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第25話、俺たちと謎の男とエルフの過去

前回のあらすじ!

開戦!謎の男!リーゼベルン!





「ただし、『夢の中で』ですが」

今度はリーゼベルンの心臓を素手で突き刺し、息の根を止める。


「なっ!?アンタ……一体何を……!」

ティナさんは怒りに満ちた表現で言う。



「ん?何って、用済みになったから始末しただけだよ?」


「そ、そんな言い方……」


「何をそんなに驚いている?君たちはゴミを始末しないのかい?部屋に虫が出たら殺さないのかい?それと同じだろう?」


「アンタ…さっきから何を言ってるの?」


「おや、最近のエルフは理解力が乏しいのかな?エルフの教育体制を見直した方が良いのではないかい?」

男はティナさんを挑発する。


「お前ッ!!!」

ティナさんは挑発に乗り、矢を放つ。


が、しかし、男は指先でその矢を弾き落とす。

「エルフ族は暫く見ない間に随分と種族としての品が下がった様だね」



「何よ!まるでエルフ族を見てきたような言い方じゃない……!」



「ん?知ってるも何も、君たちと戦争をしていたんだけどな……知らないかい?」


「そんな事……」

そう言うとティナさんは考え込む。すると直ぐに何かを思い出したかのように呟く。


「子供の頃に村長が言ってた気がする…。『エルフは昔戦争をしていた』って」


「そうかそうか。まぁ曖昧なのも無理はない。何せ、何千年、下手したら何万年も前のことだ」


「あの頃はどこの種族とも戦争をしていてね。エルフ族と一時休戦の協定を結んだ次の日に攻め入ってやったら簡単に滅ぼせたよ」

男は笑いながら言う。



「……!!」

ティナさんは目を見開き、立ち尽くす。


「エルフ族の数が少ない事、今まで疑問に思わなかったのかい?私たちが戦争で殆どのエルフを殺し尽くしたからだ」



「悪魔との契約を信じるなんて馬鹿な種族だと思ったが、今でもそこだけは引き継がれているようで安心した」





「…………」

ティナさんは何も言わず、ただ弓を持つ手を震わせる。



「あら、貴方たち悪魔も誰かを騙す事でしか快感を得られないところ、今でもしっかり引き継いでいるなんて可哀想で見てられないわぁ〜」


「大体ね、契約すら守れない種族が、契約をしっかり守った種族をバカにするんじゃないわよ」

フィーは男を睨みつける。



「おや?挑発のつもりかい?そもそも契約を馬鹿正直に信じて滅ぼされてちゃ元も子もないと思うけど?」


「お前ッ!!!!」

ティナさんは怒りに任せ弓を構える。


しかし、フィーはそっとティナの手に手を乗せ、落ち着かせる。


「滅んでないわよ。エルフの人たちはみんな良い人よ。それはそこにいるティナも同じ。誰かと信じ合い、助け合う。その素晴らしい考え方は今も昔も変わらないじゃない」


「そうです。協力し合う事の大切さを知らない貴方に、私たちは負けません」


「ティナ、やりましょう。今度はこちらから行く番よ」



「2人とも……そうね、アタシ冷静じゃなかった。2人とも、力を貸して。こいつをぶっ飛ばしましょ」


「ええ!」 「はい!」




「フフッ、いいねぇ。ちょうど私も暴れたかったところだ。さて、この街が魔物に呑まれるのが先か、君たちが私に殺されるのが先か、楽しみだね」


「あら、それを言うなら、この街の人が魔物を退けるのが先か、私たちが貴方をボコボコにするのが先か、じゃなくて?」



「君、さっきから威勢が良いね。威勢が良いのは嫌いじゃないが、行き過ぎると目障りだよ。決めた、君から内臓を抉り出そう」


「次に黒髪の君、そして最後に『何も守れなかったね』と言い聞かせながらエルフを嬲り殺そうか」


「かかってくるがいい。下等種族共」

男は手を広げる。


外から大きな爆発音が聞こえる。

どうやら外でも魔物と住民たちの戦争が始まったようだ。

その音と共に、戦いの火蓋は切られたのだった。

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