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ムーンブレイカーズ

066


両断された、月の残骸の上で僕達はまだ闘いあっていた。

僕は神の腕で防御し、悪魔の腕で攻撃する。

アザゼルもタイタンを振り回し圧倒的なパワーを尚も見せた。

アザゼルの放った斬撃は割れた月をさらに破壊した。

僕達の激しいぶつかり合いで月はどんどん破壊され、

最終的には、スペースデブリのようなサイズになった。

そのデブリの残骸で互いの攻撃をクロスさせるようにぶつけ合う。

激しい攻防の中アザゼルは僕に話しかけて来た。

「小童よ」

「なんだアザゼル」

「トドメを刺せ」

「何故だ」

「我の身体はもはや限界。小童、お前の最大の技で我を葬れ」

「わかりましたよ!!」

と僕はネットでみた大技。技というよりこれは地球に戻る為の手段でもあった。

僕はアザゼルの腹にパンチを叩きこみ、

怯んだ、アザゼルの太い首を悪魔の腕でがっちりと掴んだ。

そのまま月の残骸から全力で青い星に向かって跳んだ。


アザゼルの首を掴んだまま、僕は大気圏を突き抜け地球に戻ってきた。

僕達の身体が、熱い青い炎に包まれる。

「ヌハハハハハハハハハハハ楽しかったぞ小童―!!」

「この闘いは歴史に残りますねー!!!」

地球はこんなにも美しかったのか。輝く世界の街の光が眩しかった。

どんどん加速して元々戦っていた龍入市の龍神高校のグラウンドが見えた。

最初に突き破った結界の穴を抜け、

「デビルメテオタッチダウン!!!」

僕はアザゼルをおもいっきりグラウンドに叩きつけた。

「ガハー!!!!!!!!!!!!!!」

隕石が落ちたようにグラウンドは粉々に砕け散った。

飛び散った石や砂は結界に当たる。

真白が本当に結界の外にいて本当に良かったと思う。

あとルシフェロさんも。


グラウンドの中心から煙が立ち昇っている。

隕石のように落ちたアザゼルの身体は全身に亀裂が入っていた。

アザゼルはピクリとも動かなかった。

僕?僕は燃えている身体を消火している最中だ。

「熱い。熱い。熱い。」

地面を左右に転がりながら炎を消した。

そこから神の腕の力で再生が始まった。


異次元の扉を開けてルシフェロさんが出て来た。真白と一緒に。

真白は一目散に僕目がけて抱き付いてきた。

「バカ。宇宙まで跳んで行くなんて心配したんだよ」

「こうやって帰って来れただろ?お前のところに」

「もう。バカァ」

真白の目は涙で溢れていた。

僕は真白を力いっぱい抱きしめた。


「アザゼルさーん?生きますかー?」

「・・・・・・ルシフェル。二千年ぶりだ、この昂ぶりは滾りは」

「戦闘狂のあなたが満足してくれて良かったですよ」

「うむ。我にもう悔い無し。食え」

「さようならアザゼルさん」

とルシフェロさんがアザゼルを吸収し始めた。

「桐原優斗―!!!」

アザゼルが最後の力を振り絞って叫んだ。

「なんでしょう。アザゼルさん」

僕は真白をお姫様だっこの体勢でアザゼルのもとに駆け寄った。

「楽しかったぞー!!!」

「はい。僕もです」

アザゼルは光となってルシフェロさんの手の中に消える。

僕は敬礼でそれを見送った。


067


天体観測をしていたけど、

あの光はなんだったのかしら。

月が2つに割れて、急になくなるなんて、

こんな現象なんて、大ニュースだわ。

そしてあの光が落ちた方向って私達の学校じゃないかしら。

私は一大スクープを求めて愛用のカメラを持って外に出かけた。


「やれやれ流石にやり過ぎたね。優斗くん」

僕達はグチャグチャになったグラウンドをもとに戻そうと奮闘していた。

アザゼルさんを落としてあいた巨大な穴のところには、

ルシフェロさんの提案で隕石を具現化し置いてみた。

隕石なんてみたことが無かったので、燃える石を置いたのだが。

衝撃波で抉れた地面を直すのが一番時間がかかりそうだった。


「ちょっとあなた達なにやっているの?」

その声で僕達は学校の入り口のほうへ振り返った。

堂島さんだ。

たぶん僕達が落ちてきた光の正体を見る為に、ここまでやってきたのだろう。

「い、いや堂島さんこれは」

「桐原くん。私が話すわ」

と真白が前に出て来た。

「私達、夜のグラウンドで愛を語っていたんだけど、急にお空から、

隕石とその残骸が落ちて来たの。最初はびっくりしていただけなんだけど、

グラウンドがぐっちゃになっちゃったから直そうとしているわけよ」

少なくとも愛は語っていないが、よく咄嗟に嘘がつけるものだ。

「デート中の不幸な事故ね」

伝わるのかよ!?

「そういえばあの黒いスーツの男性は誰?」

げ!ルシフェロさんに疑問の矛先が行った。

「俺ですか?偶然学校の前を通った、落合と申します」

落合って誰だよ!?自虐かよ!?

「ボランティア活動をしてくれているんですね。ありがとうございます」

伝わるのかよ!?しかも礼まで言っちゃったよ!

その後は堂島さんは隕石の写真を撮ったり、実況見分を聞いてきた。

まぁ僕はテキトーに答え嘘も交えながら堂島さんのインタビューを受けた。


もう隕石の事故でグラウンドがめちゃくちゃになったということで話をつけ

途中真白を家に送って、僕達は家路についた。

「お疲れ様優斗くん」

「まさか月をぶっ壊してしまうとは思いませんでしたよ」

「それはキミが強くなった証拠さ。いや強くなりすぎてるかもね」

「残りの4人の執行者も倒しますよ」

「ハハハ頼もしいね。まぁ今日はもう寝よう」

「おやすみなさいルシフェロさん」

「おやすみ優斗くん」


当たり前のことなんだけど今回の闘いは世界中のニュースとなった。

月が原因不明の理由で壊れたからだ。

海外の実験、宇宙人による攻撃、様々な憶測が流れたが

その本当の理由を知っているのは

僕と真白とルシフェロさんくらいだろう。

夜空を照らす月が無くなってしまったのは少し寂しいけど。



・・・・・・すごく反省してます。

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