表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

154/307

第154話 素材融合

昨日投稿できずすみません。本日2話投稿となります。

 マークスさんを怪我させて落ち込んでたら次の瞬間にはワールドアナウンスで称号獲得したらしい。


 FGSは俺の気持ちをどうしたいんだ?



「ってか、素材融合ってなんだ?」

『ゆら?』


「素材なんて【土竜爪】しか使ってないよな…」

『フンス…』


「融合って言うからには2つ必要だよな、普通」

『ゆら〜』


「土竜爪と何が融合したんだ?」

『フンス?』



「おーい、スプラ、ちょっとだけいいか?」

「あ、はーい今行きます」


 マークスさんからお呼びがかかった。融合の件は後にしよう。




「お、悪いな。途中だったか?」

「いえ、掃除してただけなんで」


「そうか、懲りずに自由に使えよ。失敗を恐れてたら何にもできんぞ。失敗からしかたどり着けない成功もあるんだからな」


「はい、分かりました」



 ったく、優しいなマークスさんは。これだからステラさんとのこと応援したくなるんだよ。


「でだ、ちょっと配達頼めねえか?」

「あ、いいですよ。何をどこにですか?」


「えっとな…」



ピンポーン

『<武器屋マークスの依頼4>を受けました』





「戻りました〜」

「おう、ちょっと奥で待っててくれ」


 配達を終えて戻ってきたらマークスさんが鎧を来たごっつい人と真剣に何やら話し込んでいた。ここは邪魔をしないようにさっさと工房へ向かう。



「なんか、凄い強そうなオーラがあったよな」

『ゆらゆら』


「武器の注文とかかな」

『フンス』


「なんかリアルの商談を思い出しちゃったな」

『ゆら?』


「ああ、何でもないよ。ちょっと苦手なことをさせられてたことがあって」

『フンス』



 俺、嘘つけないんだよな。同僚達は、「物は言いよう」って感じで上手いこと言って契約取ってくるんだけど、俺は無理だった。同僚達が嘘言ってるってわけじゃないんだけど、何ていうか言い方が上手い。でも俺にはできないし、したいとも思えなかったんだよな。なんで俺があんな部署に上司ごと異動しなきゃいけなかったのか未だに分からん。


「…気分変えるか。折角FGSに来てるんだし」

『ゆら♪』

『フンス♪』


 ネギ坊とリオンがいてくれて癒されるよな。


「じゃあ、今度は気をつけて土竜爪を加工してみよう」



「この辺だったよな…あった」


 前回事故になってしまった過程を事故直前まで再現してみた。すると、前回同様に土竜爪のごく小さな一部分、ほんと針で刺した跡みたいな部分だけが真っ赤に危険反応を示している。


「これに槌を入れちゃうと大変な事になっちゃうんだよな…」


 この部分に槌を入れることで素材融合が起きた…ん? もしかして。



銀装甲亀の槌シルバータートルハンマー

 モンスター素材の加工に向いた魔力を帯びた槌。希少種「銀装甲亀」の甲羅が使われている。



「ああ、なるほど、そういう事か。土竜爪がこの槌と融合したんだな。普通の槌じゃなくてモンスター素材の槌だし。…ってことは、モンスター素材同士が融合するってことか。ってか普通の槌じゃ融合しないのかな」


 壁に立て掛けてある別の槌を持ってみる。すると赤い点が消えた。槌を調べると黒鉄製とのこと。ってことは間違いない。このモンスター素材の槌が事故の原因、つまりは素材融合の要因ってことだ。


「他にもモンスター素材の槌ってないのかな」


 工房内の槌を全部確認してみる。が、全てが鉱石系の槌。モンスター素材の槌は他にない。


「銀甲羅だけしかないのかあ。もしかして硬いモンスター素材って珍しいのかね…あ、そういや、ストレージに硬そうなのあったな…」


 ストレージを探ってその硬そうなモンスター素材を取り出す。



【土竜硬爪】×5

 土竜鮫の群れを率いる硬土竜鮫の爪。



 硬土竜鮫のドロップ。【土竜爪】に交じって落ちてたやつだ。群れのボスも一緒に殲滅していたらしい。…そういや群れ5つも殲滅しちゃったって事か。また生態系乱れて物資不足とかならんよな。まさかな。


「ま、倒しちゃったものはしょうがないし、取り合えず試してみるか」


 【土竜硬爪】を左手に、槌を右手に持って構えてみる。


「うわっ、なんだこれ」


 俺が金床に向かって構えた途端、金床上の【土竜爪】全体が真っ赤に光る。さっきまでは針の穴ほどだったのに、今度は爪全体が真っ赤に輝いている。超危険信号だ。


「これ、どこに打ち込んでも事故るってやつだよな。もしかして相性がいいとかそういう感じなのか? だとすると、素材によっては超危険になるってことだな…これは覚えといた方がいいな。同じ系統の素材は特に危険と」


