表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

203/292

第203話 極凰洞

いつもお読みいただきありがとうございます。

誤字報告も大変助かっています。

よろしければブックマークや★評価をいただけると嬉しいです!

「さて、お腹もいっぱい、ストレージもいっぱい。後は帰るだけだな」



 坑道で聖銀鉱を見つけてしまった俺は片っ端から採掘しまくった。一度弁当時間を挟んで再度再開し、採掘し終えたところで送り弁当。いろいろといっぱいになった。



「あの顔、ワーナーがこの先から戻れるとか言ってたしな。あいつムカついたけど、嘘は言ってなかったんだよな」


 真の坑道もあったし、確かに守護者してたしな。ちょっとお馬鹿だったけど。



 危険察知に気を配りながら慎重に足を進める。幸い、モンスターとは一切会敵することなく進み続けることができた。そして、いよいよ出口が見えてくる。



「うおお、めちゃくちゃ綺麗だな……」


 そこは天井が吹き抜けになった円形状の広場だった。



 はるか上空に見える小さな青い空、そして地面部分はマヤブルーの鮮やかな湖でほぼ覆われ、その中央には島のような小高い丘がある。湖面には天上の光が反射し、まるで天空の青をそのまま閉じ込めたかのような透明な輝きを放っている。


 水に近づいてみると、波ひとつない湖面の先にはごつごつした岩場がはっきりと見て取れた。



「これも特別な水なのかな?」


 水を手で掬ってみる。



極凰洞ごくおうどうの水】

鉱質と生命力がバランス良く高度に配合しだ特殊な水。

水としての品質は8。

ポーションや料理の材料として使うことで、生産物の品質が上がる。

初級生産物+3、中級生産物+2、上級生産物+1



 おおお、やった。新しい水だ。


「ネギ坊、極凰洞の水だって。かけるか?」

『ゆ~ら~♪』


 嬉しそうに体を揺するネギ坊に手で掬った極凰洞の水を掛けてやる。



パンパカパーン

『従魔ネギ坊は極凰洞の水により少しだけクレバーになりました』



 ……?? クレバーとは? チョイチョイっと。



《従魔》

 名前:ネギ坊

 種族:瘉楽草ゆらくそう[★★★☆☆]

 属性:植物

 契約:スプラ(小人族)

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:3

 耐久:3

 敏捷:0

 器用:6(+5)

 知力:10(+5)

 装備:【毒毒毒草】

   :【爆炎草】

   :【紫艶草】

 固有スキル:【超再生】【分蘖】

 スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】【寒気耐性】

 分蘖体:ネギ丸【月影霊草】

    :ネギ玉【氷華草】



「ああああ、ネギ坊、お前今度は5も上がってんじゃん。どこまで俺を置いてくんだよ」

『ゆらゆら~ゆらゆら♪』


「え? 『ステータスが全てじゃないよ~自分の考え方次第でいかようにもなる』って? ……なんか、ネギ坊、言うこともクレバーになってるじゃん!」

『ゆら~♪』


 ぐ、ネギ坊ばっかりいいな。これ、俺も飲んでみるか。…うん、変化なし。くそ。



『ゆらゆら~』

「あ、そっか、ポーション作りにいいって事だったよな」


 悔やしがる俺に冷静に水のメリットを伝えてくるネギ坊。なんか、あのかわいかったネギ坊がどんどん大人になっていちゃって俺は寂しいぞ。



「持って帰りたいけど、入り象君には仙湖の水が入ってるんだよな~。うーん、捨てるのもアレだし。よし、ここで全部使い切っちゃうか」


 ちゃっちゃと調合セットを取り出し、仙湖の水で【身体強化ポーション】と【スプラ印】を作ってしまう。で、骨粉がなくなったところで終了。半端にあまってしまった仙湖の水は……ジョボジョボジョボ。



「よし、じゃあリオン、あの島まで行ってくれる? あの辺の水を持って帰ろう」


 こういうレアアイテムを取得する時にはちょっとでもいい場所で採取するものだ。もしかしたら品質も変わるかもしれんしな。



「よし、ここは結構水深があるな。じゃ、採取します…か…?」

『ゆらゆら?』


 あれ? 今、湖底に…何かあったような?


