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第44話、俺たちと宴とオルバさん

前回のあらすじ!

オルバさん!マリアさん!新メンバー!




「こんな自分を好きになれるように、もっともっと頑張ります!皆さんのパーティーに参加させて下さい!」

マリアさんは90度の礼をする。



「はい!ようこそ、私たちのパーティーへ!」



「ほっほっほっ、あのマリアが冒険者に……今日は目出度い日ですのぉ。折角ですし、今夜は宴でもどうですかな?」

オルバさんは優しい顔で言う。



「有難い申し出だけど……オルバさん、貴方身体は平気?」

フィーが心配そうに尋ねる。



「なぁに、平気じゃよ。むしろ長い間寝てたせいで動き足りないくらいじゃよ」



オルバさんは気を遣わせないようにか、冗談交じりに言うが、3か月間も寝たきりで身体が大丈夫なわけがない。



「あっ」

いいこと思いついた。


「どうしたの?リン?」


「私の魔法で骨を補強してあげれば少しは楽になるかなぁと」


「あら!いいじゃない♡かけてあげれば?」



「では失礼します。『リーンフォース』」





…………………


…………


……


「む?むむむ?なんじゃこの感覚は……」

オルバさんは自分の身体を触りながら再び立ち上がる。



「凄い!凄いですぞ!身体が!骨が!20代の頃に戻ったかのような、何でも出来るような気がしてきたわい!!フンッ!フンッ!!」

身体を大きく動かしながら嬉しそうに笑う。







が、次の瞬間、ゴキっと鈍い音が響く。

「カハッ!?」

オルバさんは腰を抑えながら倒れこむ。



「骨を少し補強しただけですから、まだ無理しちゃダメですよ?」

オルバさんに手を差し伸べる。



「う、うむ……。ついはしゃいでしまったのじゃよ……しかし、お陰様で教会の中を歩くくらいなら出来るでしょう。ありがとうございます」

手を取り立ち上がった後に礼をする。



「では皆さん、儂は今回の一件の事務作業がありますので、しばらくの間、どうぞお休み下さい。各種ポーションも後ほど揃えますので」


「はい、そうさせて頂きます」


「マリアも、折角だから皆さんとお話しがてら休憩なさい」



「お手伝いしなくて大丈夫ですか?」


「大丈夫じゃよ。お主は十分頑張った。後の処理は儂に任せなさい」


「……はい!」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


部屋に戻り、みんなで少しお話しをしたが、疲れが溜まっていたこともあり直ぐに眠った。



その中で俺はそっとベッドを抜け出し、部屋の外に出る。



マリアさんの庭園に向かう。



「リン?どうしたの?」

聞き慣れた声だ。声に振り返るとそこにはフィーが居た。



「あ、起こしちゃいましたか?ごめんなさい」


「いいのよ♡それより、何で庭園に?」



「えっと……マリアさんの旅立ちに不安が残らないように…でしょうか?」



「ふーん。なるほどね。大体わかったわ。でもどうやって?新しく魔法を覚えるの?」


「はい。うまく応用すれば植物にも有効なんじゃないかなぁと思ったので。やるだけやってみたいんです」



「ふふっ、リンらしい気遣いね。上手くいったらきっとマリアも喜ぶわよ」



「はい、やってみます」



「『グロウ』『レジスタンス』『リーンフォース』」












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




フィーと共に庭園から帰ると、既にみんな起きていた。何でも、夕食の用意が出来たらしい。




「ちょっとリン、フィー、どこ行ってたのよ!ご飯よご飯!早く行かないと冷めちゃうじゃない」



「ごめんなさいね、ちょっと野暮用があってね」



「まぁいいわ、行きましょう。もうお腹が空いて死にそうよ」


「そうですね。あれだけ体力使ったのに、まだ何も食べてませんもんね」


「はい!それに聞いた話じゃ、すんごく美味しい料理とデザートも用意してくれてるみたいです!」


「「デザート!!!」」

その言葉にティナさんとアビィちゃんが反応する。

二人とも、今までの暮らしでは味わえなかった事もあり、デザートにハマっているらしい。



「それじゃあ、向かいますか!」


「「「「おー!」」」」



こうして、俺たちはよだれを我慢しながら食堂に向かう。




食堂に着くと、綺麗に飾られた長いテーブルの上に豪華な料理が沢山置かれていた。


「折角ですし、人数は多い方が良いと思いましてな。よろしいですかな?」


「もちろんですよ」


オルバさんは優しく微笑むと、教会に住み込みで働くシスターや、料理人まで座らせる。






「皆さん、席に着きましたかな?では……」

オルバさんは胸の前で手を握る。


「冒険者様たちと、この国の全ての者、そしてセルティア様に感謝を!それと…マリアの門出を祝って、乾杯じゃ!」



「「「「かんぱーい!!!!!!」


シスターさんたちも短く祈った後に食べ始める。


その料理は、今まで食べたどの料理よりも美味しく感じた。


また、かなりお高い『オサーケ』を仕入れていたらしく、グラスを傾ける手を止める事が出来ない。



その後も皆で楽しいひと時を過ごした。












「リン様…少し、良いですかの?」

食事を済ませた後、部屋に戻ろうとしたらオルバさんに呼び止められる。


「はい?」

オルバさんについて行く。




オルバさんに案内されたのは、あの庭園だった。

「この庭園はのぉ、マリアにあげたものなのですじゃ」


「はい。マリアさんから聞きました。嬉しそうに話していましたよ」



「そうじゃったのですか………」




……………


………


……



「リン様、マリアは本当におっちょこちょいでしてね。きっと、皆様に迷惑もかける事でしょう」


オルバさんが真剣な眼差しになる。

「しかし、あの子の人を想う優しさは本物ですじゃ」



「はい。一緒にいたのは少しの期間でしたが、それは伝わりました」



「そうですか……」

オルバさんは夜空を見上げる。


マリアさんとの想い出に耽っているのだろうか。

いや、きっとそうだろう。




少しの間、夜空を見つめた後、俺に向き直る。

「どうか、マリアの事をよろしくお願いします」





「はい。任せて下さい」





「おっと、折角の宴の後だというのに、湿った雰囲気にしてしまい申し訳ありません」



「いえ……やはり、寂しいですか?」




「……はい。マリアは儂にとって、娘も同然の存在ですからのぉ……。やはり、寂しいですじゃ。しかし、子はいつか親元を離れ、独り立ちするもの。共に旅立つ者たちがリン様たちなら、儂も安心できますじゃ」



「ありがとうございます」



「お礼を言うのはこっちの方ですじゃよ。おっと、ここでの話は、どうかご内密に。マリアに知られたら恥ずかしいですからのぉ」



「はい。それに、きっとマリアさんはオルバさんのことを心配しちゃいますもんね」



「……ほっほっほっ。本当にマリアの事をよく分かっておりますのぉ。時間を取らせて申し訳ありません。どうぞ、今夜はごゆっくり」



「……はい!」





そして俺は部屋に戻り、みんなと一緒に眠った。


オルバおじいちゃんの語尾がまとまらなくて凄い時間かかりました。

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