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第101話 対ジェネラル戦2

「GUOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」



ピンポーン

『条件を満たしたため称号【魁の息吹】の効果により、協力可能プレイヤーに協力要請が発信されました』



 …今はそれどころじゃないからよくわからん称号効果のアナウンスは放っておく。



 【遠見】越しに見ると右手から黒い血を流しながらこっちを睨みつけるジェネラル。その目は血走り怒りに狂っている様子。



「まさかジェネラルが反応するとは思わんかったな…」


『スプラよ。見事であった。我が眷属が解放されたようだ』


「え?」



 急いで眷属を確認する。



「あ、海坊主さん、それに団員のみんなも」



 身体を締め付けていた青い鎖がなくなった眷属が海坊主さん達に守られるようにしてジェネラルから離れていってるようだ。ってことは、真っ黒ダーツはジェネラルの手を貫通して鎖に命中したってことでいいのか。で、眷属って白馬だったんだな。



『これより我は上空で待機し機会を伺う。スプラは我にゴブリン殲滅の機会をもたらせ』



 ヒュペリオンが空中を走るようにして上空に駆け上がる。そして、攻撃対象がいなくなったお怒りの将軍様、次なる攻撃対象はもちろん。



『GUAAAAA』


「デスヨネ」



 睨み殺す気かってくらいの殺気が俺を貫いてくる。



 そして赤黒い炎が噴き出す大斧を怪我してない左手に持つ将軍様、今度はその斧を…え、投げた?



スバンッ メキメキメキメキ



 大斧は回転しながら俺が登っている大木を半ばでバッサリやると再び将軍様のもとに戻っていく。で、もちろんのこと俺は掴まってる木ごと落下していく。エレベーターよりきつい浮遊感…おえ。だが、俺自身はそれほど焦ってはないない。なぜなら【木登り】スキルの汎用性が超高いからだ。


 俺は横になりながら落下していく木の上をスタスタと走り、隣の低木に飛び移る。タイミングばっちりでダメージはなし。【木登り】万歳。


 しかし、俺が登っていた木が湖に向かって倒れたため、何故か綺麗なドミノ式になぎ倒されていった木々の向こうに巨大な筋肉黒ダルマが丸見えになってしまった。



「やべ、見つかった…って、ん? なんだあれ?」


 遠くに見えるジェネラルの頭上に赤いバーが見えるんだが? 右端がちょっと削れてるけど…。



 ドカン ドカン


 俺がちょっと赤いバーに気を取られていたら、俺より先にジェネラルが動く。大斧を担いでドカンドカンと足音を立ててこっちに向かって走り出した。


 でもまだ遠いから俺にも余裕がある。



『【自動照準】からの5連【狙撃】』



 俺が放った5本のピエロダーツが向かってくるジェネラルの眉間に向かって一直線に飛んでいく。



 キンキンキンキン グサッ



 4発目までは大斧で防いだか、タイミングをずらして放った5本目がうまく眉間に刺さったようだ。実はこういう姑息な小細工はちょっと得意だったりする。


 

 ブシュ ポイ ポリポリ



 しかし刺さったダーツを抜いて後方に投げ捨てるジェネラル。眉間を蚊にでも刺されたかって感じでポリポリ掻いてやがる。



「くっそ、やっぽ効かねえか。さっきの黒ダーツを眉間に当てられたら良かったのにな」



 相変わらずドカンドカン足音立てて向かってくるジェネラル。その眉間に向かって再びダーツを狙撃する。



「狙撃狙撃狙撃…」



 数で押し切ってやろうと20連で狙撃したが、今度は全てを大斧で弾かれる。いや、タイミングずらした5本もすべて弾くとか学習速度速過ぎじゃね?



