第5番階級執行者アザゼル戦
062
場面はいつもの喫茶店に移る。
僕と真白とルシフェロさんと向かい会うようにアザゼル。
傍から見てもおかしい構図であろう。
僕達は普通の学生服だが、黒いスーツの男、白い胴着の男は、
違和感バリバリだった。
なんか恐喝されているようにも見える、警察呼ばれないだろうな?
「ルシフェルよ。久しぶりだな」
「お久しぶりです。アザゼルさん」
ルシフェロさんがさん付けなんて珍しい。
この男は天界でも高名な立場の天使なんだろうか。
「アザゼルさんはね。天界の武術師範なんだよ」
「武術師範ですか」
「ふん。この小童がゴッドアームの継承者か。笑わせるわ」
「デビルアームの継承者でもありますよ」
「何?・・・・・・ほぅ本当だな悪魔の腕まで使いよるか」
「んでアザゼルさん。決闘はいつにしますか?無論今日なんでしょうけど」
「そうだな。いつものあの公園では闘わんぞ」
「何でです?」
「狭い!!!」
「普通の理由かよ!?」
と僕はツッこんでしまった。
「罠とかの心配ではなくてかよ?」
「罠など我には効かぬわ!!」
「では龍神高校のグラウンドでどうでしょう。アザゼルさん」
「よかろう」
「時間はそうですね~誰も学校からいなくなる今晩午前0時に」
「よかろう」
コーヒーが4つ運ばれてきた。ウェイトレスもびびっていた。
アザゼルはコーヒーに角砂糖を大量に入れていた。10個もだ。
「なんだ?小童。文句でもあるのか?」
「何も」
この甘党野郎が。顔に似合わねぇんだよ。
軽く暴言を心の中で呟いてみた。
僕は家でいつものスウェットの上下に着替え深夜になるまで、
格闘技の動画を閲覧していた。
新しい格闘技の動画が上がっていたからだ。
なんか凄い大技を見た。これは使えそうだった。
学校に寄る途中、真白と合流しともに学校へ向かう。
学校のグラウンドの中心に、
アザゼルは仁王立ちで立っていた。
ずっと待っていたんであれば警察来るよな。
やはりそこは執行者。なんらかの手段を使ったんだろう。
「待ちかねたぞ。小童」
「僕も準備をしてきたんですよ」
「我に殺される準備をか?」
「あなたを倒す準備ですよ」
「ほう面構えも変わったな。それがお前の本性か」
「さぁどうでしょう?」
「さぁ時間になりましたよグラウンドに結界を張りますよ」
午後11:58 ルシフェロさんが準備を始める。
「ルシフェルと人間の少女よ。結界から出ておれ」
「何でです?アザゼルさん」
「本気を出す!!」
「なるほど」
と真白の手を引っ張って外にでていく
「気安く触らないで。この変態!!」
と真白が騒いでいた。
グラウンド全体に結界が張られる
「時間です。では決闘を始めて下さい」
僕とアザゼルは同時に走り出した。
063
第5番階級執行者・アザゼル
天界の番人
性格は武人気質
ルシフェロさん達に武術を叩きこんだ武術師範
趣味 スイーツ 自己鍛錬
神具 神斧・タイタン
操る力 重力
僕とアザゼルのスピードは、やはり立派な体格もあってか
僕のほうが早かった。
先手必勝とアザゼルの顔面に左腕の拳を叩きこむ。
ゴギャ!!!
拳はアザゼルの顔面にめり込み、後ろに下がらせた。
がアザゼルの拳が僕の腹に飛んできた。
バゴッ!!!
強烈な打撃で僕は吹き飛ばないように足を踏ん張った。
そのまま僕は追撃の拳を再度顔面に入れた。
ゴガッ!!!
アザゼルも裏拳で殴り返す。
メゴッ!!!
僕の鼻から大量の出血が出た。
「やるではないか」
「さすが武術師範ですね」
魔界で圧倒的な威力を誇っていた悪魔の腕は、
地上でも確実にアザゼルにダメージを与えていた。
アザゼルの顔の変形具合からわかる。
だがそれでわかるほどアザゼルは頑丈だった。
僕は前蹴りを腹部に入れる。
アザゼルは気にせず突進してきた。
ショルダータックルだ。
僕は後ろに吹き飛び砂場に落ちた。
アザゼルはそのまま走り、僕の足を掴み逆方向に投げ捨てる。
背中にとんでもない衝撃がはしった。
さらに僕の足を掴もうとするアザゼルに
僕は跳び蹴りを顔面にあたえた。
「ゴハッ!!」
アザゼルも血を吐いて後ろにのけ反った。
「優斗くん。確実に強くなっているよ」
「何よ、駄天使。当たり前じゃない」
「普通アザゼルさんとは殴りあえないと思うよ、死んでいるよ以前の彼なら」
「そうなの?」
「それほど神の腕と悪魔の腕を使いこなしている証拠さ、見てごらん」
僕とアザゼルは1歩も引かずに殴りあっていた。
神の腕の力で僕のダメージと疲労は自動回復し、
悪魔の腕で確実にダメージを与える。
僕は動画で見た打撃のラッシュを再現していた。
そしてアザゼルの攻撃が止んだ。
僕の攻撃が効いている証拠だろう。手数も多いから。
僕は打撃のラッシュを加速させる。
「強いな。小童」
「あ?」
「本気で闘ろう!!」
アザゼルの身体から闘気が発せれらた。
僕は思わず後ろへ跳んだ。
「神呪縛解放!!」
アザゼルの全身から金色の光が放たれる。
アザゼルの足元の大地にひびが入る。
「これからが本当の闘いだ。小童」
「ああ!!!」
僕も本気を出そう。まだ神の腕、悪魔の腕の本気は使っていないのだから。
「え?」
目の前にアザゼルの巨体が急に出現した。
速い!!。
グチャア!!!
アザゼルの拳によって僕の顔面は撃ち抜かれた。
僕は歯や血を飛ばしながら宙を舞った。
そして何度もバウンドしながらダウンした。
「痛てぇー!!!!」
アザゼルの全能力がついにベールを脱ぐ。
脱ぐなら僕も一緒だ。僕はスウェットの袖を捲り、
カランカラン。
と2つのギプスを外した。
「小童。我を相手に手加減していたのか?」
「いやここは僕の学校ですからね、おもいっきり暴れたら、
壊れてしまうと思いましてね」
「ヌハハハそうか。なら」
「全力で行くぞ」「応!!!」




