第73話、俺たちとリヴァイアサンと悪魔
ーーー魔王の力についての情報だ。お前達に託すーーー
「なッ!?それは有難いですが…」
ーーー構わん。その代わり、確実に魔王を殺せーーー
「……約束します」
ーーーよし。魔王の能力はーーー
その瞬間、リヴァイアサンの最後のコアである右目が、弾け飛ぶ。
「なッ!?」
「おーいおいおいおい!冗談じゃないってぇ!何の為にそのコアをそういう設定にしたと思ってんのぉ!?」
そこには、金髪の髪をかきあげ、横に流し、いかにもチャラ男という見た目の男がいる。
あれ…?こいつ何処かで……。
「んー?あ、そっかそっか。君たちと話した時と口調違うもんね。そりゃ分からないか。えっとどんな感じだったっけ?」
男はわざとらしく考え込む振りをする。
「おねぇさん達、マジイケてる的な?てかてか、まさかリヴァイアサンを本当にぶっ倒すなんて予想外過ぎてノンストップリスペ」
!!!!!!!
「あ、アンタ…!!!」
「ビーチに魔物が出たことを知らせてくれたチャラ男ね」
「おー!そうそう、覚えてくれてて嬉しみ深い!でも貴重な魔物を殺されてぴえんって感じ。いやむしろぴえん超えてぱおんって感じ?」
「あんた、一体何者なの…?」
「そりゃあ、こんなことできんの悪魔しかいないでしょ」
男はそう言うとスッとリヴァイアサンの上に立つ。
「初めまして皆々様。私、魔王様の側近、その名を『ベリアル』と申すもので御座います。以後、お見知り置きを。ってね」
「ベ、ベリアル!?」
その名前を聞いたマリアさんが大きく戸惑う。
「何か、知ってるの?」
「べ、ベリアルと言えば、実力があるのはもちろん、その残忍さ、非道さは魔王を超えるほどと言われる、まさに悪魔の中の悪魔です」
「おいおいおい!そんなに褒めるなって〜!」
男は照れる演技をする。
「まさにこのリヴァイアサンは俺の悪巧みの芸術そのものみたいなものだったんだよ?4つ目のコアを壊されたら動けなくなって、最後のコアを無抵抗で砕かれる。はぁ〜なんて素敵なストーリー……」
男は自分の『芸術』に心を奪われたかのように胸の前で手を合わせる。
しかし、急に手をぶらん、と下げ、顔を下に向ける。
「そのストーリーをブチ壊したのは誰だ?」
男の目が赤く光り、その表情、声、雰囲気から、激怒している事が伝わる。
「お前らはさ、動けないこいつに無慈悲にトドメを刺すんだよ。なんで刺さないの?なんで止めたの?なんでコイツは魔王様の情報をお前らに話さそうとしてるの?なんで?なぁ、なんで?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ?」
焦点の定まらない目で繰り返す。
頭を掻き毟る手が急に止まり、首だけこちらを向く。
「オマエだろ?」
その目は、真っ直ぐに俺と合う。
あまりの不気味さに身がすくみ、金縛りのように動けなくなる。
「オマエ、リヴァイアサンの記憶見たダロ?」
男は首だけこちらに向けたまま近寄ってくる。
そして、俺にあと少しで触れる所まで来た。
その瞬間。
「ハーハッハッハッ!!!!!」
聞き覚えのある笑い声が聞こえる。
「何を笑ってる?人間」
「そりゃ笑うだろう?ハッハッハッ!!俺を笑い殺しさせるつもりか!!」
エレオノールさんは未だに肩が震えている。
「いいか?悪魔が必死こいて考えたシナリオを、リンに簡単に見抜かれ、大好きなご主人様を守る為に、口封じにお前自身がリヴァイアサンを殺した!それで今度は『こんな筈じゃない』と子供のように喚いている。こんな滑稽な状況、笑わずにいられるか!!」
エレオノールさんはお腹を押さえ、震えている。
「これが『悪魔の中の悪魔』?『バカの中のバカ』の間違いじゃないか?」
一瞬の沈黙が訪れる。
「アハ…アハハ……オマエ、面白いよ。うんうん。本当に。良かったよ。次のオモチャ見つけた」
「ふざけるなよ。悪魔風情が俺様の国に入るんじゃない。知能の無い魔物ならともかく、残忍で非道で狡猾な悪魔様ならわかるだろ?」
「決めた。オマエを縛った後、オマエの前でオマエの国民を1人ずつ殺していこう。いや、オマエを操ってオマエに殺させようか」
「やってみろよ悪魔」
「皆さん、戦闘準備をして下さい!!!」
パーティーメンバーも武器を構える。
セバスさんは既に臨戦態勢だ。
「いいよ。付き合ってやるよ。人間共!!!」
遅くなり申し訳ありません。
仕事で疲れ切っていました。
投稿が遅くなることはあれど、辞めることはありません。気長にお待ち下さい。




