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英雄になるということは

009


時がまた動き始めた。

まず僕がしたことはなんだと思う?。

歪に変形した銃弾を拾ったのだ。確認したかったのだ。

これが僕の額をね~。

と少しお気楽気味だ。本当に超人なのか試したくなった。

「あん?ガキ何で生きてやがる、さっき撃ち殺したはずじゃあ」

強盗も少し困惑気味だ。

チャンスと僕は走った。

走って人生初の『人間を殴る』ということにチャレンジした。

まず近くにいた小柄な強盗の顔面を右腕で力の限りぶん殴った。

「ぎぶっ」

そんな声を出して小柄な男は銀行の入口の方に吹っ飛んでっいった。

すごい!!僕の腕力や脚力も強化されているんだ!!。

パン!!!

「痛っ」

僕は強盗の一人に左肩を撃たれた。

『痛っ』とは言ったが実際には殆どダメージは無かった。

弾丸が床に転がる。また歪に変形して。

すぐさまその強盗にも右腕のパンチを腹に叩きこむ。

「うごげっ」

またその強盗も入口に吹っ飛ばしてやった。

本当に僕は強くなっているんだ。いや強いってレベルじゃない。

「化け物め!!動くんじゃねぇ!!」

本当に化け物だ。僕は。

「あんたにも僕のパンチを喰らわしてやろうか?」

と僕は最後のリーダー格の強盗を挑発した。

でもこれは失敗だった。

「きゃあ!!」

「近づいてみろよ、この女を殺すぞ」

リーダー格の強盗は近くにいた女性スタッフを人質にして、

女性スタッフの頭に銃を突きつけていた。

殴れない、この場合はどうすればいいんだろうか?

「へ、化け物め人質を盾にしたら何もできねぇじゃねえか」

まさにその通りである。

どうすればいい。女性スタッフも助けられて強盗も倒せる?。

動けなかった。僕は考える。考えてでた答えはこうだ!!。

「ぎゃあ」

ご注意を。これは女性スタッフの悲鳴ではない。

強盗の悲鳴だ。

僕は先ほど拾った弾丸を強盗の肩めがけておもいっきり投げつけたのだ。

弾丸が強盗の肩を貫通する。

女性スタッフを離して床に倒れこむ強盗。

そして僕はまた全力で走り出す。

僕の頭を撃った憎き強盗に正義の鉄拳を叩きこんでやる。

「ま・待て!!」

「待つかよ!!!」

「ぐげぇ」

最後の一人も入口の方に吹き飛ばしてやった。

おもいっきり怒りをこめて顔面を殴った。

僕は強盗の一味を一人で制圧したのだ。

「凄い!凄い!!」

「あなたは救世主だ」

「ありがとうありがとう」

パチパチパチパチパチパチ

店内の電気が付きお客さんや銀行のスタッフからの感謝の言葉や拍手をあびる。

ヒーローの気分ってこんな感じなのか。

悪くないな!!。

「桐原くーん!!」

と真白さんが僕に抱き付いてきた。

「すっごかったよ桐原くん。本当に恰好良かった」

「そうかな~まぐれだよまぐれ」

「謙遜しないしない、ん♡」

「ん・・・・」

僕のファーストキスは真白さんに奪われてしまった。

別に嫌でないけど、むしろ超嬉しい。

「私のファーストキスを捧げちゃった♡」

ファーストキスだったのはお互い様だったらしい。

「練習その2終了」

と男が僕の横でそう言った。

「神の力。病みつきになるだろ?」

「超最高!!!!」


010


僕がぶっ飛ばした強盗の一味は後からやってきた警察官の手によって。お縄を頂戴いされた。悪は滅びる。ざまぁーみろだ。

その後しばらく僕も警察の方に事情聴取されたけど

「武道を習っているので」

の一言で解決した。

なんかずいぶんあっさり解決したようにも思える。

監視カメラが破壊されていたこともあってか、銀行のスタッフに事情聴取が行くらしい。

頭や肩を撃たれたことは言って欲しくないが・・・。

「桐原くん頭と肩撃たれてなかった?」

「ぶっ!!」

そう真白さんに言われて吹き出してしまった。

こんな近くに目撃者がいたのか?。

「いやパーカーを貫通しただけだよ、あと弾丸が逸れたの」

と思い付きのでまかせをいう僕。

「でも本当に恰好良かったよ」

「そうかな~?」

「そんなに動けるんだったらなんか部活に入ったら?」

「あんまり集団行動得意じゃないんだよ」

真白さんとこんなに会話したのは初めてだ。

ちなみに今は真白さんを家まで送っているところだ。

真白さんの家は銀行のかなり近くだった。

ロマンチックに浸りたかったけど、

この男も隣にいるしな・・・

「送ってくれてありがとう桐原くん」

「いやこれくらいなら毎日でもするよ」

とにやけながら言う僕。

「じゃあまた明日学校で、私のヒーローさん」

「また明日」

そういって真白さんと別れた。

「よぉ、ヒーローさん、良かったじゃないか、近々彼女でもできるんじゃないの?」

「あまりからかわないで下さいよ~ルシフェロさん」

「・・・・・・はぁ、もうルシフェロさんでもいいよ」

「でも銀行に行こうって言ったのは強盗が来るからだったんですよね?」

「・・・・・・」

無視された。

ルシフェロさんは携帯を取り出しこう言った。

「ゴッドアームの使い方は説明するよか、実際に試したほうが身に付くからね。面白くなるのはこれからさ。俺の願いもその内叶えて貰おうと思っているしね」

「ルシフェロさんの願いってなんなんですか?」

「ひ・み・つ 後で教えてあげるよ」

とはぐらかされた。

そんなやり取りをしながら僕は家路に着いた。

ルシフェロさんは僕の部屋へと向かった。(この人帰らないのかな?。)

少し汗をかいたのでシャワーでも浴びよう。

ズボンを脱ぎ、シャツを脱ぎ脱衣所の籠にいれる。

そこでも僕は驚愕した。

なんだこの肉体は!?。

6つに割れた腹筋、盛り出ている大胸筋、筋骨隆々の足と腕。

先日までの貧弱な体はどこへ行った?

これも『ゴッドアーム』の恩恵?

ガラガラと脱衣所の扉が開けられた

「お兄ちゃん帰って来てたんだね・・・ってなにその体?薬?」

「げ?葵!!」

僕の妹、葵が帰ってきていた。

「僕、着やせするタイプなんだよ」

「ふーんでも凄いね、ねぇさわっていい?さわっていい?」

と兄の体を触りまくる妹。

「あぁもうシャワー浴びるから出てけ!!」

「あん」

妹を脱衣所から追い出しシャワーを浴びる。

もちろんゴッドギプスは外してだ。

鏡に映る僕の腕はやはり刺青まみれだった。

日常を過ごすのにはこのギプスは絶対に必要らしいな。

今日起こった出来事を振り返る。

ルシフェロさんと出会い、神の力を貰い、強盗を倒し、

キスもして・・・・・・。

僕の青春はここから始まるのか?。

そんなことを考えながら悦に入る僕。

僕の青春がもろく崩れていくのを知らないまま・・・

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