表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

聖女ネフティーヌの優雅なる覚醒

作者: さの あゆむ
掲載日:2023/02/16

思いつきでばばーっと書いたので、文面がおかしいと思います。

本当はもっと詰め込みたかったし、短期連載したいとも考えています。忘れる前に短編として残します。

恋愛要素は短期連載をする事になったら、濃くしようかな、と。

R15は念の為です。短期連載の為の。

ネフティーヌ・シレーナ伯爵令嬢は聖女である。



生まれた瞬間から「神の愛娘」の印を身に宿していた為、それは誰も疑わぬ真実。ただし、聖女としての力を発揮させた事は1度もない。

確かに力はある…何故発揮出来ないのかは分かっていない。彼女はこれまで神殿や王宮で過ごし、聖女としての力の覚醒の為の検査等を受けてきた。今は王宮で過ごしている。

「神の愛娘」である彼女の扱いはとても丁重なもので、何不自由もなく育てられてきた。

実の両親との関係は良好、神殿の神官達からも尊敬され、王宮の王族達やそれに仕えるも彼女を大切にした。

彼女自身もそのような扱いを不満に思った様子もなく、「聖女としてこの国の為尽くしたいと思っています。」と幼少期からその高潔さを示していた。


そんな彼女は、年々弱っていった。原因は不明。

基本はベッドで寝たきりで、最近では眠り姫のように何日も眠りにつく事も増えた。

皆が心配をしている。

彼女は17歳で、貴族令嬢でもある。聖女の力の覚醒とは別に、義務として結婚というものも彼女には課せられていた。彼女はその事でさえ不満に思うことは無い、何故なら義務は果たすべきものだから、と彼女自身が考えていたから。教育だけではない、彼女の性質がそうなのだ。

王太子の婚約者候補にもいたが、あくまでも候補であり、本来であれば王太子と聖女の結婚が最も求められた事ではあるが、彼女の回復が見込めない為、王太子は最近有力な貴族令嬢との婚約が決まった。


彼女は自分の扱いに不満を抱いたことはなかった、ただ自分がこの場にいる事は間違っていると度々口にしていた。

この場というのは神殿や王宮である。

彼女の両親や神官達、王族達はその言葉の意味を理解出来なかった。

全ては彼女の為であったからだ。彼女もそれを理解していたのに、自分の居場所はこのではない。そう、言い続けていた。



「ネフティーヌ嬢、私の婚約者が決まったんだ。」

「まぁ…それは、とてもおめでたい事ですわ。あの方ですか?」

「あぁ、彼女だ」

「お似合いですわ、初恋が実るなんて王太子殿下は幸せ者ですわ。」



今日の彼女は調子が良いらしい。久しぶりに目を覚まし、こうやって会話を交わしている。

か弱い彼女は安堵の様子を見せている。

幼馴染である王太子が好きな人との婚約を結ぶ事が出来たことに。

そして彼女は言う…



「やはり、私の居場所はここではありませんわ。」

「ネフティーヌ嬢!君は何故…」

「いいえいいえ、私、皆様の事が大好きですわ。私が出来る方法で皆様の幸せを守りたいとも考えています。」

「昔から、そう言っていたね。君は高潔な人だ。聖女に相応しい。」

「ふふ、お褒めのお言葉、嬉しいですわ。…ですので、私を海の守護者たるトリトン公爵家の元へ連れて行ってはくれませんか?」



この日の彼女はとても饒舌で、言葉に強い意志を感じる。

彼女の言うトリトン家は公爵家の位にあり、海軍のトップである。その為海の守護者と呼ばれている。

この国は海に囲まれた小さな国であり、他国からの侵略は全てトリトン家が防いでいる。とてもとても尊い家系である。




「ネフティーヌ嬢、まさかトリトン家に嫁入りを?君なら申し分無いだろうが、その体では…」

「私の嫁入りは別にどうでも良いのです。大事なのはトリトン家は海辺に屋敷を構えていますでしょ?それが大事なのです。」

「嫁入りは大事だろう…トリトン家の若き当主は未婚であるし、王家から打診してみるか?」

「そこら辺はお任せしますわ。大事なのは海辺、なのです。」

「今日の君は、何だか強いな。だが、疲れてきたのだろう?もう眠りなさい。あとは私に任せてくれ。」




調子が良い日でも、彼女はすぐに疲れてしまい、また眠り姫のように眠ってしまう。

彼女の願いを聞いた王太子はすぐに行動し、神殿の大祭司、王宮の両陛下に彼女の望みを伝えた。

彼女は待っていたのだろう、王太子の婚約を。幼馴染同士の彼女と王太子の関係は昔から良好なものではあるが、それは兄と妹のような関係であった。兄のように慕う王太子は初恋の令嬢と無事に婚約が出来たことを確認できたから、行動を起こしたのだろう。

