表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オルランの一人ぼっち  作者: 矢部涼
5/11

5.ルイシーナの真実

 二回ほど跳躍してから、後は慎重に進むことにした。既に四人以上の自分が、同時間帯に存在している。数が増えれば増えるほど、危険が増すのは明らかだ。これからは移動するためだけに、跳躍を利用するのはやめた方がいいのかもしれない。

 フィーリタは、はっきりと害意を向けてくることはなくなった。しかし、警戒されているのは変わらない。彼女は決して前に出てくることはなく、常にウィルを先導させていた。


「そこの沼だ。一部が床扉になっている。地下につながる」


 彼が一歩踏み出すと、さらにつけ加えてきた。


「毒が充満しているから、気を付けろ。肌に触れただけで、重傷になる」


 間違えて悲惨なことになっても、構わないような調子だった。その悪びれてもいない顔を一瞥してから、ウィルは自分の鞄を開けた。中にあった、水分をはじく材質を持っている一つ繋ぎの服を取り出す。

 フィーリタは少し構えた後、すぐに解いて尋ねてくる。


「なんだそれは?」

「作業着です。廃棄物処理場で主に使われてます」


 これをくれたあの二体には、感謝するべきなのかもしれない。

 種族の中には、消化して吐き出したものや、色々な汁を含んだ廃棄物を出す例もある。それらは、多くの生物にとって深刻な害となる場合もあるのだ。そういったものを処理する上で、優秀な耐性を持つ作業着が必要になってくる。

 一度ローブを脱いでから、作業着を身に着けた。それと赤い獣の仮面は明らかに雰囲気が合っていなかったものの、気にせずに彼は進み始めた。

本当は、フィーリタに正確な地下空間の場所を教えてもらってから、そこへと跳躍すればいいだけだった。しかし彼はあえて苦労をすることで、相手の信頼を勝ち取ろうと考えていた。手の内をさらすことにもなる。多少は警戒を解いてくれるよう願った。

見た目はただの泥沼でしかないが、臭いがややおかしい。息をしてはいけないとは言われなかったので、口と鼻は塞がない。そこは、フィーリタを信じることにした。

 指示された場所の泥を取り除き、すぐに固そうな錆色の扉を見つけた。後ろからついてきていたフィーリタがそこへと力場を伸ばし、特定の手順で開錠をした。傍から見ているだけでは、何もわからない。ちゃんと暗識化されているわけだ。

 中は、最低限の設備しか用意されていなかった。乱雑に敷かれた寝具代わりの布は、所々が破れている。壁には薄いアルヴの衣装が掛けられており、フィーリタが素早くそれに着替え始めた。

 心の中で文句を言いながら、顔を逸らす。すると、妙なものが目に入った。

 固められた壁の一部が、白くなっている。短い線のようなものが入っていて、ウィルは何となく手を伸ばした。急に泥がうごめき、もっと大きな白い塊が出てくる。それが何なのか理解した瞬間、背中に怖気が走った。


「骨だ」


 新しい服を身に着けたフィーリタが、いつの間にか隣にいた。腰を抜かしたウィルを鼻で笑ってから、そばにあった椅子へと座る。


「い、一体、なんの?」

「見ればわかるだろう。アルヴのものだ。忌々しい回帰主義の老害どものな」


 その言い方にはどこか、自嘲の響きが含まれていた。言葉の乱暴さに反して、フィーリタの目には哀しみが浮かんでいる。まるで今にも、その骨たちが自らを刺してくると言わんばかりだった。


「その中に、無実の者はどれだけ含まれてますか?」


 言ってしまってから、ウィルは失言をしたことに気がついた。目に見えて、フィーリタの表情が険しくなったからだ。また優位に立とうなどと、無意識にでも考えるべきではなかった。

 予想に反して、彼女は睨みつけてはこない。自分と距離を保ったまま、大きくため息をついた。


「なぜそう思う?」

「割合的に、おかしいからです。もし年寄りのアルヴが皆回帰主義だったら、とっくの昔に種が絶えています」

「お前の種族は、小賢しいのが特徴なのか」


 彼女は指を動かした。目に見えている全ての骨を囲むようにして、円を描く。


「ほぼ、全てだ。多少は考えに同調している者もいただろうが。皆、慣習よりも種族の未来を考えるような方達だった」

「なのに、殺された?」

「今の戦士団が、優秀だったんでな。あっという間だ」


 目の前が、捻じれていくような感覚。異質な領域に踏み込んでしまったという確信が、ウィルの体を震わせた。


「それは、どういう? 一体ここで何が起きて……」


 今度は胸ではなく、喉に手が迫ってきた。何か対応する暇もなく、そのままつかまれる。あまり強くは絞められていないものの、少しでも力を入れれば喉を潰されるという思いが、抵抗をやめさせた。


