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第12話、俺たちと戦士長と村長

前回のあらすじ!

連携!弓の真髄!戦士長の覚悟!



ティナさんの服が赤く染まる。

目を開けるとそこには、魔物の触手によって鎧ごと身体を貫かれた戦士長の姿があった。


「えっ……」

ティナさんは自分の服に付いた血と戦士長の姿を交互に見る。


魔物はそのまま戦士長を触手で高く持ち上げる。


「…………」

戦士長は動かない。


魔物は最後の力を振り絞り、触手をうねらせ、戦士長を地面に叩きつけようとする。





が、次の瞬間、戦士長の身体が脈打つ。


戦士長は自身を貫く触手を剣で切ると、そのまま触手を足場にして魔物に飛びかかる。


「ウオオォォォォァァッ!!!!」


戦士長の一撃は魔物の心臓を貫く。

その一撃を受け、魔物の触手は一瞬硬直すると、直ぐに力無く地面に落ちる。




戦士長もその場で倒れる。


「戦士長ッ!!!!」

俺たち3人は戦士長に駆け寄る。


「ガハッ……無事か……ティナ………」


「無事だよ…!戦士長が守ってくれたから…」

ティナさんは涙を流しながらも答える。


「そうか……へへっあんなに小さかったお前が……今じゃこんな立派になって…お前が戦士になるって言った時はからかって悪かったな…」


「もう喋らないで!!!」


「だがな…俺は信じてたぞ。お前は絶対に立派な戦士になるってな……」


「戦士長……いや、ギルおじさん……」


「久々にそう呼んでくれたな……」

「これで…悔いなく逝ける…」

そう言うと、戦士長ギルは目を閉じる。



「ギルおじさん…?ギルおじさん…!」

ティナさんが泣き崩れる。

俺たちはただ俯く事しか出来ず、立ち尽くす。



すると背後から声がした。

「急いで祭司たちの元へ運ぶのじゃ」

声の方へ目を向ける


「村長!」

ティナさんが声を上げる。村長と呼ばれた老人は他のエルフに比べても耳が長い。


「戦士長の生命力ならばまだ可能性はある。急いで治療すれば間に合うかもしれん」


「そう言う事なら私に任せなさい。筋肉には自信があるの」

フィーが声を上げる。

担架に乗せる…というわけにもいかず、フィーが直接戦士長を背負う。


そして俺たちはエルフの村の更に奥、大きな洞窟の中へと向かう。


洞窟の中には村長と同じくらい年老いたエルフたちが4人いた。


「これからわしらは精霊様の力を借りて治癒を試みる」

「しかし幾らわしらと精霊様の加護があろうと、この怪我では治せるかわからん」

「お主たちは村に戻っておれ」

「うーむ」


祭司と呼ばれていたエルフたちは1人ずつそう述べた。


祭司たちの言葉に従い、洞窟を出る。



「ギルおじさん……」

ティナさんが弱々しく呟く。


「ティナちゃんと戦士長さんとは付き合いが長いの?」


「えぇ…小さい頃に両親を亡くしたアタシの面倒を見てくれたの。本当の父親のような人よ」




「でも大丈夫ですよっ!少し共闘した私たちですら、戦士長さんのしぶとさにはビックリしちゃうくらいですし!」

暗い雰囲気を払拭しようと声を上げてみる。


「フフッ確かにそうね♡今は信じて待ちましょう」


「えぇ…そうね」


「そ、それはそうと!あんたたちのお陰で、被害も抑えられたのは間違いないわ。ありがとう」

ティナさんは急に向き直り、頭を下げる


「元々はアタシの村の事情なのに、関係の無いあんたたちを巻き込んで、ごめんなさい」



俺とフィーは顔を見合わせる。

「聞いたかしらリン?『関係無い』ですって」

フィーが悪戯そうに笑う。


「な、なによ!事実でしょ!」

ティナさんが慌てて言う。


「私もフィーさんも巻き込まれたなんて思って無いですよ。それに、ティナさんとはもう、お友達です。関係無いことなんてありませんっ!」


「お、お友達…?」

ティナさんの顔が少し赤くなる


「当たり前じゃない♡一緒にお話して、一緒に戦って、一時的とは言え、命を預けあった仲なのよ♡」


「そうです!ティナさんは私たちの大切なお友達です!!」


「た、大切な……」

ティナさんの顔が真っ赤になる。

「しょ、しょうがないからこのアタシがあんたたちの友達になってあげるわよ!!」



「ティナにお友達が出来て何よりじゃ。なんせこの子は昔から素直じゃ無くてのぉ〜」

村長がヒゲを弄りながら言う


「よ、余計なこと言わないで下さい!!」


「てか、村長は村がこんな大変な時にどこでなにやってたんですか」


「さっきの洞窟で祭司たちと結界の維持をしておったのじゃ。あの時出現した魔物を倒しても入り口を防がなければ意味が無いからの」


「戦士長に任せっきりにしてしまった事にわしも責任を感じておる。すまなかった」

村長が頭を下げる


「そう言うことなら仕方ありませんから許してあげます」

ティナさんが腕を組んでそっぽ向く。



「村長さんとも仲が良いんですね」


「村長はアタシのおじいちゃんみたいなものね」


「素敵な関係ですね!」


ティナさんは微笑むと村長に告げる

「そういえば村長、この2人を結界の外に出してあげたくて村まで来たんだけど…」


「そうじゃったのか。それなのにわしらエルフに力を貸してくれて心から感謝しますぞ」

「わしに出来ることならなんでも致しますのじゃ」


「いえいえ、困ってる時はお互い様ですから!」

「そうね♡」


「おぉ…なんと優しき人間じゃ。このエルフの村の長として、責任を持って約束を果たさせて頂く」


「でも、まだ待って下さい。最後までお手伝いしたいんです」


「と?言いますと?」


「村の復興のお手伝いがしたいんです」

「あんら!!さっすがリン!!いい考えだわ♡重いものなら任せて頂戴っ!」


「なっ!!何言ってんの!?あんたたち、どんだけお人好しなのよ!」

ティナさんが動揺する


「ティナの言う通りじゃ。そこまで世話になる訳にはいかぬ」


「乗りかかった船ってやつですよ!それに…本当の事を言うと、エルフの方と関われるなんて貴重な体験ですし、お話とかも聞きたいなぁ…なんて」

これに関しては本心だった。ゲームやアニメの中の存在が目の前にいる。芸能人に会うなんて比じゃないからな。


「しかし……」

村長が困ったようにヒゲをくるくるする。


「お願いします!」


「むぅ…それが其方たちからの願いというなら、こちらこそお願いしよう。実際、怪我人も多く困っていたからのぉ」


村長の了承も得る事が出来、少しの間エルフの村に滞在する事になった。

本当にすみません遅れました

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