 入り象君に水を入れようとしたらその視線の先で何かが光った…ような気がした。マヤブルーの水の中に何かがあるというのか。だが、どんなによく見てもなにもないように見える。


 が、この違和感はわかる。【観察眼】が何かに反応している。…あの辺だよな。なんだろ。


 【遠見】では何も見えないのに【観察眼】ではかすかな違和感。うーん、どうしよっかな。



『フンス…』

「あれ? リオンどうした?」


 リオンが俺が違和感を感じている場所の真上まで湖面を移動していく。そして湖面い鼻先をつけてクンクン。



「そっか、やっぱりなんかあるんだな……じゃ、見るだけ見てみるか…それっ」


ザブーン


「(…うん、確かになにかある)」


 湖の底に近い場所。岩と岩に挟まれるような形で卵らしき輪郭がなんとなく見える。湖全体のマヤブルーと全く同じ色の丸い…うっすら卵らしきものがある。



「潜っていけない距離でもないか…」


 水上からでは深さが分からなかったが、顔を水につけてしまったらはっきりと見ることができた。距離もだいた掴めた。潜水自体は仙湖の隠し通路を通るときに何度も潜っているから十分慣れている。その経験も踏まえて分析するに、潜って取りに行くにはギリギリの距離のようだ。



「ギリギリだが…でもここはGOだな。リオン潜るから待っててくれる?」

『フンス…』


 マヤブルーの水に体を放り込む。思ってたよりも冷たくて少しだけ後悔が浮かぶが、ここは我慢。あの卵を何としても手に入れたい。もしかするとアレが天雷鳥の卵かも知れないし。



 潜り続け、手足を動かし続ける。呼吸バーがみるみる減っていく。だが、そのバーが少しだけ半分を切ったところで、俺の手が卵に届く。


「(よし、ストレージに入った。じゃ、戻るぞ…ん? なんだ?)」


 俺が卵をストレージに入れた瞬間に周りが暗くなる。さっきまでキラキラとした楽園のような美しさだったのに、急に日陰になってうら寂しい湖になる。なんかちょっと怖くなり、もがくようにして水面に向かう。


 呼吸バーが消滅してHPにダメージが入り始めた瞬間、何とか水面に顔を出すことができた。セーフ、



「(……で、えっと? はい?)」


 驚きすぎると体が動かなくなるとはこういう事か。声もほとんど出ない。



 水面にたどり着いた俺を待っていたのは、極間近で俺を見つめる巨大な二つの目だった。


 状況を理解するにつれて、全身から力が抜け、背中に冷たいものが流れる。


 俺は目の前の巨大な双眸から目を逸らせない。心臓が痛いほど鼓動を打っているのが、自分でも分かる。バイタル異常とか大丈夫か心配になるほどだ。



「(リ、リオンは?)」


 体も動かないし声も出ない。視線だけでリオンを探すと、リオンは島から離れて遠く湖畔に退いている。



「(えっと? リオンさん?)」


 俺が助けを求めようとするがリオンは動く気配がない。仕方なく【引馬】を使おうとしたその時、目の前の巨大な双眸がギロリと動く。



『我が子よ……』


「(あ、えっと、鳥? なんか聞いたことのある声というかなんというか)」


 時間と共に少しだけ恐怖から解放されると視野も広がり、目の前の双眸が巨大な鳥の眼だということに気が付く。


 

『愛しき我が子よ』


 ああ、そっか、【念話】か。直接頭に聞こえてくるこの感じ。でもなおさらなんか聞いたことある気がする。ただ、なんでこんなに感情が伝わってくるんだ? 切なくて、儚くて、寂しくて……



ピンポーン

『スキル【献身】の発動条件に入りました。スキル【献身】が自動的に発動します』



 え? 献身? え、ってことは、この鳥もリオンと同じ感じなの? 星獣?