「黙れ。疑問に次々と答えてくれる便利な女だとでも思ったのか? 今度は、私が訊く番だ。死にたくなければ答えろ」

『あんまり乱暴にしないでよ』


 すぐに喉から手が離れていった。ウィルは大きく口を開けながら、呼吸を再開させる。

 フィーリタは、妙な体勢になっていた。既に立ち上がりかけていて、今にもその場から離れていきそうだ。それなのに、ずっと固まっている。両手だけが、目の前で跳ねているホロへとかざされていた。


「本当に、跳躍種(リプン)? 触ってみても?」

『触れはしないけど、こっちから胸に跳び込んであげる!』


 ウィルは膝を揺らしながら、目の前の戯れを眺めていた。フィーリタは純粋な驚きを露わにしながら、胸元に収まるホロを抱えこもうと試みている。その動作だけは、幼い少女のようだった。

 それはあまりに今の状況とかけ離れた光景だったので、ウィルは止めようとした。しかし立ち上がった瞬間、鞄に隠れていた存在が急に飛び出してきて、彼を押しのけていった。

 ニーハは黒い気体を伸ばし、フィーリタの褐色の肌を撫でる。


「ままみたい……。すごくいい。なじむ。くっついていい?」

「ん? あ、ああ」

『ぼくもこの胸の中に一生住みたいよ。どこかのひねくれた男子なんて、ぽいだ』


 もし今ここでフィーリタが裏切ったとしても、誰も助けてはくれない気がした。これだから、非実体種族は信用できないのだ。自分の予想もしない基準で、敵味方を区別する。

 とはいえ、彼女自身の警戒を和らげることには貢献したようだった。真面目に考えるような顔になり、ウィルへと話しかけてくる。


「解せない点がある。過去に戻れるのなら、直接ルイシーナ様を助ければいい。なぜそうしない?」


 相手に分かるように心掛けながら説明した。そうしていく中で、彼女がかなり頭が良いということもわかった。感情に支配されていなければ、冷静に物事を分析することができるらしい。


「彼女の死体を偽造すると?」

「はい。界壁さえ正常になれば、かなり自由になります」


 フィーリタの考え込んでいる姿を見て、やはり彼女はルイシーナを守りたいのだと確信する。前まではその逆だと思っていたのだが、どうやら完全に誤解をしていたようだ。

 少し時間をとってから、彼女は再び顔を上げた。どこかその目の光は揺れていたが、ウィルに対する害意のようなものはほとんど消え失せている。


「ひとまずは、お前の言うことを信じる。一刻も早く、お嬢様を助けに行かなければ」

「待ってください。俺はまだ、そちらの事情を理解しきっていません。質問には答えました。今度

は、貴方が答える番です」


 そんな時間すら惜しい、と顔で示してきていたが、ウィルが跳躍者(リプナー)であることをちゃんと思い返したらしい。目をさらに鋭くさせながら、唇を湿らせた。


「なぜ、ルイシーナは命を狙われているんですか?」

「私からすれば、お前がそれを知らなそうにしているのが、最も意外だった」


 妙な前置きをしてから、さらに続ける。


「回帰主義者のことは知っているだろう。昔は、その脅威も大きかった。生まれたばかりのお嬢様を、この種族世界からさらったのも一つだ」


 ウィルは組んでいた手を解いた。


「その時は、エイブリー様も亡くなったばかりで、私も余裕がなかった。他の者達も積極的に捜索しようとはせず、およそ二十五年もの間行方不明になっていたのだ」


 思わず、手を上げていた。どうしてもおかしい点があったからだ。しかし学園における常識が通じる相手ではないことを思い出し、すぐさま手を下げた。


「あいつは、自分の祖母との思い出を話していました。生まれた時には既にエイブリーが死んでいたのなら、そんなことにはならないはずです」


 そこでフィーリタは、唇を少しの間引き結んだ。痛々しい何かを思い出すようにして、目を細める。


「お嬢様は、エイブリー様と直接お会いしたことはない。回帰主義側の、術だと考えられる。それで彼女を思いのままに操ろうとしたんだ」

「……それが、今の状況につながると?」

「順序がある。黙って聞け。彼女はようやく救出されたが、ほとんど生きているとは言えない状態だった。生まれてから二十年以上経っていたというのに、言葉を少しも喋れず。もういない家族の幻影に支配されていた。それでも、尋常ではない努力を続け、あそこまで立派になられた。だが、別のしがらみがまた、あの方を捕らえたのだ」


 ウィルは己の抱いた思いに、はっきりとした嫌悪を覚えた。自己嫌悪は良くないものだとわかっているが、止められない。その存在を認めたくなくて、フィーリタの話に集中しようと試みた。


