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前話、或いは約束

泣かせてしまった。


二度と涙を流させないと誓ったはずなのに。


端正な顔立ちを、悲しみに塗らさない様、誓った、はず、だったのに…


笑顔だけが見たかった。


自分に向けられるその笑顔を見るだけで、頑張ろうと思えた。


愛がもっと深くなった。


でも


自分はもうその笑顔も、自信に溢れたあの綺麗な顔も、二度と見ることはない。


自覚すると涙が出てくる。


泣き叫びたくなる。


流す涙も、叫ぶ声も、もうないけれど。


もう意識も遠のきつつある。


日々の記憶が徐々に薄れて、消えて。


でも、これだけは。


彼女の記憶だけは、愛していた、愛しているという記憶だけは。


絶対に忘れたくない。


忘れるものか。


自分という存在を決定づける《魂》というものが有るのなら。


刻みつけろ。


絶対に忘れない様に。


忘れられない様に。


ああ


もう時間切れみたいだ。


もう自分が誰かも分からない。


でも、絶対に忘れないから。


ーーー君を、愛している。

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