第33話、俺たちとシスターと庭園
前回のあらすじ!
セルティアの代表!観光?シスター探し!
荷下ろしをした後、教会を出る。
「先ずはご飯よね!私お腹減っちゃったわぁ〜♡」
「この国は普通の料理も美味しいけど、特にスイーツが有名なの!ほら、これ!」
ティナさんは鞄から一冊の本を取り出し、指を指す。
「『厳選!!!セルティアの美味しいスイーツ5選!!』………ですか?」
「そうよ!ティエスの本屋に売っていたわ」
「この街のスイーツの事なら任せなさい!」
「ティナさんって……」
俺とアビィちゃんは目を合わせて小さく笑う。
「うふっ♡可愛いわよね♡」
フィーは小さな声で言う。
「な、なによ!折角なんだから美味しいもの食べたいじゃない!!!」
「そうですね!」
俺たちはその後、ティナさんの案内でお店に入る。
「いらっしゃいませー!」
中に入ると沢山のウェイトレスが働いていた。
席に着いた後、各々料理を注文する。
「そう言えばこのお店のウェイトレスは、みんな普段は教会で修行をしているらしいわよ」
「つまり…シスターさんって事ですか?」
「そう言う事。シスターは冒険者パーティーに加入するか、ポーション作製に携わる事で生計を立ててるらしいわ」
「でも、ポーション作製に携わる事が出来るのはそれなりの力を持つシスターのみ」
「だから、基本的にはこうやってお店で働きながらシスター修行をしているってこと」
「大変なんですね……」
アビィちゃんが両手でコップを傾けながら言う。
ガッシャーーーン!!!!
そんな事を話していると、お店の奥の方から大きな音が店内に響き渡る。
それと同時に女性が怒鳴る声と謝罪する声が小さく聞こえる。
その後、その怒鳴られたであろう、その女性が涙目になりながら箒と塵取りを持ってお店の奥に消えていく。
「あの子……大丈夫かしらね?」
「首から十字架を下げていたし、あの子もシスターでしょうね」
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「リンさん、この文字はなんて読むんですか?」
「これは『厳選』ですよ。厳しい基準で選ぶって意味ですよ」
「へー!リンさん物知りですね!ありがとうございます!」
「いえいえ!もっと一緒に勉強しましょうね!」
「はい!」
料理を食べ終わり、スイーツを待つ間、ティナさんの持っていた本を使ってアビィちゃんに字を教えていた。
「お待たせ致しましたー!」
ウェイトレスさんがスイーツを運んでくる。
ん?あのウェイトレスさん、さっき涙目になっていたシスターさんだ。
「えーと、イチゴパフェのお客様ぁああ!?!?」
イチゴパフェをテーブルに置こうとした時、ウェイトレスさんはつまずいて転ぶ。
ウェイトレスさんはそのままテーブルに頭から突っ込み、イチゴパフェは宙を舞う。
スロー再生かのように宙を舞うイチゴパフェはフィーの胸元に飛び散る。
大量の生クリームやチョコがフィーの胸元に付着する。
イチゴはフィーの胸の………突起部分……に綺麗に2つくっ付く。
「あら、いやん♡」
フィーは胸についた生クリームを舐めながら言う。何だこれ。
「いたたたたた………」
ウェイトレスさんは鼻をさすりながら顔を上げる。
そして生クリームだらけのフィーを見る。
「あわわわわわわわ!!!!ごごごごごめんなさい!!!!」
凄い勢いで頭を下げる。
勢いが強すぎて再びテーブルに頭を強打する。
「〜〜〜!!!!!!」
必死に痛みを我慢しているが今にも泣きそうだ。てか泣いている。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
「は、はひ……大丈夫…でしゅ……グスッ…」
「そ、それより!!そちらのお客様!本当に、も、申し訳ありません!!!
「うふっ♡いいのよ。私の筋肉に直接糖分を与えてくれてありがとう♡私の筋肉も喜んでいるわ♡」
「えっと…筋肉?喜ぶ…?」
ウェイトレスさんは完全に困惑している。
そんなやり取りをしていると、お店の奥から凄い形相のウェイトレスが駆け付けてくる。
「申し訳ありません!申し訳ありません!!誠に申し訳ございません!!!」
「直ぐに代わりのものをお持ち致します!お代ももちろん結構ですので!!!」
「貴女も!!!いつまでも呆けてないで、片付けなさい!!!」
「は、はひ!!!」
泣きながら返事をしている。
「あ、あの、…本当に私たちは大丈夫ですから…」
「いえ!直ぐに片付けますので!次回から使えるサービス券もお付け致しますね!」
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店を出た後、セルティアの街を観光し、教会に戻る。
「色々とありましたね……」
「あのウェイトレスさん、少し気の毒でしたね…」
「てかフィー、あんた甘い香りするわよ」
「あら、まぁいい匂いには変わりないし、私は構わないわよ♡」
そんな事を話しながら部屋に戻る途中、光が差し込む扉を見つける。
「あれ?この扉、どこに繋がっているんでしょうか」
ドアノブを回す。
すると、目の前にはとても綺麗な庭が広がっていた。
「わぁ……」
「あら………」
色とりどりの花に、綺麗な噴水、日差しに反射する雫、それらの光景に釘付けになる。
「綺麗ね……アタシの住んでいた森には無い花ばかりよ」
「庭の手入れも行き渡っているわね」
「す、すごい…!!!」
アビィちゃんは興奮したように走り出す。
それを追うように俺たちも庭を見てまわる。
庭をグルッと見た後、更に奥に進もうとしたら声が聞こえた。
「誰かいるんでしょうか?」
みんなに伝え、こっそりと近づく。
「はぁ……またバイトクビになっちゃいました…」
「なんで私っていつもこうなんでしょうか……本当にダメダメですよね……」
そこには花に水をあげながら呟くさっきのお店のウェイトレスさんがいた。
「こんにちは!」
「へっ!?あ、あれ?あ、こ、こんにちは……って!!!さっきお店に来てくれた方たちですか!?!?」
「なななな、何か御用でしょうか!?『さっきはよくもパフェかけてくれたな』とかでしょうか!?ごめんなさい!ごめんなさい!」
ヘドバンでもしてるかのように謝りだす。
「違いますよ!私たちは冒険者で、シスターさんを見つけるまでの期間、この教会に住まわせて貰っているんです」
「そーよ。それに、お店での事は気にして無いわよ」
「そ、そうだったんですね!その、えと、すみません」
「いえいえ!私はリンです、それにフィーさん、ティナさん、アビィちゃんです。ウェイトレスさんのお名前は何て言うんですか?」
「あ、わ、私は『マリア』って言います」




