Lv10】【採取者の勘】【精密採取Lv3】【調合Lv10】【匙加減】【投擲Lv10】【狙撃Lv2】【鍛冶Lv6】【調薬Lv10】【団粒構造Lv2】【農地管理Lv4】【農具知識EX】【料理Lv1】【広範囲収集】【遠見】【工作Lv1】【釣りLv1】【木登り】【よく見る】【自動照準】【下処理】【火加減】【創薬Lv2】

 所持金:約860万G

 称号:【不断の開発者】【魁の息吹】【新緑の初友】【自然保護の魁】【農楽の祖】【肩で風を切る】【肩で疾風を巻き起こす】【秘密の仕事人】【秘密の解決者】【秘密の革新者】

 従魔:ネギ坊[癒楽草]


◎進行中常設クエスト:

<薬屋マジョリカの薬草採取依頼>

〇進行中クエスト:



◆契約◆

 名前:ネギ坊

 種族:瘉楽草ゆらくそう[★☆☆☆☆]

 属性:植物

 契約:スプラ(小人族)

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:0

 器用:1

 知力:5

 装備:【毒毒毒草】

   :【爆炎草】

 固有スキル:【超再生】【分蘖】

 スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】



《不動産》

 畑(中規模)

 農屋(EX)


≪雇用≫

 エリゼ

 ゼン

 ミクリ



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