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まさかの救援

072


メタトロンは手段を選ばない執行者なのか?

それとも今後の執行者はなりふり構わず襲ってくるのか?

僕はそんなことを考えていた。

「真白!ルシフェロさんに電話して!!」

と僕は真白に自分の携帯を渡した。

「わかった。あの駄天使に連絡するわ」

すぐさまメタトロンは槍を構えてパトカーの上から跳んできた。

真白を狙っている?

ギリギリのところで真白を押して槍を回避させた。

槍が僕の右腕に突き刺さる。

ザシュ!!

僕の右腕からは流血が出た。

「痛てぇー!!!!!」

神の腕が貫通された。ダメージを負わされたのはラファエル戦以来だ。

僕はすぐさま左腕で槍を引き抜こうとした。

がそのまま僕の心臓を目がけて槍は直進してきた。

槍は心臓は逸れたが僕の胴体を貫通した。

「がはっ!!」

と僕は血を吐いた。

メタトロンは僕の身体を槍で貫いた状態で走りだして、

そのまま僕ごと壁に突き刺さった。

「ぐふっ!!」

メタトロンは追撃のごとく槍を青白く発光させた。

バリバリバリバリバリ。

電撃だ。

身体中を激しい痛みと痺れが走る。

僕はそのまま直立不動のまま意識を失いかねた。

「桐原くん!!」

真白の声で僕は意識を取り戻し、

メタトロンを左腕で殴り飛ばした。

槍が僕の胴体を離れる。

おびただしい出血が胴体の前後から放出された。

僕の油断もあってこんな致命傷を負ってしまった。

すぐに神の腕で回復を図ろうとしたが、

メタトロンは無表情のまま槍を構えて突進してきた。

身体がうまく動かない。

さきほどの電撃の影響か、足が動かなかった。

これは僕の負けか。槍の矛先は心臓目がけて一直線に向かってくる。

僕は死を覚悟した。

「何を諦めている。桐原優斗!!」

ガキィン!!

とメタトロンの槍が弾かれた。

僕の前に現れた斧を片手に持つ巨大な影は、

僕の見覚えのある人物だった。

「・・・・・・アザゼルさん?」

突然の出来事に僕は戸惑っていた。

何故消えたはずのアザゼルさんが僕の前に、

そしてどうして僕を助けてくれたのか。

「今は回復に専念するんだ。優斗くん」

僕の後ろの壁の上にはルシフェロさんがいた。

「遅いわよ!駄天使!!」

と真白が叫んだ。

「ン?ドウイウコトダ?ルシフェルナニヲシタ?」

メタトロンも無表情のままだが、困惑しているようだった。

がすぐに矛先をアザゼルさんに向けて突いてきた。

アザゼルさんも自前の神斧・タイタンで槍を弾いた。

斧対槍。激しい打ち合いになった。

「メタトロン。お主は本当によくわからない奴だな」

「アザゼル?オマエハ、キエタハズジャア?」

打ち合いの中、両者は語り合っていた。

ガキィン!!

二人は距離を離れた。

「・・・・・・ここまでのようだな。桐原優斗!!傷は少しは癒えたようだな」

「はい!!」

「我はここで消える。また会おうぞ」

そう言ってアザゼルさんは光となってルシフェロさんの手の中に消えた。

一体どういうことだったのか僕にはわからなかった。

「ザイニン、ルシフェル、マタMEハ、シュウゲキスルゾ、カクゴシテOK」

メタトロンは槍を携帯に戻し、空を飛んで撤退した。

僕は傷口に手を当てたまま、それを見ていた。

しばらくして傷口も塞がった。


「危ないところだったね。優斗くん」

とルシフェロさんが壁の上から降りて来た。

「ルシフェロさん。何がなんだかわかりませんが助かりました」

「メタトロン。アイツは何を考えているのかわからない奴だからね。

他の人間がいるのに奇襲だなんて何を考えているのやら」

ルシフェロさんは両手で呆れたようなポーズをとった。

「桐原くん!!」

真白が僕のところに駆け寄ってきた。

「私のせいでこんな傷を負ってしまうなんて。ごめんなさい」

と真白は涙ながらに言ってきた。

「大丈夫だよ。真白。ちょっと死にかけたけどね」

「・・・・・・ごめんなさい」

余計な失言だったようだ。真白はさらに泣いてしまった。

僕は真白を抱きしめた。

「お二人ともいい雰囲気なんだけどさ」

ルシフェロさんが言った。

「何よ駄天使」

真白が目をキッとしてルシフェロさんを睨んだ。

「パトカーと運転手さんを治さないとね」

「あ!!そうだった」

僕とルシフェロさんはパトカーと運転手さんの傷を治した。

「ついでに電柱もね」

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