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第151話 ドロップはつい拾ってしまうもの

【小鳥の彩羽根】×389

【小鳥の絢爛けんらん羽根】×68


 終わった。


 やっと、やーっと終わった。


 20分は拾い続けた鳥のドロップ。熱帯とかにいそうなカラフルな鳥の羽根が一面に散らばってて気が狂いそうだった。


 しかし、この1つ1つ拾っていく仕様って何とかならんかね。しかも派手な色見続けたせいでなんか目がチカチカするし。あー、疲れた。



 鳥の超大群を爆裂ポーションで一掃した後に残ったドロップ集めだが、ミーナを呼ぼうと思った。そう、ミーナがいてくれたらこの1/10の時間で終わってたかもしれない。


 しかし、ドロップ拾ってる間にまた囲まれる可能性もないわけではない。ということで、自分だけで拾うことにした。ほうきでもあれば楽なのにとも思ったりしたが、ドロップは獲得者が拾うまでその場から動かない。仕方がないので手で拾っていくことに。


 で、途中、ミーナから「遅いけど大丈夫?」との連絡があり、俺が大量のドロップを拾ってる最中だと伝えると、「じゃあ、腹ペコ熊の満腹亭で待ってるから」とだけ言われて切られる。手伝いをお願いするつもりはなかったが、「手伝おうか?」「あ、大丈夫、待っててくれていいから」の一往復ぐらいはあってもいいと思ったのはここだけの話だ。



「ま、とにかく終わった事だし。リオン、帰ろうか。ネギ坊もありがとな」

『フンスフンス』

『ゆらゆら♪』


パッパカ パッパカ



「お待たせ~」

「あ、スプラ、お帰り」


 満腹亭で待っていたミーナ。「お帰り」って、ここはお前の家じゃないぞ。しかもこんな満席の中でずっと席を占領してていいのか? 俺の席まで…。



「おう、嬢ちゃんから聞いたよ、北が大変だったんだってな」

「あ、はい、危うく死に戻るところでしたよ」


「はっは、さっき嬢ちゃんにも言ってたんだが、異人だからって命は粗末にするもんじゃないぞ。でも、まあ、よく無事で戻ってきたな。これ食っていきな」


 熊の店長が山盛りの肉が乗っかってる丼を出してくれる。どうやら歓迎はしてくれてはみたいだ。



「あ、すみません。いただきます」


 …これ、先払い制でお金払ってないのに出されるということはそういうことでいいんだよな?


「店長のご厚意よ」


 チラッとミーナに視線を送ると欲しい答えが返ってきた。じゃ、遠慮なく。



「で、嬢ちゃん、さっきの話だけど、また考えといてくれねえかな」


「分かりました。でもわたしそんなに知り合いいないし期待はしないでくださいね」


「ああ、無理にとは言わねえよ。考えてくれるだけでもいいんだ」


 なんか、俺をそっちのけで2人で話し込んでるんだが? 俺は聞かないほうがいいのか? 別に俺的にはいいんだが、頼まれ事なら俺も聞いといたほうが良かったりするのか?



「あ、なんの話かって言うとね…」


 俺と一瞬目が合ったミーナが話を振ってくる。店長の前なのにいいのか? シークレットなやつならあんまり人には言わないほうがいいとかあるんだがな。


 という、俺の心配などお構い無しにミーナが店長からの頼まれ事を話してくれた。店長も嫌な顔してないって事は大丈夫なんだろう。



 で、話の内容はこんな感じ。


 二陣のログインが始まってから安くてボリュームのある腹ペコ熊の満腹亭はその常軌を逸するコスパで常に満席状態なんだそうだ。で、忙しすぎて店員が休憩も取れなくなってしまった。そこで、信頼できて働ける異人の人材はいないかと店長から相談を持ちかけられたらしい。


「多分、二陣が稼げるようになったらもっと分散すると思うから1日か2日だけでいいとは思うのよね」


「三獣士は?」

「どこかに信頼できる人いないかな〜」


 あ、ダメなのか。それじゃあ、サクラ達とかどうかな。料理志望とか言ってたし。



「前に農業ギルドマスターのクエスト斡旋した子たちに聞いてみようか? 変な子たちじゃないから」

「ああ、わたしの待ち合わせ忘れて構ってた子たちね」

「…」


 ぐ、まだ覚えてたか。でも、ここは聞いちゃうからな。



「聞くからな。えっとフレコはっと…これだな」


『はい、スプラさん』

「あ、サクラ? 今大丈夫?」


『大丈夫ですよ〜』

「えっとさ、今、腹ペコ熊の満腹亭ってとこの店長が店を手伝える信頼できるプレイヤーを探してるんだけど、サクラ達どうかな? 料理志望とか言ってからさ」


『あ〜、ごめんなさい。わたしたちイベントに参加登録しちゃったんです。明日から二陣と一緒にプレイするから無理です。畑プレイの子をリクエストしたんで、畑やらないといけなくて』

「あ、そうなの。じゃ無理だな。了解、ありがとう」



 そっか、明日からイベントか。じゃあ、手伝いどころじゃないよな。


「ダメだった?」

「うん、イベント登録したから、畑希望の二陣と畑作業するんだって」


「へえ…、あ、なるほどね。そうすりゃいいのか」

「ん? なんだ?」



 なんか、急にミーナがステータス画面をいじりだした。何してるんだ?


