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第43話、俺たちとマリアさんとオルバさん

前回のあらすじ!

ダンタリオンの意地!シスターの祈り!決着!



「か……勝ったのですか…?」

マリアさんが不安そうに言う。




「はい。私たちの、勝利です!!!」



俺がそう言うと、広場が歓声に包まれる。


「やったぞー!!!」

「セルティア様の加護よ!!!」



「やったわね、リン」

フィーが肩に手を乗せてくる。



「はい。ですがこれは、セルティアの皆さんの協力、そして何より、マリアさんのお陰です」


「そ、そそそそんな!私は何も…!」

マリアはさんは両手を胸の前で勢いよく振り否定する。


「なーに謙遜してるのよ。アンタがいなきゃやばかったわよ」



「そうです!マリアさんは凄いのです!」

アビィちゃんも目を輝かせながら言う。



「そ、そんな〜えへへ〜〜」



「ふふっ、でもまだ終わってないわよ。先代の代表の容態を確認しましょう」

フィーの言葉を受け、俺たちは教会に急ぐ。










「ハァハァハァ……!」


教会が近づくにつれ、マリアさんの走る速度が上がる。


教会の門を抜け、先代がいる部屋に辿り着く。


「オルバおじいちゃん!!!」

マリアさんが勢いよく扉を開ける。



そこには、身体を起こしてベッドに座る先代がいた。


「む……?マリアかの?そんなに慌てて、どうしたんじゃ?」


「オルバおじいちゃん〜!!!」

マリアさんは泣きながら抱きつく。



「おやおや、どうしたんじゃ。それにお客様がいる時に『おじいちゃん』はよしなさいと言ったじゃろう?」


「だってだってだって〜!」


「むむ……?困った子じゃよ…」

「おっと失礼、皆様はどちら様でしょうか?」

オルバと呼ばれる老人はこちらを向く。



「私たちはパーティーメンバーにシスターを探しに来た冒険者です」


「おお!そうでしたか、どうぞくつろいで行って下さい」



「突然で悪いけど、貴方、何も覚えてないのかしら?」


「………何か忘れているような気がするのぉ…。それに、マリアに会うのも久し振りな気がするしのぉ……」



「マリアさん、これまでの事を全て話しましょう」



「はい!分かりました。えっと、まずは………」

そう言うとマリアさんはオルバさんに一から説明をする。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「そ、そんな事が……。確かに言われてみれば少しずつ思い出してきたのぉ…」

「突然見たことのない男が訪ねてきて、大きな本を取り出したかと思ったら急に意識がなくなってのぉ……」


「まさかアレがダンタリオンだったとは…」


「あら、ダンタリオンを知っているの?」


「えぇ、こう見えてもこの教会の代表ですからのぉ…多少なら悪魔の知識もありますのじゃ。ダンタリオンと言えば、人の心を操ることに関してはトップクラスだとか」



「えぇ、確かにそうね」


「それで、今ダンタリオンはどこへ?放っておいたら国民が危険じゃ。早く対処しなくてはならないですからのぉ」


「ダンタリオンなら、私たちとマリアさん、それとセルティアのみんなと協力して倒したわよ」





「なっ!?」

オルバさんは勢いよく掛け布団を剥ぐ。


「ダンタリオンは凶悪な悪魔ですぞ!?まさか本当に皆様で倒したのでしょうか!?」



「えぇ、リンが作戦を考えてくれたのよ」


「ですが、作戦に協力してくれたのは皆さんの意思です。それに、マリアさんがいなければ私たちは負けていました」



「な、なんと………」

オルバは突然立ち上がり、姿勢を低くし、頭を地面に近づける。



「この国を救ってくれて、本当に……本当にありがとうございます。礼を言わせて頂きたいのじゃ」



「顔をあげてください。それに、私たちが今こうしていられるのは、マリアさんのお陰です」



「マリアよ、お主は何をしたんじゃ?」


「え、えっと……」


「マリアさんは、国民への協力の呼びかけ、ダンタリオンの強力な攻撃を、祈りの歌で弱体化してくれたんです」



「国民への呼びかけだって、まさか商人全員が協力してくれるとはね」



「マリア……お主、良くやってくれたのぉ…」

オルバさんはマリアさんの頭を優しく撫でる。



「うわーーーん!!!オルバおじいちゃーん!!」


「これこれ、お客様の前で泣くでないぞ」

オルバさんは嬉しそうに溜息をつく。




「そう言えば皆様、旅に連れて行くシスターは決まりましたかの?」




「はい。決まっていますよ」


「そうねぇ、あとはあっちの気次第って感じね」



「おや、一体誰でしょうかの?」




「もちろん、マリアさんです」




「うえぇぇぇぇえん………って…へっ!?わ、私ですか!?!?」

オルバさんに抱き着き泣いていたマリアさんが勢いよく振り向く。



「はい。マリアさんさえ良ければ、私たちのパーティーに入ってくれませんか?」



「い、いやいやいやいやいや!わ、私、ドジだし祈るのも下手だし、皆んなにいつも怒られてるし、それなのにいつまで経っても改善しないし……や、やめておいた方が…」



「いえ、マリアさんがいいんです」



「で、でも……」

マリアさんは決めきれずに俯く。






すると、突然、オルバさんが口を開く。

「マリアはのぉ、昔からおっちょこちょいでのぉ。掃除をすればバケツをひっくり返し、皿を運べば転んで割っていたのじゃ」


「だがの、儂も、他のシスターも、国民達も皆、マリアが努力家だったのを知っておる。小さい頃からそこは今も変わらぬ」


「国民の誰一人として、お主を蔑む者などおらぬ。皆、お主を愛しているとも。この国でお主を蔑む者はただ一人、お主自身じゃ」




「マリアよ、お主は儂らの誇りじゃ。胸を張りなさい。お主が胸を張れないなら、お主を認めてくれる彼女達と共に、胸を張れる自分に近付きなさい」



「オ、オルバおじいちゃん……」

「わ、分かりました。こんな自分を好きになれるように、もっともっと頑張ります!皆さんのパーティーに参加させて下さい!」

マリアさんは90度の礼をする。



「はい!ようこそ、私たちのパーティーへ!」


こうして、俺たちのパーティーにヒーラーのマリアさんが加わるのだった。

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