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神降臨

068


天界の武術師範アザゼルが倒される。

これは天界での一大事件として取り上げられた。

残り4人の執行者達も、

空席のほうが増えた円卓で会議を行っていた。


「まさか、アザゼルが敗れるとは」

「先生が負けるなんて何事なんだよ」

「桐原優斗はデビルアームを手にしたという噂も聞こえてるわ」

「・・・・・・」


1番階級 光速の執行者 ミカエル

2番階級 猛る焔の執行者 ウリエル

3番階級 愛の執行者  ガブリエル

4番階級 沈黙の執行者 メタトロン

この4人はこの現状を打開するよう策を練っていた。

「アザゼルは神呪縛解放まで使ったのだろう。それで敗れたということは、

桐原優斗は我々の想像以上の脅威というわけだな」

「決まりを破って俺が行くってのはどうだ?」

「神さまがそれを許してくれるのかしら?」

「・・・・・・」

「メタトロン。次は貴様の番なんだぞ、黙ってないでなにか言ったらどうだ!」

「・・・・・・」

「くっこの頑固者が」

ガチャ

「神さま!!」

「いや~みんなご苦労ちゃん。ゴッドアームを回収する算段は立てれてないようだね~。4人になると話し合いにもならないでしょーに」

「・・・・・・すみません」

「ゴッドアームの継承者は月まで破壊したっていうじゃない?そこで僕思ったんだよ」

「何をです?神さま」

「一回僕が下界に降りてみるよ」

「!!?」

「神さま、それは・・・・・・」

「なぁに闘いはしないよ。少し話をしたいと思ってね。あの人間と友は話したって言うじゃないか。なら僕も話してもいいだろう?」

「・・・・・・」

「少しでかけてくるよ。朝には戻るから心配しないで頂戴ね」

「神さまお気を付けて」

「ありがとちゃーん」

ガチャ


「優斗くん。優斗くん。起きるんだ!!」

「もう真白食べられないよ~」

「ああもう優斗くん。寝ぼけてないで」

「あ?ルシフェロさん。朝ですか?」

「いや~こんにちは人間の学生ちゃん」

ん?聞いたことのない声がするぞ。

その声で僕は目を完全に覚ました。

部屋の中にルシフェロさん以外にもう一人の人物がいたからだ。

「アザゼルと闘ったばかりなのに起こしてごめんね~。僕が神さまです」

「!!????」

僕は寝間着で戦闘態勢に入った。

「アハハ。僕は闘いにきたわけじゃないよ。ちょっと付いてきて」

何故か僕はその声に逆らえなかった。寝間着のまま外に出た。

法王のような服をきた長髪の髭面の男。

この男が神。

「じゃあ宇宙まで飛ぶよ~ん。準備はいいかい?」

「はい」

僕の一声をきっかけに、僕の身体は光に包まれ宙に浮いた。

僕は一気に宇宙まで飛ばされた。

そこには神もいた。

「マハハ。2回目の宇宙旅行はどうだ~い。」

「宇宙で闘うんですか?」

「キミはバトルマニアかい?アザゼルの影響かな?僕達は月を作るんだよ~」

「月を作る?」

「そうそう。きみの力・・・・・・いや元々は僕の力か、も借りてね~」

神はそういって両手を広げた。

僕も呼応するかのように右腕が勝手に上に上がった。

神の両手から金色の光が浮かび上がる。

僕の右腕も光始めた。

神は砕け散った月の残骸を宇宙の隅から隅まで集めて、

燃えて無くなった足りない分を自らの力で補った。

月を作るのに5分もかからなかった。

「はいかんせーい。どう僕の力。こういう使い方もできるんだ。万能だろ?

まぁ全知全能の神さまだからね。それと優斗くん。僕が本気になれば、キミなんて

一瞬で消滅させることもできるって話だよ。なぜしないかわかるかい?

