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第45話、俺?とおねぇちゃんと準備

前回のあらすじ!

宴会!庭園!オルバさんの気持ち!





「んん…………朝か…会社行かない……と…」

目をこすりながら起き上がる。



「あら、リン♡おはよう♡」


「……あ。おはようございますフィーさん」

慣れたとは思っていたが、気を抜くと前の記憶と今の記憶が混濁する。気を付けないと。


「リン、随分とグッスリ眠っていたわね」


「無理もないわよ。あんなに魔法を使ったんだもの。ティナ?貴女だってもっと休んで良かったのよ?」


「いいのよ。森での暮らしのせいで早寝早起きの癖が付いてるのよ。てか、なんでアンタはいつも早起きなのよ」



そう言われるとフィーは口に指を当て、

「乙女には秘密が沢山あるのよ♡」

と言った。


そんなフィーを見て、ティナは呆れたように笑う。


俺はアビィちゃんに声をかける。

アビィちゃんは眠そうに起き上がる。『ぽけ〜』という効果音が合うくらい見事に寝ぼけている。


「んん……おはよう……ございます…」


「アビィちゃん、おはようございます」


「あ、そう言えばマリアはいないの?」

ティナさんはふと呟く。


「マリアなら、『シ、シスターのお仕事に遅刻しちゃいますぅ!』って言って早朝に飛び出していったわよ」


「相変わらずね……」


そんな事を話していると、ノックの音が響く。

「皆さま、朝食の用意が整いました」

シスターさんが教えてくれる。



準備をした後、食堂へ向かう。

今までの朝食とは違い、ダンタリオンの座っていた席にはオルバさんが座り、他のシスターも同席している。



祈りを済ませ、朝食を食べる。

朝食を食べ終え、雑談しているとオルバさんが口を開く。

「皆様はもうティエスに帰ってしまうのじゃろうか?」


「はい。そのつもりです。ティエスのみんなも心配しているでしょうし。もっと長居したかったのですが……」


「いえいえ、皆様にも大切な人が居るのでしょう。それなら仕方ないですじゃ。準備が出来たら、声をかけて下さい」


「はい。そうさせていただきます」



その後、一度部屋に戻り、街に向かう。

マリアさんは最後にシスターさんたちとお話しがしたいらしく、教会に残るそうだ。




俺たちは各々、必要な物を買い込む。

街の人たちとすれ違う度にお礼を言われる。

中には感謝の気持ちで

「代金は要らない」

と言う商人もいたが、『それはそれ、これはこれ』と言うことで、お金はしっかり払う事にした。





ティナさんは

「これは村のみんなにも食べさせないといけない」

と言い、スイーツをお土産として買いに行った。


フィーはセルティアでしか買えない化粧品を買いに行くらしい。




俺とアビィちゃんは2人でのんびりとウィンドウショッピングする。

「みてみて!おっきなぬいぐるみがあるよ!!……じゃなくて、あります!」


「おっきいですね。あと、話しやすい喋り方で良いんですよ?」


「で、でも…リンさんも敬語使ってるから……」


「私は敬語の方が話しやすいんですよ」

屈んでアビィちゃんの頭に手を乗っける。

まぁ実際は上司やお客さんにペコペコしてたら敬語が癖になっただけなんだが。



「ほ、本当ですか?皆さんに怒られませんかね……」


「私たちは命を預け合い、これから長い時間を一緒に過ごす仲間です。だから大丈夫ですよ。あ、でも初めて会う人には礼儀を欠いちゃダメですよ?」



「………うん!!」

アビィちゃんはニッコリと笑う。





「あ!あともう一つお願いが……」

もじもじとしながら訪ねてくる。


「リ、リンさんのこと、『おねぇちゃん』って呼んでも、い、いい?」


「良いですけど……。そう言えば寝起きとかによく『おねぇちゃん』って言ってましたよね?」



「わ、わたし一人っ子で、ずっとおねぇちゃんが欲しかったんです……。リンさんはしっかりしてて、物知りで、優しくて、わたしの憧れなんです!だ、だからずっとおねぇちゃんって呼びたくて……」

アビィちゃんは恥ずかしそうに慌てる。



「そうだったんですね。そんなに褒められると恥ずかしいけど、好きに呼んでくれて良いですよ」



そう言うとアビィちゃんの表情が明るくなる。耳が後ろにペタンと垂れ、尻尾をこれでもかと言うほど振っている。




犬を飼っていたから少し知識があるのだが、犬の耳が後ろに垂れて、尻尾を振ったりしているのは嬉しい、幸せ、などのサインだ。

と言うか顔を見れば分かるが凄く幸せそう。


頭を撫でてあげると目を細め気持ち良さそうに手に頭を擦り付けてくる。可愛い。



「え、えっと、じゃあ!これからも宜しくね、リンおねぇちゃん!」


「はい。よろしくお願いしますね」


まさか自分が『おねぇちゃん』と呼ばれる事になるなんて、この世界に来る前の俺に言ったら信じないだろう。



それはともかく、なんだかアビィちゃんと打ち解けられた感じがした。ちなみにアビィちゃんが興味を示したぬいぐるみは直ぐに購入した。


可愛いは正義。アビィちゃんは俺が守護(まも)ら無ければならない。


「街のど真ん中でなーにしてんのよアンタたち」


「あら、なになに?良い事でもあったの?」


フィーとティナさんが合流する。2人とも凄い荷物だ。


「えっとこれは……って、2人とも…凄い荷物ですね」


「あら、折角の観光だもの。買わなきゃ損よ」


「そうよ。ちなみにアタシのスイーツはお土産用のも沢山あるからね!アタシが全部食べるわけじゃないからね!!!」

何も言ってないのにティナさんは弁解する。




そして、俺たちは買い忘れたものが無いことを確認して教会に戻るのだった。

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