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第221話 ヒュペリオンとアリオン

いつもお読みいただきありがとうございます。

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 【皇小鬼の黒呪大斧】が消失した。


 

 巨大な聖銀の槌、清気を綿菓子のように纏った巨大槌で破壊された黒呪大斧は大量のインゴットとなった。


 そして今度はリオンが嘶きいきなり輝き出す。一気に膨張したその光が収まると、そこにはリオンではなく、見事な一角獣。白銀のユニコーンの巨大な姿があった。



「な、なんじゃああ、この神々しい姿は…」


 ムガンさんが遠くの地面に放り出された状態であっけにとられている。他の鍛冶師たちも茫然とその姿に見惚れている。



「師匠、これって。あのプロモで見た奴じゃ?」

「ああ、リオンの元の形だな」


「え? えええええ? リオンちゃんって、あのエンペラーにオーバーキルぶっ込んだユニコーンだったの?」

「うん」


「ええええええええーーー、で、師匠のその頭の上は?」

「ん? 頭?」

『ゆら♪』


 はい? なに、この懐かしい感じ。



「ネギ坊、え、なんで?」

『ゆらゆら♪』


「いや、『もともとはここ♪』じゃないでしょ。え? じゃ、リオンは?」



『ヒヒヒヒーーーーン』


 あれ? なんか聞いたことのある嘶き?



「師匠、山地の方、なんか飛んできますけど」

「山地?」


 上空を凄い速さで疾走してくるあの白い影は……あああ、白馬じゃん。動けるようになったのか。



 パッパカパッパカ


 『やあ、やっと解放されたよ。でも本当はもっと時間がかかるかと思ってたんだけどね。やるじゃん』


 そう上からものを言ってくるのはあの白馬…の仔馬バージョン。



『スプラよ、よくぞ我が子のために最後までやり遂げた』


 おっと、この念話はリオ…ヒュペリオンだな。



『なんだよ、急に大きくなって。ネギ坊どうすんだよ、これ』


『はっは、YR-1はプレイヤーの頭上が定位置。ちょっと訳あってな。我と共にあっただけだ』


『で? えっと、この状況ってことは、つまり……お別れってことか?』


『そうだな。我は南の平原を守るという使命があるのでな。スプラの本来の契約獣はこの我が子、Z-2よ』


『ママは忙しいからね。これからまた異人たちがたくさんやってくるって言うし。あいつじゃ管理なんて無理だから。森林大狼がまだ居座ってたもん。早くママが行かないと』


『え、じゃあこっちの白馬がリオンの代わりになるってこと?』


『ママの代わりにはなれないけど、君のサポートくらいなら十分できるよ。任せといて』


 おお、この上から来る感じ。エンペラー戦を思い出すな。



『じゃあ、ネギ坊も白馬に移動……』

『それはないよ』


 白馬、被せてきたな。もしかしてネギ坊をたてがみに乗せるの嫌なのか?



『星獣に従魔が寄生できる訳ないじゃないか。ママだから許されてただけだよ』


『そ、そうなの? え、それじゃあ……ま、しょうがないか。また帽子被るかな』


『ねえ、それよりいつまで僕を白馬呼びするのさ。さっさと付けたら? 名前』


 ぐ、この感じ、懐かしいが、なんか癒しって感じがしない。ホースセラピーはどこ行った……念話切っとくか。



『じゃあ、そうだな~、よし、じゃあ「アリオン」、お前はアリオンだ』


『ヒヒヒーーーン』


 アリオンが光り輝き……ちょっとだけ尻尾とたてがみがふさッとなった。そしてリオンがつけていた装備がアリオンに引き継がれる。



 ◆星獣◆

 名前:アリオン

 種族:星獣[★☆☆☆☆]

