第22話、俺たちと気配と領主の罠
前回のあらすじ!
聞き込み!貴族の屋敷!アビィちゃん!
「あのアビィって女の子、大丈夫ですかね……」
メイドのアビィちゃんが去った後に呟く。
「あの様子だと、脅迫か何かされてるのかしらねぇ」
フィーも顎に人差し指を当て、心配そうに言う。
「それもそうだけど、アタシの精霊があの子の首にあるチョーカーから魔法に似た気配を感じとったわ。どうせ領主の不利益になる事を言ったら魔法が発動するとかそういうやつでしょ」
「へ〜!流石精霊さんですね!」
「って、ちょっと待って頂戴。『魔法に似た気配』?魔法じゃなくて?」
フィーはティナさんに驚きながら尋ねる。
「そこが引っかかるのよね。精霊は魔法や精霊術の気配を感じ取れるの。だからリンが使う魔法も発動する前に何を使うか大体わかったりするんだけど……」
ティナさんは困ったように続ける。
「だけどあのチョーカーからは魔法でも精霊術でもない、今までとは違う気配を感じたわ。でも今までで全く感じたことのない気配ってわけでも無いと言うか……んー!モヤモヤする!」
「取り敢えず今はチョーカーの事は置いておきましょう。夕食までに簡単に屋敷の中をお散歩してみましょうか」
フィーの提案に乗り、3人で屋敷を見て回る事にした。
部屋を出ていくつか部屋を見てみるが同じ様な造りの客室ばかりで特に怪しいところは無かった。
その後も適当に散歩しながら歩いていると扉の質感が違う部屋が見つかった。
「この部屋の中から、さっきのチョーカーと似たような気配を感じるわ」
ティナさんの一言に緊張が走る。
フィーがドアノブに手をかけ、扉を開ける。
部屋の中が少し見えたと思うと
「皆さん、どうかされましたか?」
唐突に話しかけられ、急いで振り向く。
そこには飲み物を持ったアビィちゃんが立っていた。
「あらアビィちゃん、ごめんなさいね。立派な屋敷だったからつい探検したくなっちゃって♡」
「そうでしたか。ですがその部屋に立ち入る事は領主様からの命で禁じられております」
「そうだったんですね!ごめんなさい」
「いえ。お飲み物をお持ち致しました。どうぞ部屋まで」
「ありがとう。アタシたちも戻りましょっか」
アビィちゃんと共に部屋に戻る。
「どうぞ、紅茶をお持ちしました」
そう言うとアビィちゃんはカップに注ぐ。
「ねぇアビィちゃん、私たちは何があっても貴女の味方よ」
「そうよ。絶対に連れ出してあげるんだから覚悟してなさいよね」
「だから、待ってて下さい!」
「!………」
紅茶を注ぐアビィちゃんの手が一瞬止まる。
「それじゃあみんな、頂きましょ♡」
その紅茶をみんなで一斉に飲む。
そうすると次の瞬間、意識が遠退く。
俺もフィーもティナさんもその場に倒れこむ。
「飲ませたか」
「……はい」




