第70話、俺たちと反撃とコア
『ネカマの罪で転生後に女の子になったけど平和に暮らしていきたい』70
「ダメです!霧を抜けては……」
しかし、その言葉を言い切る前に、先頭を走っていたエレオノールが霧を抜ける。
その瞬間、エレオノールに光が当てられ、胴体から真っ二つになる。
「ッ!!!エレオノールさん!!!」
確かに光が見えた。
ブレスだ!あいつ、霧で見えない間にブレスをチャージしてたんだ!!
「シャアアアァァァ!」
リヴァイアサンはザマァみろと言わんばかりに吼える。その表情は心なしか少し笑っている様に見えた。
「よぉ、そんなに嬉しいか?」
リヴァイアサンは自分の真下から聞こえた声に焦って視線を向ける。
「これは、村のみんな分だトカゲ野郎!!!」
聞き覚えのある声と共に、リヴァイアサンの腹で光る、赤いコアに拳が食い込む。
その拳はそのまま、コアにヒビを入れ、とうとう、砕く。
「キシャアアアアアアァァァ!?」
リヴァイアサンは痛みと驚きからか、大きくよろめく。
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「君も、一人なの?」
顔にモヤがかかって誰かは分からない。少年の声がする。
なんだ……これは…?
「僕もね、一人なんだ」
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なんだ?今一瞬リヴァイアサンの動きが止まった様に見えたが……。
「どうした?あまりにも驚いて腰でも抜かしたか?」
そこには、エレオノールの姿があった。
ハッと我に帰ったリヴァイアサンは咄嗟に、自らが殺したはずのエレオノール死体の方に目を向ける。
その瞬間、エレオノールの死体は、霧の様に消えてゆく。
そう。これは幻影だ。
ティナさんが波を砕き、霧がかっていた時、エレオノールから貰った装備でスキルが強化されたアビィちゃんが幻影魔術で偽のエレオノールを作り出す。
そして、ティナさんが弓を放つ前、俺がかけた『スピードアップ』、『エンハンス』はティナさんに向けてかけたのではない。
エレオノールさんに対し施した魔法だ。
霧が消える前に、エレオノールさんだけ素早くリヴァイアサンの死角に移動し、偽のエレオノールを殺された演技をした。
「キシャアアア!!!!」
全てを悟ったリヴァイアサンは怒り、今度こそ本物のエレオノールさんに向けてブレスを放つ。
「そうだ。そうやって馬鹿正直に俺に撃ってくると思ってた」
エレオノールさんは不敵な笑みを浮かべると、手をかざす。
「魔力壁!」
「『リーンフォース』!」
島の魔力によって、即座に魔力で作られた壁が出来上がる。
俺はその壁の後ろに入り込み、すぐに強化する。
「『ハイド』!」
アビィちゃんがフィーとセバスさんに気配遮断魔法をかける。
リヴァイアサンはこのままエレオノールさんを狙っても無駄だと悟ったのか、ティナさんとアビィさんを狙おうと首を動かす。
「おいおい!俺の筋肉以外の何を見るっていうんだ?」
ビリーさんが魔力壁の後ろでポージングを始める。
「ンーマッスル!!私の筋肉だ!私の筋肉をその逞しいビームで貫いてみてくれ!!!」
そうすると引き寄せられる様にビリーさんに首が向く。
ブレスを止めないのを見るに、ビリーさんの挑発系のスキルが働いているのだろう。
暫くはこっちを攻撃するはずだ。
「その調子で頼むわよ!変態!!」
ティナさんはティターニアの妖精弓を構える。
「妖精の女王よ。我に力を」
ティナさんの周りが光だす。
「本物の技を喰らいない!『フェアリースナイプ』!!!」
ティナさんが放つその矢は、リヴァイアサンに近づくに連れ、一つに収束する。狙いはもう一つの腹のコア。
リヴァイアサンはギリギリの所で身を捻り、コアへの直撃は回避する。
がしかし
「ハアアアァァァ!!乙女パンチ!!!」
「今こそ!大恩を返すとき!!!」
アビィちゃんの気配遮断スキルを受け、隠れていた二人が一気に飛び出す。
二人は同時に二つのコアに拳をぶつける。
既に回避したリヴァイアサンは避けることもできない。
二人の拳が、二つ目、三つ目のコアを打ち砕く。
「ガアアアアアアァァァ!!!!」
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「僕の名前は◯◯。君は?」
少年は首を傾げる。
「ない?そっか。じゃあ僕がつけてあげる!!!君の名前は………」
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リヴァイアサンさんは、倒れる様に、海面にその巨体を叩きつける。