「アルヴがどのように子を作るか、知っているか?」

「他の種族から相手を選んで、連れてくる」

「そうだ。詳しく言うのなら、ただ交尾を行えばいいというだけではない」


 知っている。ある程度成長した者なら、誰だってわかることだ。親から、あるいは学校から、その事実は揺るがないものとして伝えられる。

 魂の形がかけ離れていると、子を作れない。つまり、異種族間での子供は生まれないということになる。だがこれは、もはや古い常識だった。可能にする方法は、既にいくつも発明されている。


「アルヴでは、種族の夫と定めた者に、ある儀式を行わせる。アルヴの誰かを、その男に食べさせるのだ。そうすれば、子を作れるようになると信じられている」


 胃が膨張するような感覚。たいして良いとは言えない衛生環境の中、彼は小さく深呼吸をした。


「魂の同化、ですか」

「その通りだ」

「俺に、ルイシーナを食べさせることが、今のアルヴの目的だと?」

「ああ」


 頭が上手く回らない。


「なぜ、あいつが? 他にも候補は」

「白きアルヴは、少し普通と違っている。外部のものに、馴染みやすい魂をしているらしい。そしてお嬢様は今の若いアルヴ達と関わる機会もほとんどなかった。贄としては好都合、ということだ」


 彼女は、あの時笑っていた。広間での歓迎会の時だ。本当に、心から楽しんでいるように見えた。他はどうだろう。自分に対しては、好意的な目を向けていたような気がする。だがルイシーナに対しては、どうだったか。

 女王に対する敬意と思っていたものが、もし別の何かだったら? 例えば、犠牲になる者への、軽蔑を含んだ隔たりだとか。


「狂ってる」


 ウィルは抑揚もつけずに言った。


「どうだろうな」

「正気じゃない。異種族間のそういった問題は、とっくに解決してる。方法も確立されてるんだ! なのに、なんだこれは。時代遅れにしてもひどすぎる」

「それでも奴らにとっては、私の方が狂っているつもりだろうな。種族の未来を考える。それが第一だ。協力しないのならば、もはやアルヴの一員とは認められない」


 狂ってる。もう一度そう繰り返してから、ウィルは何とか冷静になろうと努めた。全体像を理解し始めると、だんだんと思い描いてたものからかけ離れていっていることに気がつく。


「でも、回帰主義者達は違った」


 フィーリタは頷く。


「ああ。奴らはルイシーナ様をさらい、別の道を考えようとしていた。おそらく、同性同士でも子を作れるような方法を求めたんだろう。結局、見つけ出す前に壊滅したが」


 第四の仮説が、正しかったと証明された。

 回帰主義者もそうでない側も確かに存在していたが、結局どちらもルイシーナを利用しようと考えていた。まだ回帰主義者の方が、道徳的だったというだけだ。そんなどうしようもない環境。そこに置かれていたルイシーナは、どのような気持ちだっただろう。

 何かをかきむしりたい衝動に駆られたが、ウィルは何もしなかった。怒りのような、失望のような複雑な感情に揺さぶられ、口を開ける。


「じゃあ、あいつは、実際十年と少ししか、生きてない」

「そう、かもしれないな」


 背中に小さな棘が際限なく刺さってくるような感覚を、何とか無視した。


「周りからもろくな扱いを受けてなかった。なのに、優秀だ。学園のほとんどの科目で最上位だった。いくら、」


 いくらがんばっても、追いつける気がしなかったんだ。

 途中からは、自分の中にしか響かない独白になった。そこの意味まで汲み取ったかどうかはわからない。だがフィーリタは、重々しく頷いた。


「あんなに素晴らしい方が犠牲になるのは、間違っている。……お前などのために」


 自分が望んだことじゃない。

 喉の先までその言葉が出かかったが、結局引っ込んでいった。感情的な話など、全てが終わった後にいくらでもできる。今の話で新たに出てきた、大きな問題のことを考えるべきだった。まだ自分は、事の深刻さを理解しきれていなかったのだ。

 信じられない思いで、口に出す。


「じゃあ、ルイシーナは全部わかっていたと?」


 フィーリタは、少しも彼から目を逸らさなかった。


「あいつが、すすんで自分を犠牲にしたと? 初めから、俺に食べられるつもりで、過ごしてたっていうんですか?」

「そうだ。だから私は、お嬢様との対話を諦めた」

「狂ってる」

「本気で、種族そのもののことを考えている。そういう方なんだ」


 何か前向きになれる要素はないのかと、ウィルは無意味な思考を始めた。学園にいる時のルイシーナは、少しも死を感じさせなかった。まるで恵まれた環境で育ったような、満ち足りた雰囲気でいたのだ。

 だが、初めからそうだっただろうか?


