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第149話 山地で【遠見】

パッパカ パッパカ


ピンポーン

『特定行動により【狙撃Lv7】のレベルが上がりました』


ピンポーン

『星獣リオンのレベルが上がりました』



ピンポーン

『星獣リオンの【疾走Lv4】のレベルが上がりました』


ピンポーン

『特定行動により【狙撃Lv8】のレベルが上がりました』



 思わぬネヒルザ婆との再会を経てNZスキルを立て続けに習得した俺たちは、ミーナのプリン食べたいという気持ちによって北の山地に繰り出した。



「ねえ、スプラ、今度は地図大丈夫なの?」

「大丈夫」


 前回の醜態を考えればミーナの心配はご尤もなのだが、今回はちゃんと準備をしてきたのた、紙とペンを。



 FGSには自動マッピング機能はない。位置情報が必要なクエストなどはごく簡単な地図が渡される仕様だ。マークスさんがくれた地図然り。称号効果の協力要請然り。


 ただ、その地図が問題で、始めてきた街で道を尋ねた時に親切に地図を描いて説明してくれた小学生の地図みたいな感じなのだ。特徴と言える場所がところどころに書いてあるが、微妙に方角がずれていたり、少しだけ間違っていたりするもんだから全面的に頼りにすると大変なことになるのだ。なので紙とペンが必要になる。自分で地図を作り直していくのだ。


 そして致命的なのは太陽がないと方角が分からないということ。今のずっと厚い雲に覆われた北の山地では自分が今どの方角に向かっているのかすぐに分からなくなる。


 と言うことで、道具屋さんで紙とペンを購入してきたという訳だ。



「あ、やっぱりかあ。この木の位置が違うんだよな。この岩の向こう側って描いてあるけどこっち側じゃん。さっきの湧き水の場所も違ってたし、本当に当てにならんなコレ」


 ちなみにここまでぬいぐるみ屋の木のおじさんは結構な頻度で遭遇している。1時間に8回。しかし俺の【危険察知NZ】が危険を知らせてくれたおかげで全て先制攻撃に成功。真っ先にトレントを薪に変えて危険らしい危険もなくここまでいている。



【トレントの薪】×7

【古樹液】×1

【どんぐり】×204

【毛皮】×6



 ストレージに薪とどんぐりがどんどん溜まっていく。これどっかで消費しないといかんよな…焼きどんぐりとかにしたら食えるんかな?



「あ、この先トレントおじさんいるぞ」

「了解。任せた」



 ミーナは後ろに距離を取る。敏捷チートでも耐久はペラッペラだから何かの間違いでリスとぶつかったら死に戻るのだ。因みに俺はリオンがいるから大丈夫。さっきリオンがこんなスキルを習得してくれたのだ。



【かばうLv1】

 騎乗者へのダメージを自身が体を張って受け続ける。レベルアップによりダメージ軽減効果上昇。



 リオンのHPはすでに俺の20倍近くになっている。つまり、リオンに乗っている限り俺のHPは20倍以上な訳で。しかも耐久はリオン依存という。なんてこった。



『ヒヒーン』


 リオンに乗って疾走する。さあ、いたぞ、おじさん狩りと行こうか。



「超除草ダーツ! からのピエロダーツ!」



グサ


 超除草ターツがトレントに刺さる。のを待たずに枝のリスを狙撃する。でも俺はたた狙撃するだけ。狙いは自動照準がやってくれる。



「よし、これで最後…え?」


 リスの最後の一匹を狙撃したところで自動照準が再び照準を合わせにいく。なんだ? まだいたっけ?



「ん? あ、あれジェット何とかじゃん」


 南の平原の上空を飛んでいたジェットな羽根を落とす鳥がすぐ近くを飛んでいた。今回は自動照準がそれを会敵扱いにしたらしい。


「んじゃ、狙撃しとくか。ジェットな羽根貰えるし」


 目新しいダーツの素材ならあって損はない。ここは貪欲に。



「んじゃ、狙…ん?」


 【遠見】越しに見るジェットな鳥の向こうに何かが見えた気がした。


「とりあえず狙撃っと…、え、また?」


 ジェット鳥を狙撃し終わると再び動き出す自動照準。今度は山頂の方を忙しなく動きながら照準を付けている。が、そこには何もない。なのに巨大スライムの中の動き回る核を狙っている時みたいに照準がすごい速さで動き回っている。


