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第257話 ムガン…ではないドワーフ

「はあはあ、おぬし、誰の許可を得て掘っておるのだ。はあはあ」



 地下空間で楽しく採掘してたら怒られた。相手はムガンさん…ではないドワーフ。すっごい似ている。そして誰の許可? っていうか…あんたは誰なんだ。 


 ドワーフであることとムガンさんじゃないことはわかる。が、なんでこんなところにドワーフがいるんだ。ここは武具会館の地下だぞ。



「はあはあ、はあああ。……声が小さかったか? 《《誰の許可を得て》》…」


 だー、うるさい。なんだこの馬鹿でかい声は。


「ちょ、聞こえてますから。声がデカいですって」

「あ、なんじゃ聞こえておったのか。なら、誰の許可を貰ったのかさっさと答えんかい」


 ムガンさんではないドワーフ。自分の体程もあるどデカいツルハシを片手で持ち上げポンポンを肩を叩いている。すごい馬鹿力だ。俺なんかチョイって捻られて終わりそうだな。



「えっと……実は、俺たち地上からここに降りてきて何もわからないんですよ。もしかしてこれ、掘っちゃダメだったんですか?」


 目の前のドワーフがポカン顔をする。


「お、おぬし、今何といった?」

「え、だから何も知らなかったんです。これ掘ったもの返しますんで……はい、どうぞ」


「違う違う、その前じゃ。おぬしどこから来たと?」

「え、地上ですけど?」


 再びポカン顔になるドワーフ。どうした、聞こえてないのか? じゃ、俺も大きな声で……



「なんじゃとーーーーーーーー!!!!!!!」

「うわっ」

『ゆらっ』


 聞こえないんなら【独り舞台】でも発動してやろうかと息を吸い込んだら、いきなりドワーフが馬鹿でかい声で叫んできた。頭の上のネギ坊からも悲鳴に似た声が漏れる。



「お、おぬし、今、地上から来たと言ったか?」

「え、ええ、そうです」


 ドワーフが俺の目の前まで足を進めてくる。



「その地上ってのは、もしや太陽というデッカイ火の玉が高いところに浮いてると言う、あの地上の事か?」

「え? 火の玉?」


 火の玉…、あ、まあ火の玉か。一瞬ファイヤーボールが思い浮かんだけど、まあ太陽も火の玉であることには変わりない。


「なんじゃ、違うのか?」

「いえ、その火の玉のある地上だと思いま…」

「なんじゃとーーーーーー!!!!!」

「うおっ」


 目の前で大声出されて尻もちをつく。なんなんだ、いったい。



「こ、これが本当ならえらいことじゃ。これはどうすれば……」


 ドワーフがぶっとい腕を組んで考え出した。なんかすごい困った顔してるけど、俺なんかマズい事でもしたか?



「あの、なにか困ったことでも?」


「……いや、そうじゃ、ここはとりあえず現状を確認して……報告はそれからでも遅くはない……ぶつぶつ」


 今度は腕を腰に当ててうつむいてしまった。これ、俺はどうしたらいいんだ? まずいことしたんなら謝るんだが…



「……よし、そうしよう。それなら怒られまい……。おい、小僧! 俺をその地上に連れていけ」

「え、地上にですか?」


「なんじゃ、だめなのか? ……ま、まさか、地上にはとても恐ろしい怪物がいるのか?」

「……怪物?」


「……はっ、まさかまたあの太陽が落ちてきたというのか?」

「へ? 太陽が落ちる?」


「はっ、も、もしや、地上はエルフ族に支配されとるのか? そいえばおぬしの顔もエルフに見えんこともない……はっ、さてはおぬしエルフじゃな? 人化の樹魔法を使っておるのか。くそ、それでいよいよこっちまで攻め取ろうと。ならん、ならんぞ。ここから先はこのガガンが1歩も通しはせんぞーーーー!!!」


 ……このおっさん何言ってんだ?


 自分の事をガガンを言ったおっさんが目の前で両腕を広げて通せんぼしてくる。なんかすごく面倒くさい……。



『ゆうゆら?』

「え、あ、それか」


 ネギ坊から『【聖魔鋼】とか見せたら落ち着かない?』と提案があった。うん、確かにムガンさんは【聖魔鋼】にはすっごい"欲しいオーラ”出してたもんな。ドワーフなら食いつくかも。そしたらそれと引き換えにどいてもらおう。


 おもむろにストレージを漁る。あった、一つだけインゴットが残ってた。んじゃ、見せてみるか。あ、でもまた大声とか嫌だし、チラ見くらいでいいかな?



「な、なにかしておるな。なんじゃ、わしには樹魔法など効かぬ…」


チラッ



「……??」


 お、なんか動きが止まった。目をパチパチしてる。んじゃ、もう一回。


チラッ



「……?!」



 お、今度は目を擦り始めた。擦って擦って目を見開いて俺を見てくる。んじゃ、その無言のリクエストにお応えして。


チラッ



「ちょ、ちょーーーと待て。今の、今のとこ、もう一度どうぞ」


 いや、そんなどうぞポーズされても。まあ、やるけど。


チラッ



「おおおおおおおおおおっ、や、やはり、今の輝き、混沌と渦巻く聖魔の流れ、い、今のそれはまさしくかの伝説の【聖魔鋼】ではないか?!」


「……正解!」


 言い当てられたところでインゴットをガガンさんの目の前に差し出す。



「おおお、これはすごい純度じゃの。わしの爺ちゃんから聞いた通りの清さと禍々しさ。まるでそれぞれの魔力が細部にわたって自らバランスを取っておるかのようじゃ。そうか、これがかの【聖魔鋼】……」


 どうやら落ち着いてくれたようだ。ネギ坊、ナイスアドバイス!



