VSルシフェロさん 真白ズデート
047
ルシフェロさんは神琴・セイレーンをパンドラから出し構える。
素早く僕の間合いに近づき、セイレーンの弦で斬撃を加えてきた。
「ちっ」
僕のカウンターを狙ったパンチは空を切る。僕の左手首から赤い血が出た。
致命傷を狙っている。
そうだ最初の出会いからルシフェロさんは僕の心を見透かしたような言動や行動をとっていた。ルシフェロさんの能力は心を読む能力。
僕の行動がわかるならば僕の攻撃は当たるのだろうか?
「ゴッドアームレベル2の新能力!!」
「え?」
「具現化できるものの上限がアップしたよ」
僕は咄嗟に1万円札の束を具現化した。
「ハハハハハ。わかってはいたけどいきなりそれか!?」
「なるほどね」
と1万円札の束をルシフェロさんに向かって投げた。
ルシフェロさんは左側に逃げた。僕はそれを読み左に逃げたルシフェロさんへ
ダイビングドロップキックをお見舞いした。
むろん躱されたが。
ルシフェロさんは体勢を崩している僕の方向へ
セイレーンの弦を足でかき鳴らし
音符を具現化して発射してきた。
僕はそれを右腕で弾き跳ね返した。
「打ち合ってみるかい?」
とルシフェロさんはいつの間にか神具をポセイドンへと切り替え
僕の背後の地面から出現した。音符の影で見えなかったけど地面を泳いできたのか。
咄嗟に僕はルシフェロさんの放った蹴りを左腕で受け、右腕の打撃を叩きこむ。
キックVSパンチ 激しい打ち合いになった。バトル漫画みたいに。
「闘い方が様になってきたじゃないか」
「ルシフェロさんこそ本当に10番なんですか?」
「天使4人分の力だからね」
「なるほどそれでこの強さのわけだ」
打ち合いは無限に続きそうだったので、
僕は間合いを取りDRAGONBALLの かめはめ波 の構えをとった。
「僕の予想があっているなら・・・・・・」
「お!?」
「できる!!」
本当にかめはめ波が撃てた!!
僕の右腕から発射された気のレーザー光線はルシフェロさんの
左腕を消し飛ばした。
「ここまでだ」
と僕は2発目を撃つべく構えをとっていたが、ルシフェロさんの咄嗟の合図で僕は構えをといた。
「夢の中でもやっぱり痛いね。光線が速すぎて、行動が読めていても躱せなかったよ。
俺の左腕治してくれるかな?」
「ゴッドアームは僕の想像以上に万能なんですね」
僕はルシフェロさんの左腕を治してあげた。ちゃんとスーツも元通りにした。
「うむ。ありがとう。流石に色々な漫画を読んでいることはあるね。そうゴッドアームはキミと共に進化したんだよ。キミの闘い方もガラリと変わるだろうね。でもね」
「なんでしょう?」
「かめはめ波 だっけは、モロパクリだからやめたほうがいいよ」
「やっぱりそうなりますか鳥山明先生に怒られますよね」
「こう右腕だけで撃てるんだから、溜めの時間を減らせば凄い武器になると思うよ」
僕は真っ白な世界の上に向けて右腕を構えて発射した。
「ゴッドキャノン!!」
僕の右腕から出たレーザー光線は、果てしない白い世界の空の彼方へと消えていった。
「うんいい名前と威力だ、奥の手に取っておこう」
ルシフェロさんはポセイドンをパンドラの中にしまいこう言った。
「夢の中での経験値は現実にも影響を及ぼす、執行者が来ない間は嫌かもしれないけれども俺はキミを強くするため結構な頻度で夢にでるよ。構わないかい?