 まあ、とは言え、この土竜爪をこの状態にするためには【火加減の極み】とかの上位補助スキル総動員しないといけないしな。偶然この状態になること自体がすごい低確率なんだろう。まあ、俺がやる時には要注意ってことか。


「じゃ、この下処理終わった土竜爪はどうしようかな。折角だし銀甲羅の槌で打ってクロウソードに…ん? なんだ?」


 真っ赤に光る土竜爪にちょっとした違和感を覚える。なんだこの違和感は…。


 違和感の原因を探るために【よく見る】【遠見】【看破】を使って土竜爪を観察する。


「うん、眩しくてよく見えん。これ、【危険察知NZ】の明るさ下げられんのかな」


 と、思った瞬間、光の強さが和らぐ。いや、できるんかい。


「ん? なんかあるな」


 光度が落ちると土竜爪の様子も見えてくる。すると真っ赤に光る土竜爪に今度は米粒ほどの黒い点が見えた。事故ったときと赤黒が反転したような感じだ。


「黒いってことは…え? ここだけは危険じゃないってことだよな。えっと…どういう意味だ?」


 暫く考えた結果、普通にクロウソードになると言い張る冷静な俺と、もしかしたら何かが起きるかもしれないとワクワクする無謀な俺とが均衡状態となってしまった。でも、まあ、どちらにしても「危険がないならやってみたらいいんじゃね?」という結論に至る訳で…。



ガタゴトガタゴト


「よし、出来た」


 机を2台を横倒しにして金床のすぐ前まで移動させる。それを盾にして俺は腕だけを出す。腕は布をグルグル巻きにしている。机の影から顔だけ出して黒い点にしっかりと【土竜硬爪】の先を合わせる。で、顔を引っ込めたら次は動画の撮影。視点を金床の真ん前に設定。俺はその動画の画面越しに槌を振るう練習をする。


「よし、こんなもんかな。じゃあ、スプラいっきまーす! せーのっ」


ガン!


「…? もう1回、せーのっ」


ガン!


「…? もう1回? せーのっ」


バッキーン



ピンポーン

『特定行動により【鍛冶Lv4】のレベルが上がりました』


ピンポーン

『特定行動により【鍛冶Lv5】のレベルが上がりました』


ピンポーン

『特定行動により【鍛冶Lv6】のレベルが上がりました』


ピンポーン

『特定行動により【鍛冶Lv7】のレベルが上がりました』


ピンポーン

『特定行動により【鍛冶Lv8】のレベルが上がりました』



 動画越しに見ていた【土竜硬爪】が粉々になってそのまま消える。前みたいな危ないことは起こらなかったようだ。これは安心していいのか?


 机の影からそっと覗いてみる。うん、赤くない。感度を上げてみる。うん、大丈夫。


 一応警戒心マシマシで一歩二歩と金床に近寄る。すると金床の上の【土竜爪】の様子がどうもおかしい。


「なんだこれ? えらい光沢が出てるな」


 キラキラ光ってる土竜爪を手に取ってみる。



【土竜黒曜爪】

 悠久の年月を生きた寿命間近い土竜鮫はその爪が黒く輝く。脆くはなったがその鋭さは他のあらゆるモンスター素材を凌駕する。



ピンポーン

『世界七不思議「素材融合」の再現が完了しました。「素材融合」の解明に一歩近づきました。この調子で解明を続けてください』


 

「おい、スプラ、作業台ひっくり返して何やって…、って、お前それ…」



 俺が【土竜黒曜爪】を手に取って見ていると丁度そこにマークスさんが戻ってきた。


「あ、これ今出来たんですよ。【土竜爪】と【土竜硬爪】を打ち付けてみたんですけど」


「打ち付けたって…まあとにかく、それ、見せてもらってもいいか?」

「はい、どうぞ」



 マークスさんがそっと俺から【土竜黒曜爪】を受け取る。眉間に深いシワを寄せながらあらゆる角度から鋭い眼光を送る。


「スプラ、言い値でいい。これを譲ってくれないか?」

「言い値?」

「ああ、いくらでも払う」


 なんだ? 何がどうしたってんだ? マークスさんの頼みならお金なんていらないんだが。今、十分に持ってるし。だが理由が知りたい。


「お譲りするのはいいんですけど、理由を聞いても?」

「おお、そうか、それは助かる。実はな…」


 マークスさんから話を聞く。どうやらさっきまで話していた相手にこれが必要だったらしい。詳しくは言えないが、王都の偉い人の傷の治療に使うらしい。何でも、金属製の刃物はすぐに腐食して使えなくなってしまうとのこと。それで金属製最上級刃物の代わりになる非金属製のものを探しに来たんだそうだ。