「親は?」


 すがるように、彼は言う。


「あいつの、父親と母親は? こんなこと、許すはずがない」


 自分で言っていても、虚しくなった。フィーリタの反応を見るまでもなく、答えは予想できていたからだ。


「母親は、ルイシーナ様を産んだ直後、父親を殺しに行った。そして目的を達成した後、外の世界で自殺した。白きアルヴを産んだことが、受け入れがたかったらしい」


 ウィルは、言葉にならないうめきを漏らした。

 心の中では罵りの叫びがこだましている。どうしてそんなことが起きる? まるで、ルイシーナが存在してはいけなかったとでも言いたげな状況だ。それに、ありえない。個体の命を存続の費用として求める集団は、存在してはいけない。そんなのは、許されるべきではない。

 そんな種族は……。

 ここへきて初めて、自分の両手が軽くなっていることに気がついた。手の甲にはまだ、殺したアルヴの血痕が残っている。だが今はもう、ただの汚れにしか見えなくなっていた。どこかで殺害を正当化しようとしていた自分が、別のことを叫び始めている。

 ウィルは俯きながら、尋ねた。


「フィーリタさんは、これからどうするつもりですか?」

「お前を殺して、お嬢様以外のアルヴも全て殺す」


 素早く顔を上げると、凶暴な笑みを浮かべた顔が近くにあった。


「冗談だ。もう確認はできた。お前は、あちら側じゃない。策に従おう。ルイシーナ様を説得するのは、私がやる」

「いや」


 怪訝そうな顔になった彼女を放っておいて、少しの間思考に沈んだ。確かにこれは、予想できたはずのことだ。だがどこかで、考えることを避けていたのかもしれない。ルイシーナまでもが敵に回っているなど、あんまりだ。

 重要なのは、彼女の馬鹿げた自殺思考をどう変えるかだ。話を聞く限り、普通の覚悟ではない。何か大きなきっかけがなければ、ルイシーナとも戦う羽目になってしまうかもしれない。

 別の可能性も考える。ただ使命感だけで、ルイシーナは受け入れたわけではないかもしれない。例えば、彼女にとって大事な存在の命が、その行動の対価となっている。フィーリタが拷問だけで済まされていた理由は、そこにあったのだ。

 あらゆる展開を考えると、やるべきことが浮き彫りになってきた。

 ウィルは真っすぐ立ち、フィーリタを見上げる。


「貴方の案の一部は、実行する価値があります」

「なんだと?」


 怒りに突き動かされている自分というのは、思いのほか悪くなかった。


「敵対するアルヴを、全て排除しましょう」


 そこで彼女は、初めての顔をした。まるで急に得体が知れなくなったものへと向けるような視線。その怯むような反応を、彼は気にしていなかった。これから選ぶことになるであろう道を、どうたどるのか。その方法を考えることに、夢中になり始めている。


「狂ったのか?」

「現実的かと言われれば、自信はありません。ですが、有効な手です。ルイシーナの考えを変えるために、彼女が犠牲になる意味を消失させるんです」


 フィーリタは、既に動揺からは脱している。やはり、彼女もまた優秀だ。話したことの意味を、即座に考え始めている。


「アルヴそのものを滅ぼせばいいと?」

「乱暴に要約すれば、そうなります」

「無理だ。どれだけ差があると思っている」

「アルヴは、全部で六十二体。貴方とルイシーナを抜かせば、六十ちょうどだ」

「お前と私だけで、対抗できるとでも?」


 交渉の完了を確信した。意識しているのかどうかは分からないが、相手は自分を味方に含んでいるような言い方をしている。そして、その指摘は実行できるかどうかという点にしか意識が向けられていない。アルヴを壊滅させるべきかについては、考えるまでもないということだ。


「奴らを侮るな。仮にも百年以上生きたアルヴの回帰主義者達を、たやすく壊滅させた世代だ。私よりも手練れの者が、多くいる」


 そう言いながらも、彼女は足元に堂々と立っているホロを気にしていた。普通では考えられない現象、そしてその証拠である種族を目にして、揺らぎ始めている。


「私が、どう役に立つというんだ? 武器もない」

「だいじょうぶ」


 ずっとフィーリタの周りを漂っていたニーハが、今までにないほど積極的な動きで褐色の手へと集まっていく。


「わたしが、ままのいちぶになる」


 普段はやる気のなさそうな黒精種(オヴニ)も、フィーリタという近縁種の役に立ちたいと思っているようだ。すぐにその身を鋭い刃へと変えた。


「工夫すればいいだけです」


 ニーハの一部に頬を擦りつけてから、銀髪のアルヴは決意を固めたように目を合わせてきた。


「一度に全てを相手するのは無理でしょう。数で押されて、潰されるだけ。それを防ぐためには、同時に全ての敵と戦う必要があります」


 フィーリタは真面目な顔で頷いた後、首をかしげた。そしてすぐに、不愉快そうな表情になっていく。


「私を馬鹿にしているのか?」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