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第127話 レイス服の価値

いつもお読みいただきありがとうございます。

誤字報告も大変助かっています。

よろしければブックマークや★評価をいただければゴニョゴニョ…ご無理にとは言いませんので、気が向いたらお願いします。

「200万? え、さっきは100万って」


「はっは、アイツにはその服の価値が分かってねえからな。それで引いたんだろうが、俺だったら100万って言われたら喜んで買うぜ」


 なんだ、話が全然見えんぞ。



「まあ、こんなところで話すのもアレだ。俺の店すぐそこだから来いよ。あのピエロ君ならサービスするからさ」

「あ、はあ」


 だめだ。断れん。こういうところなんだよな。押しに弱すぎる。くそ。



 男の後について歩いていくと、店は本当にすぐそこだった。俺の歩きの速さで1分もかからんかった。



「どうだ、なにか欲しい武具はないか?」

「ええ、ソウデスネ」


 うん、見た感じ見事にすべて装備不可だな。ま、予想通りではあるんだが。あるんだが、悔しいものは悔しい。



「なんならその服の代金200万G先払いしてもいいからよ」


 なんかもう服買う気でいるよな。まあもちろん売るんだけども。いや、でもどうするかな。服売るにしてもな。他に装備できるものがなけりゃ外せないしな。


 実のところ、このレイス服は代わりの装備がなければ脱げないのだ。普通はデフォルトのインナーの上に装備を着用するから装備を外してもインナー姿でいられる。だがこのレイス服はインナー兼装備であるため、上に装備できないくせに脱げないという悪いとこ取りのクソ装備なのだ。ま、これ脱いだらマジで下着だろうから脱げないのは仕方ないのは分かるが、なら上に装備させろやって話になる。



「んじゃ、これとこれとこれください」


 とりあえず、着る服をなんとかしないといけないため、軽そうなコートを選んどく。ついでだからミーナ用にも買っとくか。


【薄手のコート】×6



「…コート好きなのか?」

「いえ、別に」


 もしかしたら作った物を売っているかもなので、素材にするとは言えない。もしかしたら素材にすらならない可能性もあるし。



「じゃあ、ちょっと離れますね。また来ますんで」

「お、おう」


 リオンに乗って万事屋さんに急ぐ。職人御用達の万能バサミ「バッサリ君」を買うためだ。




「こんにちはー」

「まあ、スプラ様、いらっしゃいませ」


 今日もやる気マシマシ営業勢のタンザさんが半歩近い距離で対応してくれる。ちょっと圧が…。



「バッサリ君ってありますか?」

「勿論ございますが、スプラ様は以前ご購入されたと思いますが…」


「あ、ちょっとなくしちゃって…」

「そうですか…お伝えしてませんでしたが、当店の商品は仕入れ先と特別契約していますので、全てが再販譲渡貸出が禁止となっております。スプラ様に限ってはそのようなことはないかと思いますが…」



 え、そうなの? そういや、マジョリカさんが万事屋さんの仕入れ先が特殊だとか言ってたような。そっか、自分用にしか買えないってことか。うーん、まあそうだよな、便利すぎるもんな。再販できたら大儲けできちゃうだろうし。



「ああ、実は俺、この世界に来る時に海賊の亡霊に呪いをかけられてしまって、死に戻ると持ち物全部なくなってしまうんですよ」


「まあ、そんなことが… それで以前のような格好になられたんですね」



 タンザさんの視線がジャージと草鞋に向く。あんまりジロジロ見られたくないが、ここは仕方ない。証拠品だからな。



「わかりました。スプラ様がこのような事で嘘を言う方でないと存じておりますので販売させて頂きます。ところで、スプラ様はバッサリ君で何の作業をされるのですか?」


 嘘…じゃないよな。GMなんて亡霊みたいなもんだし、死に戻り縛りなんて呪いでしかない。うん、やましい事なんてないぞ。



「あ、えっと、主に装備品を改良するために使ってます」

「そうですか。それでしたらこちらの商品もお勧めてすよ。ピッタリ君と言いまして、裁縫に針仕事が要らなくなる便利なものなんです」


「え、そうなん…」

「あと、話は変わりますが、先日の美容液、なんと領主様からもご注文をいただきまして…」


「あ、そうですか…」

「あの美麗効果がとても…」

「それは良かったで…」



 その後もタンザさんのマシンガントークを身に受けながら購入したのは【バッサリ君】と【ピッタリ君】それに【カラフル君】。ピッタリ君はどんな素材にも使える瞬間接着剤で、確定するまでは何度でもはがせる便利性能。カラフル君は指先一つで範囲指定して好き勝手に色付けできる幼稚園児垂涎の一品だ。





「では、これより薄手のコートの裁断を始めます。ハサミ」

『ゆら』


 ご近所さんのマークス工房を借りてコートをチョキチョキしていく。


「汗」

『フンス』


「のり」

『ゆら』


「色」

『フンス』




ピンポーン

『特定行動により【寸劇Lv1】を習得しました』



【寸劇Lv1】

 短い演劇を披露することで見るものを引き込む。レベル上昇と共に引き込む力が増す。


 …コミュ障の俺にコント師になれと? は?



「では気を取り直して、のり」

『ゆら』


「ハサミ」

『フンス』



「完成。お疲れ様でした」

『ゆら』

『フンス』



【薄手のシャツ】×2

【オーバーオール】×2



 ちょっとダボっとしてるけど、まあ小さいよりは大きい方がいいだろう。ミーナにサイズとか怖くて聞けないしな。



「じゃ、露店に戻りますか」


 作ったばかりの服に着替えて露店に戻ると、さっきのプレイヤーが露店で店番をしていた。



「遅くなりました」

「お、…着替えたんだな」


 なんか、今、俺の格好見て止まったよな。え、おかしかったか? 色とか変?



