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後編
海のような指……海指、そう海指と呼ぼう。それをためつすがめつする。
不思議だ。どうして……いったいどうして。はしゃぎたい!
指を見つめていると指紋がぐるぐる回っているのに気づいた。これは……まさか……渦だ!
感動した。あり得ない体験だ。大声を出しそうになり……なんとか自粛。
今度は指から「今日は大漁だぞ! やったな、みんな!」等と声がした。これはきっと漁師たちの会話だ。
ウキウキする。非日常、最高!
反対の手でそれに触れるとズブズブとまるで底無し沼にでもはまったかのように沈んでいく。
あ、冷たい。これは海の中に……。私は指海に飲み込まれてしまった。
幸い先ほどの漁師たちに実際に会い救助してもらえたのは幸甚であった。
end




