まいりましょ。
「こ、ここまで来ればいいかな…?」
「架葉ぁーッ!何処だテメェー!」
「…駄目かぁ」
どーも、真矢良架葉です。
現在高坂千尋に追跡され中です。っていうか逃亡中です。
ここまで人っ子一人いやしないんですけど!どうすればいいんだ!
…まあ、そううだうだ考えててもしょうがないので。
現在発動を解いて身を隠しております。
高坂は割と普通の少年だったようで、気配の察知とかはされてない模様…
うわああ、それだけが救いだよ!
さて、これからどうするか…
私はただの体力のない少女なので、見つかったらアウト。
こういう時に、乃木坂や柿原ならいい作戦を思いつくんだろうけど…
私にはそんな発想力ありませんがな。
誰か仲間が来てくれればいいんだけど…
ニーノか乃木坂だと嬉しいんだけど。前衛的な意味で。
そういや柿原はどんな武器なんだろうなぁ。
「な、てめぇ、はッ!」
「…千尋。誰を探している?」
「ローレンツ・コンスタンティン・クプファー!何処行ってたんだよ!」
「フルネームはやめろ」
「分かった!なあなあそれより、俺と同じくらいの背の女の子見なかったか!?」
…ちょ、ちょっと待てよ。
まさかとは思うが援軍?仲間?マジ?
不利じゃん!やばいじゃん…!
「女を追い掛け回しているのか?」
「ひっきょーなんだぜッ!架葉ッ!」
「架葉というのか?」
「そー、真矢良架葉だって。けっこーいい性格して」
「べた褒めだな」
「ばーか!卑怯すぎて逆に褒め称えたいだけだよばーか!次会ったら一発殴ってやるッ!正々堂々背後からッ!」
「それは正々堂々と言わない」
声が遠ざかっていく…た、助かった?なんで?
ま、まあ…今後は背後に注意しなきゃ…殴られたくねえ…
ローレンツの登場で結果オーライな感じに助かったから、よかったかな。
しかし、ニーノといいローレンツといい背ェ高いなあ。乃木坂とは大違い。
乃木坂なんて一時期私のほうが高かったもんなぁ…今は同じくらいだけど。
…さて、一段落。みんなはどうしてるかな…
「動かなくちゃ始まらない、か…ちょっと頑張ろうか、ミク」
呟いて、私は立ち上がった。
辺りを見回し、高坂たちが近くにいない事を確認すると。
「行こう。みんなを探して、体勢を立て直そう」
…歩き出した。
つーか返事してよミク。悲しいじゃんミク。