「なんだ? 特に危険察知は反応してないみたいだけど…」


 【遠見】【よく見る】のコンボで【自動照準】の示す先を見続ける。



ピンポーン

『特定行動により、【看破】のスキルを習得しました』



「ん? なんだあれ?」


 ピンポンさんが持ってきてくれた【看破】によって何かが見えるようになった。なんかぼんやりとしたものがすごい速さで頂上付近を飛んでいる。自動照準が追い続けるそれを目を凝らして見続けること30秒程。



ピンポーン

「北の山地『???』と遭遇しました。これよりプレイヤー、スプラのパーティーが北の山地全域で遭遇するモンスターのランクが上昇します」



ピンポーン

『ワールドアナウンス。北の山地の山頂エリアへ初めて到達したプレイヤーが現れました。ただ今より山頂エリアが開放されます』



ピンポーン

『プレイヤースプラ様は北の山地未解放エリアを解放しました。これより24時間、北の山地エリア全域におけるレアドロップ獲得率が上昇します」



 …?? よし、拾う物拾ってさっさと戻ろう。



 よくわからないアナウンスにとりあえず警戒度を高めてジェットな羽根を取りに行く。すると前方視界が赤く染まる。【危険察知NZ】が反応したらしい。しかも今までよりも明らかに色が濃い。これは危険度が高いということか?



『ブルフフン』


 リオンも落ち着かない様子。ここは一旦距離を取った方がよさそうだ。残念だがジェットな羽根は諦めよう。


 赤くない方角へリオンとに乗って疾駆する。しばらく走って後を振り返るともう視覚は赤くなくなっていた。どうやら危険は去ったらしい。



『ちょっと、遅かったじゃん。さっきのアナウンスなんだったの?』


 ミーナのもとに戻るとやたらと周りをキョロキョロしていた。さっきのアナウンスがミーナにも聞こえていたようだ。



「なんか変なの見たらいきなりアナウンスが立て続けに来た」


「変なのって… 何見たらワールドアナウンスなんかになるのよ」



 そんな眉間にシワ寄せられても知らんがな。変なのとしか言いようがない。ぼんやりしてるだけだったし。



「で、どうするの? なんか敵のランクが上がったとか言ってたけど」


「あ、そのアナウンスと同時に【危険察知NZ】がすごい反応してたからかなり危険かも。一旦戻ろっか?」


「そうね、新エリアが解放されたんだから攻略組がこぞって来るでしょうし。情報が集まってからまた来たらいいかもね」


「んじゃ、帰ろう…って、ん?」

「なに?」


 なんか急に周りが赤く染まった。しかも周囲全体が。



「ミーナ、囲まれてるかも。気をつけて」

「え? 敵なの? 囲まれてるって…」


「満腹度MAX、覚醒【回避】の準備して」

「う、うん」



 なんかすごい赤いぞ。なんだ、何が来るんだ?


『ブルフフン』


 リオンもかなり緊張してるみたいだな。こりゃ色々準備したほうがよさそうだ。



ガサガサガサガサッ


「右下から来る」



ガガガガサガサ ダンダン クオオー



「え、何あれ? トレント?」


 ミーナが驚いているが無理もない。トレントはトレントだが大きさが今までの倍はある。そしてリスの数は4倍以上。これは酷い。ぬいぐるみの大型販売車だ。



「超除草ダーツ!」


 グサッ グオオオ



 大きさはすごかったが、超除草ダーツが刺さった大型トレントは普通トレントと同様に枯れてポリゴンに変わる。


「げ、ミーナ【回避】」

「うん」

 


 大型トレントがポリゴンになると今度は足場を失ったリスが一斉にかかってくる。その数50以上。


「狙撃狙撃狙撃狙撃狙撃…」


『ブルヒヒン!』

「あ、リオン!」


 俺の狙撃が間に合わず、リオンが数体のリスの攻撃を受ける。HPは…10も減ってる。マジかよ。チリツモってやつか。厄介だな。


 リオンの耐久ならダメージは1しか通らない。が、数で押されると一気に削られる。



「くっそ、狙撃狙撃狙撃…」

『ブルヒヒン!