「よし、完了! 店長、もしかしたら明日大丈夫かもしれません」

「お、そうなのか。でも、無理ならいいんだぞ。無理するな」

「お手伝い希望、料理関連希望で募集しておいたから多分いけると思います」


 なんだ? さっぱり話が見えてこないぞ。



「ミーナ、どういうこと?」

「イベント参加したんだ。希望の相手をNPC信頼度と料理を希望する人って事にしといたの」


「え、そんな希望出せるの?」

「…スプラ、案内読んでないでしょ」

「…」


 そら、見知らぬプレイヤーと一緒にプレイするなんて言われたら読むわけないじゃん。



「プレイ時間、プレイスタイル、欲しいもの、獲得できるものなんかを事前登録しとくの。そしたらそれに合った二陣プレイヤーとマッチングされるのよ」

「へえ、そんな細かく…。一昔前のマッチングアプリみたいだな」


 今は遺伝子情報からのAI診断で一発だけどな。論争はあるけど。



「スプラも参加したら? NPC信頼度欲しいプレイヤーたくさんいると思うよ」

「えー、知らない人と一緒にいるとか無理」


 無理というか地獄だ。



「別に一緒にいなきゃいけないなんてどこにも書いてないわよ。とにかく相手を成長させてあげればいいだけ」

「え、そうなの?」


 そうだったのかよ。…あ、でもな。NPCと繋げたりするのが面倒くさい。



「俺は遠慮しとく」

「そうなんだ。ま、とりあえず、明日はわたし朝からログインするから。また、北にチャレするからよろしく」

「へいへい」


 よろしくって事は準備とか俺がするってことだよな。なんか、ミーナってまた女王っぽくなってきてるよな。ロールプレイじゃなくて素でも女王様気質なのか?


「偉そうにとか思ってるでしょ」

「…別に?」


「言っとくけど、クソ親父以外に自分から頼るなんてこと普段はしないんだからね」

「左様ですか」


 まあ、俺も頼られるのは嫌いじゃない。自尊心上がるしな。寧ろ今の俺には必要かもしれん。


「じゃ、わたし今日はクソ親父と外食行かないと行けないからこの辺でログアウトするから。また明日ね」


 勝手に言いたいこと言って去っていた猫女王ミーナ。



 じゃあ、俺も夕飯食ってから明日の準備でもしますか。ダーツとかな。でも、鉄って買えるかな? すでに高騰してたりしてな。だとしたら…俺、終わるな。



❖❖❖❖レイスの部屋❖❖❖❖


あーあ、調べたらやっぱり山の生態系乱れちまってるじゃねえかよ。

ま、部分的だから放っておけば回復するかね。

小僧、明日は無茶するんじゃねえぞ。

大切な回復期なんだからな。

頼むぞ。


―――――――――――――

◇達成したこと◇

・【小鳥の彩羽根】×389、【小鳥の絢爛羽根】×68

・腹ペコ熊の満腹亭で出されたサービスを有料と疑う。

・ミーナが受けた相談を聞く。

・四人娘に満腹亭の手伝いを断られる。

・イベントで組む相手のリクエストを出せることを知る。



◆ステータス◆

 名前:スプラ

 種族:小人族

 星獣:リオン[★☆☆☆☆☆]

 肩書:なし

 職業:斡旋員

 属性:なし

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:1

 器用:1

 知力:1

 装備:男の隠れ家的オーバーオールセット

 :勘違い男の品質ダウンジャケット

 固有スキル:【マジ本気】

 スキル:【逃走NZ】【正直】【勤勉】【高潔】【献身】【投擲Lv10】【狙撃Lv10】【引馬】【騎乗】【流鏑馬】【配達Lv10】【調合Lv10】【調薬Lv10】【創薬Lv6】【依頼収集】【斡旋】【料理Lv8】【寸劇Lv1】【鍛冶Lv4】【遠見】【念和】【土いじり】【石工Lv2】【よく見る】【乾燥】【雄叫び】【熟練の下処理】【火加減の極み】【匠の匙加減】【ルーティンワークLv1】【描画Lv1】【危険察知NZ】【散弾狙撃Lv3】【看破】

 所持金:約1000万G

 称号:【不断の開発者】【魁の息吹】【新緑の初友】【自然保護の魁】【農楽の祖】【肩で風を切る】【肩で疾風を巻き起こす】【秘密の仕事人】【秘密の解決者】【秘密の革新者】

 従魔:ネギ坊[癒楽草]



◎進行中常設クエスト:

<薬屋マジョリカの薬草採取依頼>

<蜥蜴の尻尾亭への定期納品>

●特殊クエスト

<シークレットクエスト:武器屋マークスの困り事>

〇進行中クエスト:

<眷属??の絆>



◆星獣◆

 名前:リオン

 種族:星獣[★☆☆☆☆☆]

 契約:小人族スプラ

 Lv:10

 HP:210

 MP:295

 筋力:30

 耐久:28 【+42】

 敏捷:70

 器用:29

 知力:42

 装備:赤猛牛革の馬鎧【耐久+30、耐性(冷気・熱)】

  :赤猛牛革の鞍【耐久+12】

  :赤猛牛革の鐙【騎乗者投擲系スキルの精度・威力上昇(小)】

 固有スキル:■■■■ ■■■■

 スキル:【疾走Lv6】【足蹴Lv1】【噛み付きLv2】【運搬(極)】【水上疾走Lv1】【かばうLv5】



◆契約◆

 名前:ネギ坊

 種族:瘉楽草ゆらくそう[★★☆☆☆]

 属性:植物

 契約:スプラ(小人族)

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:0

 器用:1

 知力:5

 装備:【毒毒毒草】

   :【爆炎草】

   :【氷華草】

 固有スキル:【超再生】【分蘖】

 スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】【寒気耐性】

 分蘖体:ネギ丸【月影霊草】



《不動産》

 畑(中規模)

 農屋(EX)


≪雇用≫

 エリゼ

 ゼン

 ミクリ

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