 何枚ものスクリーンが現れ、それが俺の周りをまわり出す。



 ゴブリンジェネラル戦で見たことのある光景だ。


 展開されるスクリーン、その中の一枚が引き抜かれ俺の目の前に移動する。光に包まれるるクリーン。光が収まった時、俺は……



 マヤブルーの美しい湖、つまりここ極凰洞を上空から見下ろしていた。



❖❖❖レイスの部屋❖❖❖


「先輩、ここってXがいる場所じゃなかったです?」

「ああ、いねえな。どうせ外を飛んでるんだろう」


「ピエロ君、Xに空湖のヌシ渡しますかね」

「わからんな。分からんが、あんな毒入り食べさせたらX激怒だな」


「あれ? なんかXの様子が変なんすけど」

「お前、いい加減学べよ。小僧はいつも変なことの中心にいるんだ」


「いや、だって『我が子って』なんすか?」

「そのまんまだろ。小僧の事を自分の子供と思ってるらしいな」


「いやいや、先輩。あのXがそんなこと言うんすか?」

「だから、小僧の奴、一度目の邂逅の時に極凰の羽拾っただろ。それ持ってるから気配で一族と勘違いしたんだろうよ」


「いや、そんなことで勘違いって。ええええ!?」

「(ビビりまくったけど、隣に自分より驚いてるやつがいるとこっちは冷静になれるな)」



―――――――――――――

◇達成したこと◇

・聖銀鉱を根こそぎ採掘完了。

・極凰洞に到着する。

・ネギ坊、少しだけクレバーになる。

・湖底に卵を発見する・

・卵をGET、その後巨鳥と出会う。

・スキル【献身】発動




 ◆ステータス◆

 名前:スプラ

 種族:小人族

 星獣:リオン[★☆☆☆☆☆]

 肩書:なし

 職業:創菌薬師

 属性:なし

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1(+33)

 敏捷:1(+53)

 器用:1

 知力:1

 装備:仙蜘蛛の真道化服【耐久+33、耐性(斬撃・刺突・熱・冷気・粘着)

 】

 :飛蛇の真道化靴【敏捷+53】

 固有スキル:【マジ本気】

 スキル:【逃走NZ】【正直】【勤勉】【高潔】【献身】【投擲Lv10】【狙撃Lv10】【引馬】【騎乗】【流鏑馬】【配達Lv10】【調合Lv10】【調薬Lv10】【創薬Lv10】【依頼収集】【斡旋】【料理Lv9】【寸劇Lv3】【遠見】【念和】【土いじり】【石工Lv2】【乾燥】【雄叫び】【熟練の下処理】【火加減の極み】【匠の匙加減】【ルーティンワークLv3】【描画Lv1】【危険察知NZ】【散弾狙撃Lv4】【融合鍛冶Lv5】【観察眼】【苦痛耐性Lv3】【慧眼(薬草)】【薬草学】【採取Lv10】【精密採取fLv4】【採取者の確信】【採掘Lv10】【菌創薬Lv8】【上級鉱物知識】

 所持金:約1000万G

 称号:【不断の開発者】【魁の息吹】【新緑の初友】【自然保護の魁】【農楽の祖】【肩で風を切る】【肩で疾風を巻き起こす】【秘密の仕事人】【秘密の解決者】【秘密の革新者】【秘密の火消し人】【不思議ハンター】【不思議開拓者】【巨魁一番槍】【開拓者】

 従魔:ネギ坊[癒楽草]


 ◎進行中常設クエスト:

 <薬屋マジョリカの薬草採取依頼>

 <蜥蜴の尻尾亭への定期納品>

 ●特殊クエスト

 <シークレットクエスト:刀匠カンギスの使い>

 〇進行中クエスト:

 <眷属??の絆>



 ◆星獣◆

 名前:リオン

 種族:星獣[★☆☆☆☆☆]

 契約:小人族スプラ

 Lv:20

 HP:310

 MP:445

 筋力:48

 耐久:46【+42】

 敏捷:120

 器用:47

 知力:69

 装備:赤猛牛革の馬鎧【耐久+30、耐性(冷気・熱)】

 :赤猛牛革の鞍【耐久+12】

 :赤猛牛革の鐙【騎乗者投擲系スキルの精度・威力上昇(小)】

 固有スキル:■■■■ ■■■■

 スキル:【疾走Lv9】【足蹴Lv1】【噛み付きLv2】【運搬(極)】【水上疾走Lv1】【かばうLv5】【躍動】【跳躍Lv3】



 ◆契約◆

 《従魔》

 名前:ネギ坊

 種族:瘉楽草ゆらくそう[★★★☆☆]

 属性:植物

 契約:スプラ(小人族)

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:3

 耐久:3

 敏捷:0

 器用:6 new!

 知力:10 new!

 装備:【毒毒毒草】

   :【爆炎草】

   :【紫艶草】

 固有スキル:【超再生】【分蘖】

 スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】【寒気耐性】

 分蘖体:ネギ丸【月影霊草】

    :ネギ玉【氷華草】


《不動産》

 畑(中規模)

 農屋(EX)


 ≪雇用≫

 エリゼ

 ゼン

 ミクリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