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第70話 問題解決はうまいもので

「え? なんで?」


 なんでこんなところにいるんだよ… 銀仮面。



「お、お前、スライムで縛られて… ん、ま、趣味は人それぞれだ。他人の趣味に口出しする気はない」


「は? 趣味? …って、ちゃうわ! スライムに消化されてもうすぐ死に戻るところ!」



「は? そんなもの千切ればいいだけではないか?」


「あの、そんなロールプレイはいいんで、助けてもらえません? 俺死に戻ったらネギ坊ともお別れなんで」



「え、ネギちゃんいなくなっちゃうの? ウソ、やだ。えっと、じゃあ、はい」


 銀仮面がスライムをいとも簡単に引きちぎる。


 ってマジか。スライムってそんな簡単にちぎれるの?



「これでいい? これでネギちゃんいなくならない?」


 HPバーは残り2。赤い点滅になってるが弾け散ってはいない。助かった。



 とりあえずスライムのむき出しになってる核を【狙撃】しておく。【毒毒釘】は勿体なくて取っておいたものだが、なんか気分的にこの核だけは破壊しないと気が済まなかった。お、ブルーゼラチン。ラッキー。



「これいる?」


 銀仮面、いや、ウェイブが俺にHPポーションを差し出してくる。なんだ、優しいのかこいつ。


 今までとのギャップについ心を開きそうになってしまうが、油断はできん。こいつには散々嫌がらせされてきたからな。



 警戒しながらもポーションを受け取って飲む。するとHP10まであっという間に回復する。どうやら毒は入ってなかったらしいし。まあ、流石にこれが毒だったら人間不信になってFGSやめてただろう。



「はい、じゃ、助けてあげてあげた挙句にポーションまで譲ったんだから、ネギちゃんと遊ぶ権利ぐらいあるよね?」



 く、こいつ、やっぱり信用ならん。ならんが、流石にお礼くらいはしとかないとな。


 俺は破れシルクハットの装備を解除する。中に入れてた土がパラパラ落ちてくるのが鬱陶しい。



『ゆら〜♪』


「あらー、ネギちゃん、久しぶり〜、元気だった?」


『ゆらゆら!』


「『助けてくれてありがと』だってさ」


「まあ! いいのよ、そんなこと。ネギちゃんのためならお姉ちゃんポーションでもMPポーションでも何でも貢いじゃうから」


『ゆ〜ら〜♪』


「あら、握手? じゃ、握手しましょうね〜。うわあ、フワフワのおててだね〜」



 なんか俺、完全に放っとかれてるけど… まあ、いっか。ネギ坊も嬉しそうだし。



「あ、いたいた、ウェイブ様ー!」


「げ、もう来ちゃった。しつこい奴らだわ、ほんと。じゃ、ネギちゃんちょっと待っててね、お姉ちゃん用事終わらせてくるからね」



 ウェイブがお付きの獣人達に向かって歩いていく。で、あれ? なんか怒ってる? いやいや、探しに来てくれた仲間を怒るって…。


 でも、獣人たちは渋々もと来た道を戻っていった。



「ネギちゃん、お待たせ〜。用事済んだからあっそぼ」


『ゆら〜?』


「『追い返してよかったのか』だって」


「いいのよ、あいつらはわたしの魔法が目当てで従ってるだけなんだから。円卓の騎士って言えば、わたしの魔法があるから周りがチヤホヤしてくれるからね。それが目当てなのよ」