ピンポーン

『星獣リオンの【かばうLv1】のレベルが上がりました』



 くそ、リオンのダメージが溜まっていく。



「スプラ、上からも来たよ」

「え、マジで?」


 って、そらそうか。周りが全部真っ赤だったもんな。くそ、これはマズイか。それよりダーツ拾ってる時間もないぞ、これ。足りるか?


「狙撃狙撃狙撃…」



ピンポーン

『星獣リオンの【かばうLv2】のレベルが上がりました』



ピンポーン

『特定行動により【狙撃Lv9】のレベルが上がりました。【狙撃Lv10】及び特定行動により【散弾狙撃Lv1】を習得しました』



❖❖❖❖レイスの部屋❖❖❖❖


…、なんで山頂エリア開放された?

いやいや、え?

山頂ったら…アイツだよな。

え? なんで?



―――――――――――――

◇達成したこと◇

・北の山地の??と遭遇する。

・大型トレントとリスの群れに苦戦する。

・習得:【狙撃Lv10】【散弾狙撃Lv1】【看破】

・リオン:Lv6、【疾走Lv5】【かばうLv3】



◆ステータス◆

 名前:スプラ

 種族:小人族

 星獣:リオン[★☆☆☆☆☆]

 肩書:なし

 職業:斡旋員

 属性:なし

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:1

 器用:1

 知力:1

 装備:男の隠れ家的オーバーオールセット

 :勘違い男の品質ダウンジャケット

 固有スキル:【マジ本気】

 スキル:【逃走NZ】【正直】【勤勉】【高潔】【献身】【投擲Lv10】【狙撃Lv10】new!【引馬】【騎乗】【流鏑馬】【配達Lv10】【調合Lv10】【調薬Lv10】【創薬Lv6】【依頼収集】【斡旋】【料理Lv8】【寸劇Lv1】【鍛冶Lv4】【遠見】【念和】【土いじり】【石工Lv2】【よく見る】【乾燥】【雄叫び】【熟練の下処理】【火加減の極み】【匠の匙加減】【ルーティンワークLv1】【描画Lv1】【危険察知NZ】【散弾狙撃Lv1】new!

 所持金:約1000万G

 称号:【不断の開発者】【魁の息吹】【新緑の初友】【自然保護の魁】【農楽の祖】【肩で風を切る】【肩で疾風を巻き起こす】【秘密の仕事人】【秘密の解決者】【秘密の革新者】

 従魔:ネギ坊[癒楽草]



◎進行中常設クエスト:

<薬屋マジョリカの薬草採取依頼>

<蜥蜴の尻尾亭への定期納品>

●特殊クエスト

<シークレットクエスト:武器屋マークスの困り事>

〇進行中クエスト:

<眷属??の絆>



◆星獣◆

 名前:リオン

 種族:星獣[★☆☆☆☆☆]

 契約:小人族スプラ

 Lv:6

 HP:170 (+10)

 MP:235 (+15)

 筋力:22 (+2)

 耐久:20 (+2)【+42】

 敏捷:50 (+5)

 器用:21 (+2)

 知力:30 (+3)

 装備:赤猛牛革の馬鎧【耐久+30、耐性(冷気・熱)】

  :赤猛牛革の鞍【耐久+12】

  :赤猛牛革の鐙【騎乗者投擲系スキルの精度・威力上昇(小)】

 固有スキル:■■■■ ■■■■

 スキル:【疾走Lv5】new!【足蹴Lv1】【噛み付きLv2】【運搬(極)】【水上疾走Lv1】【かばうLv3】new!



◆契約◆

 名前:ネギ坊

 種族:瘉楽草ゆらくそう[★★☆☆☆]

 属性:植物

 契約:スプラ(小人族)

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:0

 器用:1

 知力:5

 装備:【毒毒毒草】

   :【爆炎草】

   :【氷華草】

 固有スキル:【超再生】【分蘖】

 スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】【寒気耐性】

 分蘖体:ネギ丸【月影霊草】



《不動産》

 畑(中規模)

 農屋(EX)


≪雇用≫

 エリゼ

 ゼン

 ミクリ

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