 勢いの止まらないジェネラルの突進。攻撃方法を少し考えてるだけでみるみるその姿が大きくなってくる。



「やっべ、ちょっと考えてただけで威圧感がシャレにならんくらいになってきやがった」


 あんまり威圧感に晒されると、クソ上司のトラウマで動けなくなりそうだし、ここは一旦距離を置くことにする。


 ジェネラルから隠れるように木から木へ移動し、森の中を進みながら考える。



 …あの巨体にダメージ食らわすのは物理では無理。って事は搦手が必要になるわけだが、それには武器が足りない。劇毒をダーツに付加して当てればワンチャンあるかもだけど、大斧で弾かれたらそれで終わり。ネギ坊から素材貰うとしても、日光見えてないから、素材獲得は3種類1回まで。後はそれをダーツに付加する時間があるかどうか。うーん。



「ネギ坊、【毒毒毒草】と【爆炎草】と【氷華草】くれる? 回復はちょっと後になるけど」


『ゆら♪』



 素材が素材なだけに移動しながらの受け取りには緊張するが、さっさとストレージにしまい込んてしまったら大丈夫だった。


 後は簡易鍛冶セットを使う時間が取れるかどうか…



バキバキドコン バキバキドコン バキバキドゴン バキバキ…



 背後から木がなぎ倒される音と全くテンポが乱れない足音。こりゃ、森の中だからって安心できんな。時間稼ぎどころか逃げ切れるかどうかすら微妙かもしれん。


 上空を見ると、ヒュペリオンがじっと戦況を見守っている。まだ動く気は無さそうだ。



「せめて1分くらいでも時間かあったらな…」



ドーーーーーーーーーーーン



「おわっ」



 木の上を枝から枝へ移動していたら、いきなりすごい音と共に地面が縦に大きく揺れる。そのせいで木の上から放り出されてしまった。


 しかしギリギリ一番低い枝に手が届いて何とかノーダメージで乗り切っることができた。いや、何だったんだ今の。音は将軍様と全く違う方向から聞こえたんだけど。あ、もしかしてヒュペリオンか?


 上空を見るとさっきと全く変わらない様子で待機しているヒュペリオン。でも、その見てる方向は今の音が聞こえてきた方向だ。ってことは、やっぱり何かが起きてるって事か?


 そして、ふと気がつく。



「将軍様の足音が止まったな」



 これはチャンスか?



 急ぎストレージから簡易鍛冶セットを取り出す


「【リサイクル武具】で素材付加」


 金床にダーツを置いて、ストレージから【爆炎草】を取り出す。


【爆炎ダーツ】1/1

 対象に当たると爆発を引き起こす。



 次に【氷華草】。


【凍結ダーツ】1/1

 対象に当たると凍結が生じる。



 最後に【毒毒毒草】。


【劇毒ダーツ】1/1

 対象に当たると劇毒状態を引き起こす。



 ドコン ドコン バキバキバキ


 ダーツをリサイクルし終わった途端に将軍様の足音が再開する。いや、なんかすごいタイミングだったな。ラッキー過ぎる



「じゃあ、戦闘再開といこうか」


 空腹になっていつかは追いつかれる前提の追いかけっこはもう終わりた。ここからは勝負を賭ける時間。負ければ全て失うが、後で後悔するよりは全然マシだ。



バキバキドコン バキバキドコン 

バキバキドコン バキバキドコン 


「GYAOOOOOO!」


 俺を自分の間合いに捉えたゴブリンジェネラルが咆哮で威嚇してくる。



「いらっしゃいませ、将軍様。まずはお通しでございまーす」



ボン


 俺が狙撃した【爆炎ダーツ】をジェネラルが大斧で弾く。が、ダーツが爆発して一気に燃え上がった炎がジェネラルの上半身を覆う。



「GYAAAAA」


「熱いので冷たいものでもどーぞ」



 ピギピキピキ


 炎で視界を奪われたジェネラル、その斧を持つ腕に【凍結ダーツ】が命中した。すると白い冷気を上らせながらその腕が青白い氷で覆われていく。



 ドスン


 自由が利かなくなった腕から大斧が地面に落ちる。



「こちらが本日の主菜でございます。が、毒にご注意ください」



 プス


「GU? GA?」



 劇毒ダーツがジェネラルの首筋に刺さる。よし、いい感じだ。確か毒毒毒草の説明にどんな巨体にも効くとか書いてあったもんな。どうだ?