彼らを信頼しているからね。まぁキミもそのうち後悔すると思うよ。

いやもう後悔はしているかな~?」


僕は神の力を知ってしまい、いかに無力な存在であるか知ることとなった。

あろうことか僕は神に向かって。

ゴッドキャノン!!を発射したのだ。

「ほう」

と神は自らに向けられた殺意の存在。光の光線を、

右腕で弾いてしまった。

虫を払うがごとくに。

僕はそのまま悪魔の左腕を思いっきり振り下ろした。

宇宙空間でも、赤黒い衝撃波が発生して、

神にとどいた。

「ほうほう」

神はその衝撃波をアザゼルが受けたように胴で受けた。

だが、衣服を切り裂いただけで対してダメージは無く見え、

しばらくしてその衝撃波は消えてなくなった。

「こんな程度かい?」

僕の頭の後ろで神の声が聞こえた。

僕が振り向くと同時に神は左腕を振り下ろした。

「ゴッドパーンチ」

そんな力のない掛け声とともに放たれた拳は、

メキッ!!!と僕の顔面にクリーンヒットして

僕は地球に強制送還された。

僕はまた大気圏を突き破って地球に落とされた。

僕の身体が炎に包まれる。

そのまま僕はどこかの海に落ちた。鎮火した。沈んだ。

海底まで沈んだ。

海の底でも神は寝転んで待っていた。

「どうだい?これが神の力さ。半分しか使えてないけどね~」

海の中でも神の声ははっきりと聞こえた。

「僕に挑もうとするのはそれほど無謀な挑戦なんだよ~」

と僕の身体を掴んで海の上に神は引っ張って行く。

「僕とガチで闘いたいなら、もっと強くなりなさ~い」

と神は僕を投げ捨てた。

僕はそのまま異次元空間の中へ投げ出されて、

気が付くと自分の部屋の中にいた。

「優斗くん。心配したよ。怪我はないかい?」

「顔が痛いです」

今まで受けて来たダメージは即座に回復したが、

今回の神のパンチで受けたダメージは中々回復しなかった。

「・・・・・・次元が違いすぎる」

僕はそれを痛感した。


069


「お兄ちゃーん朝だよー」

いつもの葵の兄起こしで起こされる早朝6:30

「お兄ちゃん。聞いて聞いて変なニュースがやっていたの」

「なんだ葵。朝から変なニュースってなんだよ」

大体想像はついていたが

「月が壊れたと思ったら、すぐに復活していたんだって」

「どういう見解になっているんだ」

「なんか見間違いみたいだったようなことを言っていたよ」

・・・・・・見間違いか。

僕の予想ではあるが、神は全ての人間の記憶を書き換えたのではないか。

それでないと世界の人々はもっと混乱しているのではないか。

半分の力の神がそれをできるのかは謎だったが。

まぁそれができるできないかは後にして、

僕は知ったのだ神の強力さを。完璧な力を。


1階に降りると家族がニュースを見ていた。

月が復活したという内容だ。

そもそも壊れていないという評論家や、

ただの見間違いだと言う学者、

だが確実に月は壊れたのだ、で同日再生した。

僕とアザゼル、そして神の手によって。

僕は朝食を早めに済まし、自分の部屋に戻った。


「ルシフェロさんは覚えているよね?」

「月がキミの力で壊れたって話だね。覚えているよ。やはり例外が存在するようだ、神さまも半分の力しか使えないからね。いやそれとも恐怖を煽る為にあえて俺達の記憶を残しているのかもしれないね」

「なるほど。ちなみに神が使える能力って何なんですか?」

「ここで羅列できる数のレベルではないよ。軽く億は越えているだろう。

半分でもね」

「・・・・・・半分でもですか」

「地上界のリセットを止めるためにはいずれ倒さねばならない男だからね。

ああそうだ。言ってないことがあったよ」

「なんでしょう。ルシフェロさん」

「神さまは。元人間だ」

「え!!?」

「俺が執行者に就任した時くらいだね。神さまが代替わりしたのは、

神さまの人間だった時の名前は忘れたけど、前任の神さまを倒したのはよく覚えてる。つまりキミも神さまを屈服させる可能性があるという話だよ」

「僕にも勝てる可能性が?」

「神の腕も悪魔の腕もキミと共に進化している。それはわかっているよね。

執行者を倒すことや心の成長で、レベルアップしているんだよ。つまり残りの執行者達を倒せば、キミも神さまの次元に近づけるっていうことさ」

「じゃあ残りの執行者を全員倒せば」

「だけど残りの執行者はアザゼルさんを越えた猛者達だよ。頑張らないとね」

「アザゼルより強い執行者達か・・・・・・・」

僕は神と闘う前にまず、危険な連中を倒さねばならないようだった。


僕は制服に着替えてルシフェロさんと別れて家を出た。

「おはよう。桐原くん♡」

「おはよう。真白。玄関で待っていたの?」

「10分くらいね。それよりさ今日のニュース見た?月が再生した話」

「ああ今日僕達が再生させたんだよ」

「僕達?あの駄天使と?」

「違う。神とだよ」

「神とね~。え!?でどうだったの?」

「月を再生させるのに5分もかからなかったよ、そして僕は神に挑んで負けた」

「桐原くんが負けるなんてどんだけって強さだよね。でもなんで挑んだの?」

「勝てると思っていた。・・・・・・まぁ無謀だったけどね」

「ほんと向こう見ずな性格なんだから」

と真白に肘で脇腹をこづかれた。


真白と一緒に学校へ向かうと報道陣が列を作っていた。

生徒達も後ろで見守る中に水島もいた。

「おはよう。水島なんのニュースだ」

「おはようっす。桐原くん、真白ちゃん。学校に隕石が落ちたんだって」

ああ僕が作った隕石もどきだ。

てかまだ燃えているんですか。テキトーに作ったからかな。

グラウンドから煙が立ち上っていた。

隕石もどきの近くに学生の山ができていた。

その中心に私が最初に見つけたのよと、

堂島さんがいた。

たくさんのカメラのフラッシュを浴びる堂島さん。

いつもは写真を撮る専門の彼女だが、

写真や映像を取られるのは満更でもないようだった。

・・・・・・でもその隕石偽物ですよ。

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