正確には行動したのは王太子ではあるが、彼女は寝てしまった為、仕方なし。



上の者たちは彼女をどうしても手元に置いて起きたかった、聖女である為、その恩恵を受けたかったのだろう。その考えは間違いでは無いが、彼女曰くこの場がいけないらしい。

王太子の婚約者が決まり、候補だった彼女にもちゃんとした婚約者が必要であり、彼女が望んだトリトン家は文句の付けようのない家柄な為、許可された。

何より彼女は「海辺」であることに拘ったのだから。

次、彼女が目覚めた時にはトリトン家へ赴く事になるだろう。




「やっと……私の力を覚醒させる事ができる日になりましたわ。」



トリトン家に向かう道中、彼女はそう呟いた。

見送りの為、王太子とその婚約者、親しい神官が馬車に乗っていた。

警戒態勢の整った状態で、彼女は嫁入りにする。

ちなみに彼女本人は本当に嫁入り等の事は気にしておらず、目覚めた時に「あら、結婚の事は後回しにしようと思っていましたのに…オーレウス閣下に申し訳ないですわ…」などと言っていた。




「まぁ!海、海ですわ!ふふ、綺麗…」




トリトン家の領地である海辺の街に近づくにつれて、彼女の顔色は良くなり、彼女の気分はよくなり、彼女の機嫌は良くなっていく。

海にはしゃぐ様子を、同じ馬車にのる3人は微笑ましく見つめていた。

誕生日を迎える度に弱くなっていった彼女がここまで元気な様子を見せるのは、数年ぶりなのだから。

王太子の婚約者は侯爵令嬢であり信仰心が強く、聖女である彼女を慕っていた。何より好意を抱いていた王太子の婚約者候補として侯爵令嬢を薦めたのは彼女なのだから。どう考えても後者が慕う理由なのかもしれない。

親しい神官も、もちろん信仰心が強いが…彼女に好意を抱いていた。その気持ちを断ち切る為、彼女が幸せになるところを見届ける為についてきた。




「海がこんなにも近くに、降ろしてくださいまし、私、海に行きたいのです!」

「「「ネフティーヌ嬢?!」」」

「海でなければ、海でなければいけないのです!」




そう言い、彼女は馬車を止めて海へと走りだした。

その姿を見た3人はもちろん、警護にあたっていた者、そして婚約者を向かい入れるために待っていたオーレウス・トリトン公爵は驚いた。

何故なら彼女はここ数年、歩くことさえ困難だったのだ。ずっと寝たきりだった、出歩いたとしても人の手を借りなければ動くことが出来なかった。

王宮に滅多に行かない公爵だってその話は聞いていた。

そんな彼女はヒールを脱ぎ捨て、ドレスの裾をたくしあげ、海の浅瀬で楽しそうに動き回っている。

そんな不思議な光景をその場に居たものは見ている事しか出来なかった。

驚きのあまり皆が固まってしまったからである。




「ふふっ、父であり母である海の神よ!私ですわ!貴方様の愛娘ですわ!」



海の浅瀬で舞っていた彼女の声は、届いた。

彼女は「神の愛娘」であり、聖女。

力を発揮出来なかったのは、彼女が「海の神」に愛された「海」の聖女だったから。

彼女は度々、自分がこの場にいる事は間違っていると言っていた、その通りだった。

海の聖女である彼女は海から離れた神殿や、王宮ではその力が皆無になってしまうから。




「あら?貴方様がオーレウス・トリトン公爵閣下ですわね?強引なお話、申し訳ございません。」

「っ!あ、いや、ネフティーヌ・シレーナ伯爵令嬢…ありがたいお話ですので、美しく高潔な貴女との婚約の話は。」

「あらまぁ、お堅い方ね。ですが私に悪い印象はありませんのよね?ではこれからお互いを知りましょうね。」

「も、もちろんだ!よろしく頼む、あ、いや…よろしくお願いいたします。」



力を発現させた彼女は生き生きとしていて美しい。

そんな彼女を見たオーレウス公爵は、改めて望まれた自分を幸福者だと思った。

海の力を使い、国を守る聖女と自分は相性が良いと考えたからだ。

あと美しい海だと喜ぶ彼女に一目惚れしたのだ。




「私は海の聖女として、ここで国を守り、尽くしますわ。やっと皆様の役に立つ日がやってきました、頑張りますわ!」



海の聖女の優雅な覚醒である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