「それは、地上で大きなモンスターを倒した時にそのモンスターのドロップを聖銀の手斧で壊した時にできたものなんです」


「そうか、地上か。扉が閉ざされて幾星霜…よもや地上と繋がる日が来ようとはのう……」


 ガガンさんが聖魔鋼を手にしみじみしている。



「ふむ、聞いていた通りじゃ。この魔鋼と聖銀の混合具合。まさしく聖魔鋼。じゃが、その媒体には清玉の清気が必要じゃったはずじゃが……あれはドワーフの秘法。なぜ地上に…」


「あ、ムガンさんっていうドワーフの鍛冶師にやってもらったんですよ……って、はい?」


 ガガンさんの顔がいきなり俺の目と鼻の先に。というか、鼻の先同士がくっつきそうなんだが。



「おぬし、今、ムガンと言ったか?」

「あ、はい」


「本当にムガンか?」

「はい、本当にムガンさんです」


 え、間違ってないよな? 一応ログでも確認。うん、ムガンさんで間違いない。



「そ、そうか。ムガン様…、いや年代からしてムガン様のお孫様か」


 え? ムガン様? ん? 様ってことは……え?



「あの、ムガンさんってもしかして偉い人だったり?」

「偉いも何も、ドワーフ国の国王じゃ」


 は? 国王?


「……国王? えっと…ムガンさんが?」

「国王の孫じゃから……国王じゃな」


 えええええええーーーーっ? あの鍛冶中毒ドワーフがあ?!



―――――――――――――

◇達成したこと◇

・採掘してガガンに怒られる。

・ガガンのことを面倒くさいドワーフだと見破る。

・聖魔鋼をチラ見させる。

・ムガンがドワーフ国の国王の孫だと知る。



◆ステータス◆

名前:スプラ

種族:小人族

星獣:アリオン[★☆☆☆☆]

肩書:マジョリカの好敵手

職業:多能工

属性:なし

Lv:1

HP:10

MP:10

筋力:1

耐久:1(+33)

敏捷:1(+53)

器用:1

知力:1

≪武器≫ (決断の短刃─絆結─)※筋力不足

≪鎧≫ 仙蜘蛛の真道化服【耐久+33、耐性(斬撃・刺突・熱・冷気・粘着)】

≪足≫ 飛蛇の真道化靴【敏捷+53】


◆固有スキル:【マジ本気】

◆スキル:

特殊──【逃走NZ】【危険察知NZ】

保有──【品格】【献身】【騎奏術】【依頼収集】【念和】【土いじり】【熟達の妙技】【眼通力】【薬草の英知】【劇毒取扱】【特級毒物知識】【独り舞台】

成長──【秘薬Lv10】【石工Lv10】【配達Lv10】【一夜城Lv10】【投擲Lv10】【狙撃Lv10】【料理Lv9】【融合鍛冶Lv6】【特殊建築Lv4】【散弾狙撃Lv4】【中級採掘Lv3】【ルーティンワークLv3】【極意の採取Lv2】【瘴薬Lv1】【カッティングv1】【レザークラフトLv1】【裁縫Lv1】【描画Lv1】

耐性──【苦痛耐性Lv3】


◆所持金:約800万G

◆従魔:ネギ坊[癒楽草]

◆称号:【不断の開発者】【魁の息吹】【新緑の初友】【自然保護の魁】【農楽の祖】【肩で風を切る】【肩で疾風を巻き起こす】【秘密の仕事人】【秘密の解決者】【秘密の革新者】【不思議ハンター】【不思議開拓者】【巨魁一番槍】【開拓者】【文質彬彬】【器用貧乏】



■【常設クエスト】

<定期納品:一角亭・蜥蜴の尻尾亭・腹ペコ熊の満腹亭……>

■【シークレットクエスト】

<太皇太后の想い> 第二の街復興と独立国家建設

・行政府 0/1

・鍛冶工房 1/2

・薬房 1/2

・住居 0/10

・城壁 北側に10メートル



◆星獣◆

名前:アリオン

種族:星獣[★☆☆☆☆]

契約:小人族スプラ

Lv:20

HP:310

MP:445

筋力:48

耐久:46【+42】

敏捷:120

器用:47

知力:69

装備:

≪鎧≫ 赤猛牛革の馬鎧【耐久+30、耐性(冷気・熱)】

≪アクセサリー≫ 赤猛牛革の鞍【耐久+12】

≪アクセサリー≫ 赤猛牛革の鐙【騎乗者投擲系スキルの精度・威力上昇(小)】

◆固有スキル:【白馬誓魂】

◆スキル:【疾走Lv8】【足蹴Lv1】【噛み付きLv2】【水上疾走Lv1】【かばうLv10】【躍動】【跳躍Lv2】【二段跳び】【守護Lv10】



◆従魔◆

名前:ネギ坊

種族:瘉楽草[★★★★☆]

属性:植物

契約:スプラ(小人族)

Lv:1

HP:10

MP:10

筋力:3

耐久:3

敏捷:0

器用:6

知力:10

装備:

≪葉≫【毒毒毒草】

≪葉≫【爆炎草】

≪葉≫【紫艶草】

◆固有スキル:【超再生】【分蘖】

◆スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】【寒気耐性】

◆分蘖体:ネギ丸【月影霊草】ネギ玉【氷華草】ネギコロ【天雷草】



◆生産セット◆

・大地の調合セット



◆特殊所持品◆

・卵

・魔剣の未完成図面



◆所有物件◆

・農屋&畑(中×1、小×1)

・癒楽房

・極凰洞



◆契約住民◆

・ミクリ【栽培促進】

・ゲンジ【高速播種】

・チッチャーネ【味見】

・デッカイ【虫遊び】&オッキイ【土遊び】

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