「でも、あんな怒って大丈夫か?」


「大丈夫。人のことを利用できるおもちゃ位にしか見てないんだから。どうせ利用価値がなくなったら離れてくだけ」


 …なんか、こいつややこしいな。どうしたってんだ。



「ま、そんなことよりネギちゃんあーそぼ」


『ゆらゆら』





「あー、楽しかった。ありがとね、ネギちゃん。それとスプラも」


「え、あ、うん」


 なんだよ、急に名前呼びしやがって。



「あ、やっぱ、携帯食あいつらに預けっぱなしだった」


「なんだ、腹減ってんの? 弁当ならあるぞ。食うか?」


 ストレージから一角亭弁当を2つ取り出す。ちょうど俺も満腹度三分の一を切ったところだからついでに食っておこう。



「え、いいの? あ、なにこれ、『一角亭』って書いてある。え? うそ、あそこお弁当やってないでしょ?」


 は? 何言ってんだこいつ。弁当くらい売ってるだろ。マーサさんを馬鹿にするならこっちにも考えがあるぞ。



「普通にやってるだろ。これ、今朝買ってきたやつだそ。ちなみに2000Gの高級品だ」


「え、たった2000G?」


 え? あ、そっか、一般プレーヤーはみんな金持ちだったもんな。2000Gを高級とか言っちゃった。うわ、恥ずかし。



「いや、俺にとったら2000Gは高級なんだ。あ、でも、今は金ならあるんだけどな。これは金なかった頃の名残というか…」


「違うでしよ! 一角亭の持ち出し弁当なんて聞いたことないし、百歩譲ってあったとしても『たった2000G』で買える訳ないでしょってこと!」


「…?」


「一度くれるって言ったんだから、貰うわよ。やっぱなしとか言われても困るからね」



 俺が状況を理解しようとしている間にウェイブが弁当の蓋を開ける。


「ちょ、何よこれ… これ、12,000Gの特性メニューじゃないの。あ、これ、オーク肉の最上級のフィレ、え、これジバードの卵よね、この大きさはそうよね、ちょっと、こんなセットお店でも見たことないわよ」


「お、おう。じゃ、食べよっか」



 何が何だかさっぱりわからんが、ここはとりあえず食べることにする。世の中、一緒にうまいものを食べることで解決することは意外と多いものだ。と、父親が言ってた。


「おいっしー! 幸せー!」



 ウェイブの大声でスライムが何匹か枝から落っこちてきたが、俺が残りの【毒毒釘】を全部使って倒しておいた。


 だって、目の前の仮面の人が仮面も取っちゃってめちゃくちゃ幸せそうに食べてるから。こんなの邪魔させたくないじゃん?



❖❖❖❖レイスの部屋❖❖❖❖


おお、助かった…のか?


いいんだな、本当に助かったって事でいいんだな?


また死ぬ~とかやめろよ。頼むぞ、小僧!



…あと、その弁当って宅配も頼めるのか?



――――――――――――――

◇達成したこと◇

・ウェイブに助けられる。

・ウェイブと一緒に一角亭弁当を食べる。

・獲得【ブルーゼリー】×7、【ブルーゼラチン】×1



◆ステータス◆

 名前:スプラ

 種族:小人族

 職業:中級薬師

 属性:なし

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1(+3)

 敏捷:1(+14)

 器用:1

 知力:1

 装備:ただのネックレス

 :聖魔のナイフ【ドロップ増加】

 :仙蜘蛛の道下服【耐久:+3、耐性(斬撃・刺突・熱・冷気)】

 :飛蛇の道下靴【敏捷+14】

 :破れシルクハット

 固有スキル:【マジ本気】

 スキル:【正直】【薬の基本知識EX】【配達Lv10】【勤勉】【逃走NZ】【高潔】【依頼収集】【献身】【リサイクル武具】【採取Lv10】【採取者の勘】【精密採取Lv3】【調合Lv10】【匙加減】【投擲Lv10】【狙撃Lv2】【鍛冶Lv6】【調薬Lv4】【団粒構造Lv2】【農地管理Lv4】【農具知識EX】【料理Lv1】【広範囲収集】【遠見】【工作Lv1】【釣りLv1】【木登り】【よく見る】

 所持金:約730万G

 称号:【不断の開発者】【魁の息吹】【新緑の初友】【自然保護の魁】【農楽の祖】

 従魔:ネギ坊[癒楽草]



◎進行中常設クエスト:

<薬屋マジョリカの薬草採取依頼>

〇進行中クエスト:

●進行中特殊クエスト

<シークレットクエスト:万事屋の悩み事>

<エクストラ職業クエスト~マジョリカの愛弟子>



◆契約◆

 名前:ネギ坊

 種族:瘉楽草ゆらくそう[★☆☆☆☆]

 属性:植物

 契約:スプラ(小人族)

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:0

 器用:1

 知力:5

 装備:【毒毒毒草】

   :【爆炎草】

 固有スキル:【超再生】【分蘖】

 スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】



《不動産》

 畑(中規模)

 農屋(EX)


≪雇用≫

 エリゼ

 ゼン

 ミクリ




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