しあわせ
皆様はじめまして
僕は初めて小説を書きました
作者の僕から言うと、この主人公はとても好きになれたものではないです!w
彼の見る日常もつまらないです
これを書く際、どうしようか迷ったけどこうするのがいいと思いました
最初のうちはつまらないことをたのしんでほしいです。
朝。目覚ましに起こされることで朝は始まる。
引っ越してから初めての朝だ。でも僕はいつも通りに、今日起きる意味あるのか?そんなことを考えながら、だるい体を振り起こし、巻きついたイヤホンをほどき、枕の隣に置いた眼鏡をかけ直す。そして居間へ出る。
居間に出て炊いておいた米を盛り、空いた口へ運ぶ。
「うん、普通だ」
というか、今はどちらかと言うと不味い。
【朝ごはんを食べる】という行為はもはや一種のルーティンのようなもので、人生を豊かにするものというわけでもなかった。
昔は美味しかったんだけどな、慣れちゃったのかな。理由も掴めず、そんなことを考える。
朝ごはんを食べ終え、昨日用意しておいた学校の用意を背にかけ、行ってきます。といって家を出るのだ。返ってくる言葉は無い。
いつも通り自転車にまたがり、学校を目指す。
今日は終業式だ。いつものつまらない式を終え、クラスでは成績の見せ合いが行われるのだ。サッカーのできる彼や、バスケのできる彼、皆楽しそうにする。
オール3、オール2、はたまた1個単位を落とした者もいた。でも彼らには成績を見せ合う友達があった。
僕にはいなかった。
思えば僕は劣等感の中で生きていた。
僕は誰かに嫌われていたわけではなかった。でも誰も一番好いてくれなかった。誰も見てくれなかった。
何もかも僕には1番はなかった。
はたから見たら僕の人生は恐らく幸せで、成功するものと思うだろう。友達もいた。成績も良かった。僕はとても友達を大切にしたのに、彼らは僕のことなど勉強のできるモブにしか思っていないのではないか。
そんな考えが頭を駆け巡った。
それ故、誰にも悩みを打ち明けられなかった。贅沢な悩みだ、気持ちの悪いメンヘラみたいな悩みだ、なんて言われたら立ち直れないだろう?
そんなことを毎日帰り道に考える。
そんな鬱な日々でも死ぬ事を考えたことは無かった。
いつかきっと、いつかきっと、そう思い続けていたのだ。それすら甘えであることも、自分でわかっていた。
そしていつも通り、家の前に着く。
鍵を回し、扉を開き、靴を脱ぐ。そして居間からするいい匂いに鼻を寄せる…いい匂い?
ここは新居で、僕は一人暮らしのはずだが。
高校生にして一人暮らしであるのは、両親を小さい頃になくしているからであって、別に不思議なことではないと感じている。
「…?」
急いでドアを開け、居間へ出るとそこには少し幼い綺麗な少女がいた。手に料理の盛られた皿を持っている。
匂いの正体はこれか。
服装は見たことがないようなものをしていた。
なんだか不思議な感じで、だがダサいとか、変な感じはしない。そればかりかとても——
いやそんなことを考えてる場合では無い。そして口を開き、どう質問していいか考え、声をひねり出す。
「君、一体誰…?」
とても不自然な質問だ。まず口調がちょっと変になってしまったし、もっとくだけた感じで聞くべきだったか。考えてるうち少女はこう答える。
「あ、おかえりなさい。あるじ。」
僕はさらに困惑した。おかえりったって、ここは僕の家だ。どうやって入ったんだ?鍵だって僕しか持ってない。何よりあるじって…
「いやあの、君は何者なの…?」
「私は…」
そして彼女はん〜と、少し考えこう言うのだ。
「私は、この家に住まう霊のようなものです。これからよろしくお願いしますね。」
そして付け加えるようにこう言うのである。
「あなたのしあわせ、私にください。」
屈託のない笑顔で放たれたこの言葉を、不思議な事に嘘はなく、純粋で澄んだものだと理解することは出来た。だが、僕はそれを素直に受け取ることは出来なかった。