第29話、俺たちと目標と新たな仲間
前回のあらすじ!
ハルベルトさんの元へ!魔王!?アビィちゃん!
俺たちはアビィちゃんと暫く話したあと、これからの事について話し合う事になった。
「取り敢えずパーティーの目標としては魔王の撃破って感じ?」
「そうですね!その為にも仲間集めとレベル上げですね!!」
「そうねぇ。流石に3人は厳しいわよね」
皆で顎に手を当て考える。
「あ、あの!!!」
当然アビィちゃんが大きな声を出す。
「あの…その…えっと……」
「わ、わたしじゃダメ……です…か?」
俯きながら手をモジモジさせている。
「アビィちゃん……」
「ちょっと待ちなさい。アタシ達は魔王と戦おうとしてるのよ?流石に危険過ぎるわよ」
ティナさんは困ったように言う。
「私もそう思うわ。でも、人が足りないのも事実。それにアビィちゃんは妨害魔法を使えるわ。今の私たちには無い、新しい役職よ」
「リン、私たちは貴女の決定に従うわ」
少しの沈黙の後
「アビィちゃん、私たちの冒険は他のパーティーよりも危険なものになります。それでも来たいですか?」
「…はい。今までわたしには何も有りませんでした。でも!やっと、大好きな人達を見つけられました。その人達の役に立ちたいんです!」
「アビィちゃん………」
「決めました。アビィちゃんを4人目のパーティーメンバーにします!」
「!!!!!!」
アビィちゃんは驚きながら顔を上げる。
「よろしくお願いしますね。アビィちゃん」
「リンが決めたなら歓迎よ。よろしくねアビィ」
「うふっ♡また賑やかになったわね♡」
「は、はい!!!が、頑張ります!!!」
こうして俺たちのパーティーに新しくアビィちゃんが加わった。
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「じゃあ、まずは冒険者登録ね。私たちの街に戻りましょう」
「そうですね!ティランの皆さんにいつまでもお世話になるわけにもいきませんからね!」
「じゃあ兵長……じゃなくてリーダーさんに挨拶だけしていきましょうか」
外で新兵教育をするハルベルトさんの元へ向かう。
俺たちに気付いたハルベルトさんはこちらに向かってくる。
「行くのか」
「はい!お世話になりました!」
ハルベルトさんはアビィさんを見る。
「そうか。また何かあったら来い。いつでも力になろう」
「えぇ、頼りにしてるわよリーダー」
少しすると街の人が見送りに集まってくる。
アビィちゃんも街の人と仲良くなったのか、照れながらも話している。
「ありがとー!!!」
「頑張ってねー!!」
「いつでも遊びに来いよー!」
「アビィちゃん!病気には気をつけるだよ!」
馬車が出発すると街の人々は手を振って見送ってくれた。
「ティランでは差別や迫害が根強く残っている」という噂は、所詮噂に過ぎず、実際にはとても良い街だった。
きっと、新しいリーダーを筆頭に今後は噂も変わり、暖かい街として知れ渡るだろう。
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馬車の中で雑談し、途中の街で一晩を明かし、再び馬車で雑談をする。
領主と共にいた時のアビィちゃんはやはり操られていたらしく、今は機械的な難しい喋り方ではなく、子供らしい喋り方になっている。
だが、まだ少し気を遣っている感じがする。
早くもっと仲良くなりたいなぁ。
などと考えているとティエスの街が見えてくる。
「ティエスの街が見えてきたわよ」
「なんか凄く久し振りに来た気がするわねー」
「またレイラさんに心配かけちゃいましたね…」
アビィちゃんの方をチラッと見ると、アビィちゃんは少し緊張しているらしい。
「アビィちゃん、大丈夫よ♡ティエスは半獣人も仲良く暮らしているから、酷いこと言われたりなんてしないわよ♡」
「は、はい…!」
街に入り、ギルドに向かう。
「ただいまでーす!」
勢いよく扉を開ける。
すると直ぐにみんなが集まる。
「聞いたぜ!よくやったなぁ!!」
「お疲れ様ー!」
「英雄様のお帰りだー!」
挨拶をしながらレイラさんの元へ向かった。
「レイラさん!帰りました!!」
「皆さん!良かった……無事だったんですね。話だけは聞いていましたが、本当に大変でしたね……」
「また心配かけちゃったかしら?」
フィーは微笑みながら言う。
「もう、笑い事ではありませんよ。本当に心配したんですから……。それと、そちらの方は?」
「新しくパーティーに入ったアビィちゃんです!まずは冒険者登録をして欲しいのですが……」
「なるほど。ようこそティエスへ。冒険者登録をするので一緒に来てくれますか?」
「は、はい!よろしくお願いします!」
皆でアビィちゃんの冒険者登録をみんなで見守る。
魔法陣の真ん中で石のようにカチコチに固まるアビィちゃんは見ていて少し面白かった。
「終了です。お疲れ様でした」
ステータスカードをアビィちゃんに渡しながらレイラさんは声をかける。
「肝心のステータスですが、身体能力、魔法適正共に良い数値が出ています。他の同年代の半獣人と比べても高いですよ」
「半獣人の方は、獣人の血も入っているので身体能力は高い方が多いですが、他の半獣人の方に比べても魔法適正が高いです。特に妨害魔法適正が優れています」
「良かったわね、アビィちゃん」
「は、はい!お役に立てるように頑張ります!」
「もう少し鍛えたりすれば、短剣やボウガンと言った武器も扱えると思いますよ」
レイラさんは優しく微笑む。
「それとこちら、依頼達成の報酬です」
そう言うとレイラさんは大きな袋を取り出す。
中を見てみる。
「あれ?報酬金、多くないですか?こんなに報酬の多いクエストでは無かったと思うのですが……」
「はい。今回、魔族の幹部クラスと思われる悪魔の撃退により、報酬にプラスされています」
「おお!」
「ただ、まだ確証がないことや、悪魔の実際の戦闘力が分からないこともあって、かなり少ない報酬となっています……その、私も進言はしたのですが……」
レイラさんは申し訳なさそうに言う。
「レイラさんが悪い訳じゃないですよ!多く貰えただけでも有難いですから、気にしないで下さい」
「そうね。今日はこれで美味しい料理でも食べましょう!」
「アビィも、今日は気楽に楽しみなさい。貴女の歓迎会よ」
「は、はい!」
こうして俺たちはギルドで食べて飲んで騒いで、楽しく過ごしたのだった。