 契約:小人族スプラ

 Lv:20

 HP:310

 MP:445

 筋力:48

 耐久:46【+42】

 敏捷:120

 器用:47

 知力:69

 装備:赤猛牛革の馬鎧【耐久+30、耐性(冷気・熱)】

 :赤猛牛革の鞍【耐久+12】

 :赤猛牛革の鐙【騎乗者投擲系スキルの精度・威力上昇(小)】

 固有スキル:【友との約束】

 スキル:【疾走Lv8】【足蹴Lv1】【噛み付きLv2】【水上疾走Lv1】【かばうLv7】【躍動】【跳躍Lv2】【二段跳び】



【友との約束】

 白馬は自身が唯一友と認めた相手にひと時の間その真なる力を示すことができる。

 クールタイム72時間



 あ、あった、これこれ。【友との約束】。リオンが進化した時にステータス画面で見えたやつ。


 真なる力ってのがよくわからんが、リオンがやった進化的なやつのことか? で、☆が一つ減ったな。☆6は本来じゃなかったってことになるのか。


 ……ふむ、でもリオンが実際に☆6表示されてたってことはさあ。



『なあ、リオン。もしかして、いつかリオンみたいな☆6星獣とも契約できるようになったりするの?』


『ふふ、相変わらずの無自覚な鋭さよ。その答えは……因果の中だな』


『なんだよ、もったいぶんなよ』


『そなたがその因果を手繰たぐってみよ。我にもそれしか言えん。……ふむ、Z-1が契約か。どうやら間に合ったようだ。これもまた因果。我はこれで戻るとしよう。スプラよ、極凰の元へ行け。我から言えるのはそれだけだ。ではな』



HHIHIHIHIHIEEEEN



  リオン、否、ヒュペリオンがその輝く巨体を躍動させて宙を駆ける。あっという間に遥か上空に駆け上がるヒュペリオン。そのまま振り向きもせずに山地の向こうに消えて行った。



「し、師匠、今何してたんです? ずっと見つめ合って」

「ん? ああ、念話で話してただけ」


「リオンちゃん行っちゃいましたけど?」

「お別れしました。で、この白馬が代わりの星獣なんだって」


「えええ、星獣契約ってそんな自由な感じなんですか?」

「うん」


 難しい顔して首を捻るワーバットは放っておいて、こっちにもあいさつ。



「ムガンさーん、ありがとうございました! おかげで無事白馬を助けられました」

「ん、ああ、そうじゃな。それはめでたいんじゃが……スプラよ、早急になんとかせにゃならんもんがあるぞい」


 ムガンさんが走りながら指すのは【皇小鬼の黒呪大斧】が清気を纏った【聖銀の手槌】で破壊した後の副産物。大量のインゴットだ。



【聖魔鋼インゴット】

 聖銀と魔鋼いう相反する素材が強大な力で結び付けられ聖魔のバランスを保った奇跡の金属。



 ……聖魔鋼ってどこかで聞いたことがあるような……あ、あれだ、聖魔のナイフか。



「で、これらはどうするつもりなんじゃ?」


 ムガンさんがすっごく何かを言いたそうにしている。必死で我慢しているのが容易に伝わってくる。なんか子供みたいだな。


 まあ、そりゃこんな金属見たら鍛冶師の腕がうずくに決まってる。ドワーフなら黙ってはいられんだろう。俺だって時間があれば色々遊んでみたいし。



「清玉鋼もたくさんありますし、この聖魔鋼も一緒に思う存分に使ってくだい」

「なな、なんと。スプラ、本当にいいのか?」


「はい、俺はインゴット…うん、3つずつで大丈夫なので。あとはどうぞ使っちゃってください。ほら、今鉄が足らないですし。仙蜘蛛との戦闘でも鉄は必要ですし。もうすぐ異人たちがこの街に押し寄せてきますしね」

「スプラ……おぬし…よし分かった! この借りは返すぞ。おいおまえら、ちょっと来い!」


 ムガンさんがバンディー家に捕まっていた鍛冶師たちを呼びつける。



「こいつらは一度は街を裏切ってバンディー家についた罪をまだまだ償っておらん。そこで、この6人にスプラのあのボロ…薬房の改築をさせる。お前らいいな!」


「は、はいもちろんです」

「そんなことでまた鍛冶師としてやらせてもらえるんなら」


 この6人…そっか裏切ってたのか。そりゃムガンさんの名前出したら引くはずだ。



「あ、じゃあこの辺の資材も使えたら使ってください」


 俺はストレージに入っているいろんなものを取り出していく。今まではリオンレージという無限ストレージがあったが、リオンが帰っちゃってなくなっちゃったからな。一度整理しときたい。



