月で踊る男達
064
僕がギプスを外してなかった理由?
前も言ったがグラウンドの崩壊を恐れたからだ。
・・・・・・嘘だ。
勝てると思っていたからだ。ハンデありでも。
「オッシャアアアアアアア」
僕はがらにもない雄叫びをあげてアザゼルに突っ込んだ。
先ほど折れて砕けた、歯や鼻は、もう再生した。
アザゼルの顔面におもいっきり全体重を乗せて、
左腕の拳を叩きこんだ。
グギィイ!!!
鈍い音を立ててアザゼルの顔を歪ませる。
「がはっ!!」
アザゼルの歯が何本か吹き飛んだ。
「ぬんりゃあ!!!」
アザゼルも不安定な体勢からボディブローを返す。
僕は咄嗟に両腕でガードをした。
重い!!身体が宙に浮く。
アザゼルはそのまま僕の方向に走ってきた。
僕は宙に浮いた状態から右腕を前に構え、
「ゴッドキャノン!!」
を発射した。
ドゴーン!!!!!!!!!!!!
直撃だ。
だが爆煙の中からアザゼルは走って来る。
アザゼルも両腕でガードをしていた。
ゴッドキャノン!!で勝負が決まらないとは
なんて頑丈な野郎だ。
そのまま宙に浮いた僕にアザゼルはドロップキックを放つ。
メキィィ!!!
僕の肋骨が何本か砕けるような感じがした。痛い。
そのまま僕は校舎側の結界まで吹き飛んだ。
ばちぃ!!
と背中から結界に激突した
「がはっ」
ゴッドキャノン!!の反動でガードが遅く鈍った。
僕はすぅううと深呼吸をし、
左腕を後ろに構えをとった。
「なんの真似だ?小童」
尚も追撃をかけるようにアザゼルは走って来る。
魔界でベヒーモスを両断した技。
「デビルズスラッシャー!!!」
アザゼルが近くに来るまで溜めて全力で左腕を振り下ろす。
名前もつけて威力アップだ。
グラウンドを抉りながら、赤黒い衝撃波がアザゼルに直撃する。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
とアザゼルは後方へと押し出されていく。
肩から胴にかけて大量の出血を出しながら。
だが赤黒い衝撃波が途中で途絶えた。
アザゼルが己の神具である、神斧・タイタンで弾いたのだ。
「我にコレを抜かせよるとは。本当に強いのう」
地面から引き抜いたであろうタイタンはその名に相応しく、
赤く巨大で僕に恐怖を抱かせた。
ベヒーモスを切り裂いた斬撃を弾くとは・・・・・・
面白い!!僕の心は昂ぶっていた。
「小童。先ほどのお礼じゃあ!!」
とアザゼルはタイタンを両手で上に構え
「天下剛波斬!!!」
タイタンを振り下ろし、金色の衝撃波を放ってきた。
グラウンドを抉り衝撃波が飛んでくる。
僕も先ほどのアザゼルのように身体で受けようと思ったが、
直前になってビビッて躱した。
「それで良い」
僕の後ろの結界には、大きな亀裂が入っていた。
まともに受けていたら、僕は真っ二つだったのだろう。
「小童。やはり我らの闘いはここでは狭いのう」
「そうだな」
「どうだ?あそこで決着を付けぬか?」
とアザゼルはタイタンを空に向けた。
ん?どこだ?どこってあそこは・・・・・・。
「月?」
「左様。ルシフェル。少し月面旅行に行ってくるわい」
「え?グラウンド内がルールじゃあ・・・・・・」
「細かいことをぬかすな。小童よついて来い」
とアザゼルは跳んだ。結界を突き破って。
僕もアザゼルを追いかけるよう。やってみたかった。
初の全力のゴッドジャンプで追った。
全身に黄金の気を纏い僕も空を跳んだ。
「真白。ルシフェロさん。いってきまーす!!」
065
臨時ニュースです。
龍入市より謎の2つの発光体が月に向かって飛翔していきます。
繰り返します。龍入市より謎の2つの発光体が
ゴッドジャンプ本気ver&デビルブースト「仮名」を使い。
僕とアザゼルは月面に着陸した。
「我らの闘いはあの場所では狭すぎたよな。小童よ」
「ここなら全力で闘えますね」
月に来たが神の腕の力で呼吸や圧迫死は問題ないようだ。
僕も学校のグラウンドがめちゃくちゃにならないように、
少し加減をしていた。
アザゼルはタイタンを月面に突き刺しこう言った。
「月の重力を地球と同じにした。これで対等な闘いができようぞ」
「行くぞアザゼル!!」
「応!!!」
僕達はまた激しい殴り合いを開始した。
一撃、一撃、が超ヘビー級の威力だ。
僕達は血を吐きながらお互いに打撃を叩きこむ。
不思議な高揚感の中、相手にダメージを深く与えるように殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。蹴る。殴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。蹴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。蹴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。殴る。蹴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
蹴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
殴る。蹴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。蹴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴りきった。
「ぐぬっはっ」
悪魔の腕でアザゼルの顔面をぶん殴り、押し勝った。
アザゼルは後ろ足で踏ん張りつつもタイタンを引き抜いた。
「ヌハハ。我の渾身の一撃受けてみよ!!!」
「打ち勝って見せますよ!!」
お互いに最終奥義の構えを取った。
この一撃にて勝負を決める、そのつもりだ。
僕は左腕を後ろに構え、右腕でさらに力を蓄える。
アザゼルもタイタンを両手で上に構えて目を閉じた。
「デビライズスラッシャー!!!」「天上天下剛波斬!!!」
お互いの最終奥義は月面を抉りぶつかりあった。
お互いが発した衝撃波は火花を散らし合う。
赤黒い衝撃波と金色の衝撃波の余波が月面を抉る。
その衝撃は月を一周し、
月を真っ二つに両断した。
失礼。やりすぎました。