「悪夢を見ないだけマシです」
「そっかではまた」
とルシフェロさんは煙のように僕の夢の世界から消えていなくなった。
僕はこの真っ白な夢の世界でゴッドキャノン!!を何発か試したが、
無限に撃てるような感覚だった。疲労もない。
でも中々夢は覚めてくれなかった。
真っ白な夢の中の世界で急に空が金色に輝き,僕はその光に包まれた。
「桐原くん。朝だよー」
僕の彼女真白ユキの声で僕は夢の中から現実に戻った。起きたのだ。
6:30だった。
ルシフェロさんは眠気が覚める朝方に夢に出てくれたんだな。
苦労をかけます。
048
夢の中のことをはっきりと覚えているのは生涯初めてだろう。いや昔もあるかも?
僕の頭と右腕はゴッドキャノン!!を記憶している。
真白が朝ごはんを用意してくれていた。2人分。
テーブルに向かい会って食事の時間だ。
「いただきます」
「桐原くん明け方に、ゴッドキャノン!!ゴッドキャノン!!ってわけのわからない寝言をいっていたわよ。何か新技の夢?それともエロイ夢?」
「新技だよ!!断じてエロイ夢ではない!!なぜエロイ夢という発想に至る?」
「ならいいけど。私以外の女の夢をあなたが隣で見てたら
私普通にショックを受けるわ。
死ぬわ。嫉妬死ぬわ。嫉妬狂い死ぬわ」
「僕が見ていたのはキミの夢だよ」
「なにそれ。・・・・・・超かっこいい♡」
と誤解は解けたようだった。
僕達は朝食をすまし、二人で歯を磨き、シャワーを浴び、新しい服に着替え、
いつもより早く真白の部屋にて授業を開始した。
「桐原くん。今の公式はこうやって解くの。わかった?」
「真白先生の授業はわかりやすいな~」
実際学年テストで毎回上位5位以内に入っている真白だけあり、
人に物を教えるのも旨かった。
この女に弱点いや欠点は無いのか?。
『天は二物を与えない』 とはよく聞くが、
この女には天は神は何種の特典を授けたのであろうか。
それぐらい僕の彼女はパーフェクトだ。
「ちょっと桐原くん。聞いてる?」
「いや僕の彼女がこんな完璧で僕はなんて幸せなんだろうと思ってて」
「お世辞を言っても何もでませんよ。口はでるけど」
とキスされた。しかもベロチューだ。
欠点というかなんというか彼女はエロイ。ドエロだ。
「この淫乱教師!!」
「先生の心をかき乱すほうが悪いんですよ。桐原くん」
僕はゴッドアームの絶対記憶力を駆使し、真白先生の授業を真面目に受けた。
学校でも使おう。学年でも上位は狙えるかもしれない。
真面目に勉強を受けていると時間が経つのも早かった。
AM11:30。
「はい。今日の授業は終わりです。どう?学校の授業より
わかりやすかったでしょ?」
「うん。学校の先生より断然わかりやすかったよ。また教えて欲しいな」
「追試で保健体育を実践で教えてあげましょうか?」
「・・・・・・」
また今夜お願いしますとは言えなかった。
「桐原くん今日は映画館に行きましょう」
「映画館・・・いいね!!行こう!!」
「学園ラブロマンスなんだけど嫌い?」
「今の僕の生活が学園ラブロマンスなんだけどね」
「もう一回キスする?」
と真白は目を閉じて僕にキスをせがんだ。
僕はその唇を指で押して
「映画館に行こうぜ!!」
と言った。
「もう。私を焦らすなんて10年早いわよ」
と真白は頬を膨らませた。
映画の開始時間はPM1:00からなのでいつもの喫茶店で軽食を取ることにした。
軽食といってもナポリタンやハンバーグなどの料理をガッツリ食べたけど。
今日の昼食台は僕が払わせてもらった。
真白と腕を組んで商店街を歩く。
僕達の住む龍入市は田舎町だ。
田舎町でもそれなりに施設は充実していて。
大型ショッピングモールや映画館も存在する。
まぁ車や自転車が無いので歩いて向かっているのでけっこう時間はかかるけど。
あ!!そうだ!!ゴッドアームは進化してるんだった。
「なぁ真白」
「何?桐原くん」
「ゴッドジャンプでひとっ跳びしてみないかい?」