「そういう事ならお金はいいですよ。工房使わせてもらってるお礼として受け取ってください」

「いやいや、スプラ、お前何言ってんだ。こんなの俺が渡した活性炭の何十倍もする代物だぞ」


「いいですよ、俺持ってても、ほら、装備できないですし」

「…スプラ、お前って奴は。分かった。お前のことは相手にもしっかりと伝えておく。その上で、今後俺の力が必要な時は全力でサポートする。それでいいか?」


「はい、マークスさんの協力の方が何倍もいいです」

「ふっふ、そうか、じゃあこれは受け取っておく。あ、あと、配達ご苦労だったな。これ少なくて悪いが。一応相場が決まってるんでな」



ピンポーン

『<武器屋マークスの依頼4>を完了しました。報酬として750Gを得ました。クエスト内の行動により【鍛冶Lv9】のレベルが上がりました。【鍛冶Lv10】及びクエスト内の行動により【融合鍛冶Lv1】を習得しました。【鍛冶Lv10】が【融合鍛冶Lv1】に統合されます』



 ん? なんか覚えたんだが?



❖❖❖❖レイスの部屋❖❖❖❖


なんで…なんでだよ。

なんでもう解明が進んでんだよ。

世界はまだ第二フィールドしか解放されてねえってのに、なんでもう世界の秘密に迫ってる奴がいるんだよ。


ってか、MK、そのヤバいブツを回収してくれたのはいいが、王都に運ばれるとかさ。また予想困難なことにならねえよな? これ以上は本当に無理だぞ。



―――――――――――――

◇達成したこと◇

・素材融合が気になる。

・素材融合をやってみる。

・素材融合に成功する。

・作成:【土竜黒曜爪】

・習得:【鍛冶Lv10】【融合鍛冶Lv1】

・消失:【鍛冶Lv10】

・マークスさんに【土竜黒曜爪】を譲る。



◆ステータス◆

 名前:スプラ

 種族:小人族

 星獣:リオン[★☆☆☆☆☆]

 肩書:なし

 職業:斡旋員

 属性:なし

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:1

 器用:1

 知力:1

 装備:男の隠れ家的オーバーオールセット

 :勘違い男の品質ダウンジャケット

 固有スキル:【マジ本気】

 スキル:【逃走NZ】【正直】【勤勉】【高潔】【献身】【投擲Lv10】【狙撃Lv10】【引馬】【騎乗】【流鏑馬】【配達Lv10】【調合Lv10】【調薬Lv10】【創薬Lv9】【依頼収集】【斡旋】【料理Lv8】【寸劇Lv1】【遠見】【念和】【土いじり】【石工Lv2】【よく見る】【乾燥】【雄叫び】【熟練の下処理】【火加減の極み】【匠の匙加減】【ルーティンワークLv1】【描画Lv1】【危険察知NZ】【散弾狙撃Lv3】【看破】【融合鍛冶Lv1】new!

 所持金:約1000万G

 称号:【不断の開発者】【魁の息吹】【新緑の初友】【自然保護の魁】【農楽の祖】【肩で風を切る】【肩で疾風を巻き起こす】【秘密の仕事人】【秘密の解決者】【秘密の革新者】【秘密ハンター】【秘密開拓者】

 従魔:ネギ坊[癒楽草]



◎進行中常設クエスト:

<薬屋マジョリカの薬草採取依頼>

<蜥蜴の尻尾亭への定期納品>

●特殊クエスト

<シークレットクエスト:武器屋マークスの困り事>

〇進行中クエスト:

<眷属??の絆>



◆星獣◆

 名前:リオン

 種族:星獣[★☆☆☆☆☆]

 契約:小人族スプラ

 Lv:12

 HP:230

 MP:325

 筋力:34

 耐久:32 【+42】

 敏捷:80

 器用:33

 知力:48

 装備:赤猛牛革の馬鎧【耐久+30、耐性(冷気・熱)】

  :赤猛牛革の鞍【耐久+12】

  :赤猛牛革の鐙【騎乗者投擲系スキルの精度・威力上昇(小)】

 固有スキル:■■■■ ■■■■

 スキル:【疾走Lv6】【足蹴Lv1】【噛み付きLv2】【運搬(極)】【水上疾走Lv1】【かばうLv5】



◆契約◆

 名前:ネギ坊

 種族:瘉楽草ゆらくそう[★★☆☆☆]

 属性:植物

 契約:スプラ(小人族)

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:0

 器用:1

 知力:5

 装備:【毒毒毒草】

   :【爆炎草】

   :【氷華草】

 固有スキル:【超再生】【分蘖】

 スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】【寒気耐性】

 分蘖体:ネギ丸【月影霊草】



《不動産》

 畑(中規模)

 農屋(EX)


≪雇用≫

 エリゼ

 ゼン

 ミクリ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