2,元奴隷商人 トヒナンヘ
地下暮らしの朝は早い。早朝am04:00には起きて電気マシンで発電させる。昼食はパン一個と冷たいスープくらい明らか足りない。
夜も電気マシンで発電させてpm01:00に就寝。抗議も起こったけど、地下暮らしに人権などないため射殺される。代わりなんて沢山いるから看守も慈悲がない。
一人の少年は剣闘士見習いとして今日から試合に出るそうです。いわゆるアマチュア戦でD3からD1にランクアップしなければ本戦に出れません。D3は比較的一般人くらいの強さで、強ければD2に昇格できます。D2は少し鍛えている奴らばかりになり、魔法も多用してくる奴が多いです。D1は別格で、D3から見たら天と地の差があります。本戦一歩手前なだけあり、アマチュアでも歴戦の猛者の雰囲気を漂わせます。
本日アマチュアD3戦にお越しいただき誠にありがとうございます。
司会者「やはりD3戦は人気ないな、あんま客の人数がいねぇ。賭け金も低そうだな。」
東側…元は商人で奴隷売買をしていた所を国にバレて国外通報された挙げ句、別の国でも同じ様な事で商売していたクズ…
元奴隷商人 トヒナンヘ!!
武器は奴隷商人時代愛用だった鞭!!
西側…地下格闘技界の深層に住む奴隷の住処で生まれた正に悪魔の子、幼い頃から暴動行為を起こし看守からも恐れられていた。その赤い目は人を殺す度に濃い色になっていく噂もある。
一匹狼 ラルク!!
軽装と武器はショートソード!!
バトル…開始!!
ラルクは颯爽と走ってトヒナンヘの右腕を狙いました。トヒナンヘは正面から向かってくるラルクに鞭で近づいてこないようぐるぐる体を回しながら鞭を回しました。鞭は鋼鉄でできているため当たると骨折は免れませんが、ラルクには関係ありません。
ラルクはわざと自分の剣に鞭を巻かせるように剣を投げ、トヒナンヘの動きが止まると同時に右腕・左腕・右脚・左脚を思いっ切り殴り潰し動けないようにしました。
トヒナンヘ「痛いぇ…痛いぇ…降参だぇ」
ラルク「この地下格闘技界に落ちてきたんだから戦う覚悟くらいしとけよ。」
客人が盛り上がっているので終われませんので、試合は続行です。
ラルク「お前は奴隷商人だったらしいじゃないか。今のお前みたいに助けてほしいと言う奴がいただろう。そんな奴もお前は鞭でしばいたりして遊んでいたんだろ?だったら四肢をもがれても仕方ないでしょ。」
ラルクがトヒナンヘの四肢をもぐと、観客たちはものすごい大盛りあがりを見せて、D3戦初の金額を放ちました。
勝負はラルクの圧勝で幕を閉じました。これでラルクは1勝しました。D2に昇格するには連続5勝すれば晴れてD2になれます。
ラルクは剣闘士として勝利したことによって地下暮らしから大部屋暮らしになりました。大部屋暮らしとはD3の剣闘士がいくつかの部屋に分けて住む部屋です。ラルクは大部屋のドアを開けました。
おう、新人君。初戦から派手にやったな、頭飛んでんな。ハハ…。
ここにいる連中はほぼどんぐりの背比べほどの強さでラルクの目に留まる奴はいませんでした。
大部屋には壁の真ん中にモニターが設置されて試合を観戦できますが、D1の風格を持ったD3の剣闘士がいました。
その名を獅子王…ラルクと同じ地下暮らしで同じく看守から恐れられていた存在だ。筋骨隆々で身長が200cmあり、地下暮らしだと思えない体格である。
ラルクもモニターで観戦していたが獅子王の戦いを見てコイツと殺りたいと思うようになった。
モブ「ラルク…午後にもう一試合あるそうだ。」
モブ2「確か次は毒葬のアオアシじゃなかったか?」
モブ3「ラルク…お前死んだな。アオアシといえば元D2の常連で禁止行為をしてD3に落ちたが実力はD2のままだぜ。」
午後の部が始まります…
モブ4「ラルクの番だぜ、胸張って行きな!」
ラルクは戦場に行きました。