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第46話、俺たちとセルティアとオルバさん

部屋に戻り、荷物を整理し、マリアさんに声をかけた後オルバさんの部屋に向かう。


部屋をノックするとオルバさんが出てくる。

「出発ですかな?」


「はい」


「では国の出入り口までお付き合い致しますぞ」


「ありがとうございます」




オルバさんと共に、出入り口の橋の前まで行く。

さっきまでは賑わっていた街だったが、今はかなり静かだ。


雑談をしながら歩いていたら、目的の橋の前に着く。既に御者のおじさんが待機している。


「オルバさん、何かと世話をして下さってありがとうございました」

俺たちは皆、お辞儀をする。



「何を仰る。礼を言うのはこちらの方でありますじゃよ。この国の民を、この国を救って頂き、本当にありがとうございましたのじゃ」

オルバさんも頭を下げる。



「マリア、忘れ物はないかの?」


「は、はい!あ、でも…これからの庭園の手入れが心配です……」


「それに関しては安心してください」


「えっと…それはどういう……」


「昨日の夜、勝手ではありますけど、庭園に魔法をかけました。かけた魔法は『グロウ』、『レジスタンス』、『リーンフォース』という魔法です」



「どの様な魔法なのですかな?」



「『グロウ』は成長力をコントロールする魔法です。『レジスタンス』は抵抗力を上げる魔法、『リーンフォース』は強度を上げる魔法です」



「それはつまり……?」



「庭園の中の植物はかなり安定して成長していきます。マリアさん以外の人が手入れしても庭園は質は維持できると思います」


「ほ、本当ですか!?」


「はい。だから安心して下さい」


「あ、ありがとうございます!!!」

そう言うとマリアさんは安心した様な、嬉しいような表情を浮かべる。


「ではマリアよ、お主の庭園は儂とシスターたちで大切に育てるのじゃ。だから安心しなさい」


「はい!!」



「ではもう出発ですかな?」


「はい」


「そうですか……では…」

そう言うとオルバさんは大きく息を吸う。


「皆の者!!英雄たちの旅立ちじゃ!!!」


オルバさんの号令と共に、どこに隠れていたのか、沢山の国民が現れる。

それだけではなく、周りの家の窓が開く。


「パァン!!!!!」


国民は一斉にクラッカーの様なものを鳴らす。

「ありがとなー!!!」

「気をつけて行けよー!!」

「マリアちゃーん!頑張れよー!」




辺りは歓声や感謝の言葉に埋め尽くされる。



「こ、これは……」


「凄い…わね……」


これには俺はもちろん、フィーもティナさんもアビィちゃんも、そして、マリアさんも驚く。




「『国を救ってくれた英雄たちを盛大に送り出してあげたい』と伝えたら、皆、快諾してくれたのじゃよ」


人混みの中からシスターさん達が出てくる。

「この度は本当にありがとうございました」

「私たちは、皆様にブレスレットをお渡しいたします」

「私たちの祈りを込めておりますので、冒険の役にも立つと思います」

そう言いながら人数分のブレスレットを渡してくれた。



はめ込まれた小さな宝石はそれぞれのイメージカラーとなっている様だ。

俺は青

フィーはピンク

ティナさんは赤

アビィちゃんはオレンジ

そして、マリアさんは白


お礼を言いながら、各々、腕につける。


「この宝石はのぉ、教会の宝の一つでのぉ。祈りに反応する性質を持っているのじゃよ。身につければマリアの祈りの効果も少しじゃが上がるはずじゃよ」



「そんな貴重なものを……!?」


「皆様が居なかったらその宝石も、儂らも居なくなってしまっていたのじゃ。これはせめてものお礼じゃよ。受け取っておくれ」


オルバさんにそう言われ、再び礼を言う。



その後、続々とマリアさんの周りに国民が集まる。皆、別れの言葉や感謝の言葉、激励をする。


マリアさんの歴代バイト先の店長たちが集まり、クビにした事を謝罪している姿は少し面白かった。

マリアさんは慌てながら「私のせいですから!」と言っていた。



一通りの挨拶が済み、馬車に乗り込む。


「では、皆さん」


「はい。いつでも遊びに来て欲しいのじゃよ」


「はい。必ず」


馬車が出発する。




「オルバおじいちゃん!!絶対、手紙書くからね!!また、遊びに来るからね!」



「人前でおじいちゃんと呼ぶでなーい!」



「あ、ごめんなさーーい!!!」









もう馬車はかなり遠くになってしまった。

「全く……あの娘は本当に……」


「いつでも帰ってくるのじゃぞ………」

涙が頬を伝う。


「む?泣かないと決めていたのじゃがの。歳をとると涙腺が弱くなってしまうのぉ…」


「大丈夫ですよ。きっとあの子達には見えませんよ」

「それに、今は泣いても良いと思いますよオルバさん」

シスター達が声をかけてくれる。



「うむ……そうじゃのぉ……」






「セルティア様。どうかマリアと、あの優しい英雄達にセルティア様の加護を」

胸の前で手を組み、願う。



マリアとその素敵な仲間達の行く先が幸せで満ちていることを。

忙しくなる為、更新ペース落ちてしまうかもしれません。5日に一回は投稿出来るように頑張ります。

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