「GU? GYAAAAAAAAA!」



 ゴブリンジェネラルの首筋に紫の血管が蜘蛛の巣状に浮き上がる。それと同時に猛烈に苦しみだすジェネラル。これは効いてるらしい。



「GU GAAAAAAAAA!!」


「ええええ、マジか!」



 苦しんでたゴブリンジェネラル、あろうことか首筋の蜘蛛の巣状になった部分を自分で引きちぎった。



 で、同時にジェネラルの頭上の赤いバーが目に見えて減る。あ、なるほど。あれってHPバーだったのか。 



『やったね。ゴブリンジェネラルのHPを一人であんなに削るなんてすごいじゃないか』


 俺がジェネラルの頭上のバーに気を取られてたら急に声が聞こえる。誰だ? ネギ坊でもヒュペリオンでもない声だが。



『僕だよ。君が助けてくれた眷属』


 え、っていうと、海坊主さん達と逃げてたあの白馬か?



『そうそう、君が【念話】持ちでよかった。僕は湖の方にいるんだ。ジェネラルが怯んでいるうちにこっちに来られるかな?』


 え、あ、うん、わかった。皆と合流もしたいしな、そっちに向かうわ。で、皆は? 大丈夫?



『来たらわかるよ。じゃ、待ってるね』



 ふーん…じゃ、行くか。【木登り】っと。



❖❖❖❖レイスの部屋❖❖❖❖


小僧、その3連ダーツはちょっとキツイわ〜。

しかもその見た目で料理仕立てって…ダメだ、こんな絵、サイコパス過ぎて絶対に使えん。

その前のダーツは地味過ぎて問題外だし。タイミングずらすとかなんだよ。もっと視聴者にわかりやすいことやってくれって。



小僧、頼むぞ。普通に使える絵だぞ。

死に戻る前に1シーンでもいいからさ。


これだけの視点カメラ用意するの大変だったんだから。


――――――――――――――

◇達成したこと◇

・テンション上がってサイコパスな攻撃を敢行する。

、白馬と念話で話す。



◆ステータス◆

 名前:スプラ

 種族:小人族

 星獣:(仮)星獣ヒュペリオン[★★★★★★]

 肩書:マジョリカの愛弟子(EX)

 職業:上級薬師

 属性:なし

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1(+3)

 敏捷:1(+13)

 器用:1

 知力:1

 装備:ただのネックレス

 :悩める道化師のトルピード

 :仙蜘蛛の道下服【耐久:+3、耐性(斬撃・刺突・熱・冷気)】

 :飛蛇の道下靴【敏捷+13】

 :破れシルクハット

 固有スキル:【マジ本気】

 スキル:【正直】【薬の基本知識EX】【配達Lv10】【勤勉】【逃走NZ】【高潔】【依頼収集】【献身】【リサイクル武具】【採取Lv10】【採取者の勘】【精密採取Lv3】【調合Lv10】【匙加減】【投擲Lv10】【狙撃Lv2】【鍛冶Lv9】【調薬Lv10】【団粒構造Lv2】【農地管理Lv4】【農具知識EX】【料理Lv1】【広範囲収集】【遠見】【工作Lv1】【釣りLv1】【木登り】【よく見る】【自動照準】【下処理】【火加減】【創薬Lv4】【念話】

 所持金:約1045万G

 称号:【不断の開発者】【魁の息吹】【新緑の初友】【自然保護の魁】【農楽の祖】【肩で風を切る】【肩で疾風を巻き起こす】【秘密の仕事人】【秘密の解決者】【秘密の革新者】

 従魔:ネギ坊[癒楽草]


◎進行中常設クエスト:

<薬屋マジョリカの薬草採取依頼>

〇進行中クエスト:



◆契約◆

 名前:ネギ坊

 種族:瘉楽草ゆらくそう[★☆☆☆☆]

 属性:植物

 契約:スプラ(小人族)

 Lv:1

 HP:10

 MP:10

 筋力:1

 耐久:1

 敏捷:0

 器用:1

 知力:5

 装備:【毒毒毒草】

   :【爆炎草】

   :【氷華草】

 固有スキル:【超再生】【分蘖】

 スキル:【劇物取扱】【爆発耐性】【寒気耐性】



《不動産》

 畑(中規模)

 農屋(EX)


≪雇用≫

 エリゼ

 ゼン

 ミクリ

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