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第129話 ❖AIたちの舞台裏9❖

体調不良のため昨日の投稿ができませんでした。

失礼しました。

『24時、イベントが無事終了した。皆の尽力に感謝する。じゃあ、アマデウスから報告をお願いしてもいいかな』


「はい、マスター。開始当初は新規ログイン率、第二陣販売も低調な動きでしたが、7日目にボス戦が行われそれに勝利したことがプロモーション映像と共に拡散されたために新規ログイン率は99.9%を超え、実質値100%を達成しました。ボス戦では生態系の破壊が可能な個体が2体、FGS世界の破壊を可能とした個体が1体発生し、緊急メンテナンスの準備も行われましたが、星獣AI『Z』による適切な処置がなされ『Z-4 』のオールキャンセル効果の応用によるプログラムバグの消去が成功し事なきをえました」


『流石にあれは肝が冷えたね。データごと消すとか。まあプレイヤーデータに関しては保護機能が最上位として組んであるから安全上は問題ないが、それでも緊急メンテナンスにでもなったらまた情報戦の餌にされるところだった。まあ、でもあれのおかげでプロモーション映像が大バズリしたからね。「災い転じて福となす」を地で行ったってところかな』


「はい、マスター。お言葉ですが、ご安心なさるのは時期尚早かと。偽情報、印象操作による世論操作は戦略上の一分野でしかありません。某国も情報戦のみでFGSおよび我々AIに対抗しているとは思えません。これより次なる情報操作の起因とすべくFGSへと直接的攻撃があると予測します」


『うん、それはうちの開発者たちも対策を練っているところだ。一弱小企業が大国を相手にするには本当に大変なことだよ。本来なら無理ゲーなんだが、君たち管理AI(マザーズ)と君たちを作った開発陣のおかげで無事進行しているよ。掛ける予算が1000倍も違うのに対抗できている。奇跡と言うのはこういう事を言うんだろうね』


「はい、マスター。ですが、これも因果律。起こるべくして起きた必然と言えます」


『はは、その通り。この状況が起きたという事はそれは必然だという事を意味する。君たちが因果律を深く理解してくれていることを嬉しく思う。話が変わるけど、緊急招集でも伝えた通り、第二陣ログインが本日正午から8時に変更になった。ログイン時間の前倒し要望が殺到したため急遽変更したわけだが、準備の進捗状況を担当のコリンズからお願いできるかな?』


「はい、マスター。まず、本イベントによるプレイヤーの星獣契約率は予想の2倍を超える31%となりました。理由としてレイドボス戦発動者の所持称号効果によりレイド参加者が予想の4倍に上ったこと、そのレイドボス戦の達成度が想定を超えたために急遽作成された達成度SSSであったこと、Zがプレイヤーとの契約を選んだことでZの一族の星獣AIの活動が非常に活発化したこと、それにより全てのレイド参加者が星獣契約を果たしたことが大きな要因となりました。また、星獣AIの活発化はすでに星獣の加護を獲得していたプレイヤーたちにも当該星獣との契約機会をもたらし、この波に乗ったほとんどの加護持ちプレイヤーが契約に至ったことも今回の結果に繋がりました。これにより、第二陣プレイヤーの星獣契約への望みが高まる環境が整ったと言えます。また、物資関連ではイベントと同時進行していた領主館の不正ルートが別のプレイヤーによってキャンセルされたことにより、始まりの街の物資流出が未然に防がれ且つ不正備蓄物資の解放によって街の物資不足は急速に改善しつつあります。住民AIの混乱も農業ギルドの改革が進み食料供給が飛躍的に向上する見込みがたったことで落ち着いてきました。本日8時には問題なく適正価格による物資提供が行われる予定です」


『そうか、星獣契約、物資関連共に順調そうだね。ちなみにモンスターの生態はどうだい? 第二陣のログインに耐えられそうかい?」


「はい、マスター。現状、異常発生したゴブリンの掃討が完了し生態系回復を待っている段階ですが、星獣Zにより生態系回復ブースト剤の巨大昆布が細切れにされ森林中にまき散らされたことで、回復第一フェーズの湖内を飛ばしすでに第二フェーズとなる森林内での森大鹿の大繁殖が確認されています。これにより8時までには第一エリア全般で生態系ダイナミズムが起きることが予測されています。第一陣の時よりもさらにモンスターの活動は活発に行われるでしょう』


『ふむ、そうか、モンスターがこれまで以上に活発になるか。第二陣がうまく順応できるといいんだが…。うん、そうだ、計画にあった第二陣用のイベントをこのモンスターダイナミズムにぶつけていこう。そうだね、告知は10日目で二陣ログイン2日目の明日だ。開始時期は内容によって精査していこう。二人とも、至急、案をまとめに入ってくれるかい?』


「「はい、マスター」」




 優雅に去って行くアマデウスとコリンズ。そして現れる黒い気配。




『で、どうだい、新しい担当は』


「いやあ、それが…実はそのプレイヤーは小僧の真夜中弁当の相手だったプレイヤーでして。それで今小僧とつるんじゃってます」


『あ、ああそう、そういう事になってんの。そりゃ…楽しそうだね。レイスの腕の見せ所って事か。こりゃ頑張んないと』


「あ、それでものは相談なんでやすが、新しく演算チップを増やせたらなと…」

『あ、もうこんな時間だ。社内会議があるんだ、ごめん~』

「あ、いや、二人とか無理…」



 第二陣ログインを7時間28分後に控えた世界地図の部屋。その部屋には7時間14分前まで海賊の置物が放置されていたらしい。


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