【トレント木材】

【トレント香木】

【トレント薪】

【毛皮】

【ドッグ革】

【ブルー溶液】



 このへんのは邪魔だったんだよな。とくに木材と薪とブルー溶液はかさばるからな。あとは、使わなさそうな宝石とかも……ん? あれ? あそこにいるのは…。


「あ、ムガンさん、インゴットを譲る代わりに一つだけお願いしてもいいですか?」



❖❖❖レイスの部屋❖❖❖


「あ、先輩、分かりましたよ。Zが急いでた理由。たぶんこれっすよね?」

「あ、ああ、そういう事。なんだよ大したことじゃねえじゃねえか。もっと重大なことかと思ってたぜ。ったく」


「え、でもこれ重大なことっすよ、たぶん」

「あ? たかだか契約の一つや二つ……お、おい、小僧、待て、それはどうかと思うぞ。こら、MG、お前遠慮しとけ、図々しい事言ってんじゃねえって。そんなもん使って武具なんて大量生産した日にゃ、お前…」


「(先輩、そっちの方がどうでもいい事っすよ)」


―――――――――――――

◇達成したこと◇

・別れ:リオン

・合流:アリオン

・【聖魔鋼インゴット】【清玉鋼】をムガンに渡す。



 ◆ステータス◆

 名前:スプラ

 種族:小人族

 星獣:アリオン[★☆☆☆☆]new!

 肩書:マジョリカの好敵手

 職業:創菌薬師

 属性:なし

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1(+33)

 敏捷:1(+53)

 器用:1

 知力:1

 装備:仙蜘蛛の真道化服【耐久+33、耐性(斬撃・刺突・熱・冷気・粘着)

 】

 :飛蛇の真道化靴【敏捷+53】

 固有スキル:【マジ本気】

 スキル:【逃走NZ】【正直】【勤勉】【高潔】【献身】【投擲Lv10】【狙撃Lv10】【引馬】【騎乗】【流鏑馬】【配達Lv10】【調合Lv10】【調薬Lv10】【創薬Lv10】【依頼収集】【斡旋】【料理Lv9】【寸劇Lv4】【遠見】【念和】【土いじり】【石工Lv10】【乾燥】【雄叫び】【熟練の下処理】【火加減の極み】【匠の匙加減】【ルーティンワークLv3】【描画Lv1】【危険察知NZ】【散弾狙撃Lv4】【融合鍛冶Lv6】【観察眼】【苦痛耐性Lv3】【慧眼(薬草)】【薬草学】【採取Lv10】【精密採取fLv4】【採取者の確信】【採掘Lv10】【菌創薬Lv9】【上級鉱物知識】【カッティングv1】【レザークラフトLv1】【裁縫Lv1】

 所持金:約1300万G

 称号:【不断の開発者】【魁の息吹】【新緑の初友】【自然保護の魁】【農楽の祖】【肩で風を切る】【肩で疾風を巻き起こす】【秘密の仕事人】【秘密の解決者】【秘密の革新者】【不思議ハンター】【不思議開拓者】【巨魁一番槍】【開拓者】

 従魔:ネギ坊[癒楽草]


 ◎進行中常設クエスト:

 <蜥蜴の尻尾亭への定期納品>

 ●特殊クエスト

 <シークレットクエスト:刀匠カンギスの使い>

 〇進行中クエスト:



 ◆星獣◆

 名前:アリオン

 種族:星獣[★☆☆☆☆]

 契約:小人族スプラ

 Lv:20

 HP:310

 MP:445

 筋力:48

 耐久:46【+42】

 敏捷:120

 器用:47

 知力:69

 装備:赤猛牛革の馬鎧【耐久+30、耐性(冷気・熱)】

 :赤猛牛革の鞍【耐久+12】

 :赤猛牛革の鐙【騎乗者投擲系スキルの精度・威力上昇(小)】

 固有スキル:【友との約束】

 スキル:【疾走Lv8】【足蹴Lv1】【噛み付きLv2】【水上疾走Lv1】【かばうLv7】【躍動】【跳躍Lv2】【二段跳び】



 ◆契約◆

 《従魔》

 名前:ネギ坊

 種族:瘉楽草ゆらくそう[★★★★☆]

 属性:植物

 契約:スプラ(小人族)

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:3

 耐久:3

 敏捷:0

 器用:6

 知力:10

 装備:【毒毒毒草】

   :【爆炎草】

   :【紫艶草】

 固有スキル:【超再生】【分蘖】

 スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】【寒気耐性】

 分蘖体:ネギ丸【月影霊草】

    :ネギ玉【氷華草】

    :ネギコロ【天雷草】


《不動産》

 畑(中規模)

 農屋(EX)

 薬房2-12


 ≪雇用≫

 エリゼ

 ゼン

 ミクリ


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