「…じゃあ、これどうぞ」


 ま、とにかくジャージに草鞋よりかは良いことは間違いないだろう。草鞋も脱いでセットで渡す。


「お、悪いな。じゃあ、これ代金な」



ピンポーン

『プレイヤー「ケンクロウ」からトレードの申請がありました』



 ん? トレード?


 ケンクロウからトレード申請なるものが届く。



「お、もしかしてトレードは初めてか? 露店を通さない売買はトレードでするんだ。ほら、譲渡だけ受けてトンズラされたら困るだろ?」


 なるほど。そんなシステムなのか。



 トレード画面に記される俺の出したレイスシリーズと200万Gの文字。うん、確かに200万だな。承諾っと。



「おっし、サンキューな。ん? スプラは裸足でいいのか?」


 トレードで知ったのか俺を名前呼びするケンクロウ、その視線は俺の足元。



「これ、良かったら使ってくれ。安物で悪いが」



【スニーカー】必要筋力3


 うん、ありがたいけど履けんな。履けんけど… もしかしてこれならワンチャンあるか? 安物だって事だし切っても大丈夫だろ。



「あ、じゃあ、遠慮なく。でも、実は必要筋力足らないんで、ちょっと改良させてもらいますね」



 バッサリ君を取り出してスニーカーを切っていく。イメージは幾何学的に穴があけられたスタイリッシュなサンダルシューズだ。


 バッサリ君は刃先を対象につけるだけですっと刃が入っていく。穴あけ作業もラクラクだ。っていうか、これかなり楽しい。子供のころに作ったステンドグラスを思い出すな。


 靴底はそのままにシューズのつま先部分を指が全部見えるくらいに大胆に切り取る。横面は大小三角の穴をバランスよく切り取っていく。かかと部分は多めに残してシューズ感を保っておく。


 うん、てきた。履いてみようか。


 おお、いい感じにビッタリきたな。オーバーオールにも合うし、いいんじゃないか?


「良く言えばオーバーオールスタイルってやつだな」



ピッカーーン


 え、嘘、こんなところで? 周りに人がいるのに…ってそれより目が、目がーーーっ!



ピンポーン

『称号【不断の開発者】の効果により特殊生産物が生産されました』



【男の隠れ家的オーバーオールセット】

大人の色気で隠しきれない内面のヤンチャさ。その絶妙な空気感が醸し出すノストラジーな世界は全ての男性の想いをあの頃の秘密の基地へと誘うだろう。



 …なんで俺の秘密基地の事を知ってるんだよ。



❖❖❖❖レイスの部屋❖❖❖❖


だっはっは、小僧が小僧的な服を作りやがった。

子供は子供らしくってか。


っつーか、TZよ。

お前はサービスしすぎだ!

色々勧めてんじゃねー!


――――――――――――――

◇達成したこと◇

・被弾:万事屋タンザのマシンガントーク

・購入:【バッサリ君】【ピッタリ君】【カラフル君】

・習得:【寸劇Lv1】

・製作:【男の隠れ家的オーバーオールセット】




◆ステータス◆

 名前:スプラ

 種族:小人族

 星獣:リオン[★☆☆☆☆☆]

 肩書:なし

 職業:なし

 属性:なし

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:1

 器用:1

 知力:1

 装備:男の隠れ家的オーバーオールセット new!

 固有スキル:【マジ本気】

 スキル:【逃走NZ】【正直】【勤勉】【高潔】【献身】【投擲Lv10】【狙撃Lv4】【引馬】【騎乗】【流鏑馬】【配達Lv10】【調合Lv10】【調薬Lv10】【匙加減】【火加減】【下処理】【創薬Lv4】【依頼収集】【料理Lv1】【寸劇Lv1】new!

 所持金:約万500万G

 称号:【不断の開発者】【魁の息吹】【新緑の初友】【自然保護の魁】【農楽の祖】【肩で風を切る】【肩で疾風を巻き起こす】【秘密の仕事人】【秘密の解決者】【秘密の革新者】

 従魔:ネギ坊[癒楽草]


◎進行中常設クエスト:

<薬屋マジョリカの薬草採取依頼>

<蜥蜴の尻尾亭への定期納品>

〇進行中クエスト:

<眷属??の絆>



◆星獣◆

 名前:リオン

 種族:星獣[★☆☆☆☆☆]

 契約:小人族スプラ

 Lv:1

 HP:120/120

 MP:160/160

 筋力:12

 耐久:10

 敏捷:25

 器用:11

 知力:15

 固有スキル:■■■■ ■■■■

 スキル:【疾走Lv1】【足蹴Lv1】【噛み付きLv1】【運搬(極)】



◆契約◆

 名前:ネギ坊

 種族:瘉楽草ゆらくそう[★★☆☆☆]

 属性:植物

 契約:スプラ(小人族)

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:0

 器用:1

 知力:5

 装備:【毒毒毒草】

   :【爆炎草】

   :【氷華草】

 固有スキル:【超再生】【分蘖】

 スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】【寒気耐性】

 分蘖体:ネギ丸【月影霊草】



《不動産》

 畑(中規模)

 農屋(EX)


≪雇用≫

 エリゼ

 ゼン

 ミクリ


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