猛攻?我らが真矢良さん!
「廻る回る!緋色の風車!」
正に火車。卍型の炎が回転しながら巨大ミコ《デカミコ》に突撃。
…デカミコは水を操って消火。
「そー…れぇっ!」
乃木坂は鎌で薙ぎ払う。
が、デカミコさんたら軽い身のこなしでかわしやがりました。
「…なあ、乃木坂圭佑」
「何さ、真矢良架葉」
多少シリアスな声音で、二人は視線を交わす。
意図は解っている。
既に以心伝心の域に達している。
そして、口を開いたのは同時。
「なんかデカミコ小さくなってきてない?」
「あの子食ったら美味いかな!」
…前言撤回!すれ違いにも程がある!
どう見たって美味そうだろ!
「ま、まあともかく、さっさと片付けるよ!」
「…真矢良さん、食べちゃ駄目だよ?」
「だめ?」
「めっ」
でこぴん食らわされ、額を押さえる。
生は駄目だというのか。
まあ、腹壊したくないしな。
「貴様に相応しい魔法は決まった!」
「…元ネタは?」
「黒い人の右手」
「逆にわからん…!」
びし、と右手を突き付けて。
弾丸に見立てたなにかエネルギー的なものを銃に見立てた空間に装填していく。
「紅い悪魔の囁き、スカーレット!
青い光の日傘の勇者、ロザリーブルー!
そして、金色の救世主、スタンゴールド!」
紅、青、金。そして、忘れちゃならないこの言葉。
「巻き込め召喚獣!」
「えぇっ!?」
「なんてモノは出ない!さあいけ弾丸!」
「えぇぇ!?」
だって召喚は精霊だから、個人的には。
ともかく、弾丸は…
あっさり回避されました。
「…」
「真矢良さん?」
「影焔」
乃木坂相手に放ったこの術。
ええ、丸焼きにしてやりますとも。
「乃木坂」
「ん?」
「強力すぎて発動まで動けない」
「おっけ、把握した。追い込み猟だね」
「猟師かよ」
軽く笑って、乃木坂は行動開始。
私はタイミングを測りつつ、彼らを目で追い始めた。