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血獄学園

037


朝食を食べ終え、僕達は学校へ向かった。

8時29分遅刻ギリギリの時間だ。

だがいつもの雰囲気とはあきらかに違っていた。

風紀委員や体育の先生がいない。

それどころか、他に通学してくる生徒もいなかった。

「学年閉鎖かの~★」

学年閉鎖なんてことは連絡網では送られていなかったので、それはあり得なかった。

明らかに誰もいないであろう学校の校門に僕達は入った。

その時である。

いきなり校門に赤いバリア?が張られた。

それは学校を覆うようにバリアはドーム状に張られた。

ルシフェロさんがいつも使っている結界に似ている?。

僕はそのバリアに触れてみた。

ばちぃ!!と凄まじい音を立てて僕の手ははじかれた。

「桐原くん。これ何?」

「わからない。けど僕から離れないでくれよ」

「・・・・・・うん」

真白もこの状況には不安になっているようだった。

僕も不安だったのでルシフェロさんに電話した。

「どうした。優斗くん」

「繋がりましたね。学校が赤いバリアで覆われているんです」

「バリア?結界術か・・・・・それは7番階級執行者サリエルの仕業だね」

「昨日執行者を倒したばかりなのに早すぎませんか?」

「奴は一番計算高い奴だからねなんらかの手段を使ったんだと思うよ」

「サリエルはなんの能力を使うんですか?」

「サリエルは・・・」

僕の携帯は死角から飛んできたスコップによって

真っ二つに破壊されてしまった。

いきなりの奇襲であった。

スコップを投げた犯人はこの学校の生徒だった。

が目から赤い涙をながし虚ろな顔をしていた。

「桐原くん。周りを見て」

いつの間にか現れた学校の生徒達は皆、赤い涙を流していた。

20人はいるだろうか。

皆手には学校で手に入れたであろう凶器が握られていた。

コンパス、カッター、鉛筆、ラケット、トロフィー、鎌、

各々人を刺せる、殴れる物を持っていた。

「桐原くん★これやばいんじゃね★」

と水島も相当焦っていた

「死ね死ね死ね死ね死ね死ねー」

と一斉に遅いかかってきた。

これは操られている?

と考えている間に生徒達は凶器を振り回してきた。

「水島気絶させろ!!」

と僕は凶器を躱し、頸椎に手刀を加えた。

もちろんかなり加減してだが。

次々と襲ってくる生徒達にも手刀を加える。

水島も不恰好ながら蹴りで生徒達を倒していた。

だが真白や水島を庇いながら戦うのにも限度があった。

「きゃあ!!」

真白がカッターで切りつけられた。

「真白!!」

真白を切りつけた生徒を僕は蹴り飛ばす。

「真白。僕の背中におぶされ!!」

真白を背中に担ぎ僕は生徒達の群れをかき分けた。

「ちょっと桐原くん大丈夫?」

「水島ついてこい!!」

「OK☆」

僕は蹴りで前を邪魔する生徒達をふっとばし、

校舎の中へ向かった。

後ろから追って来る生徒達。

校舎の中も外と変わらなかった。

いや校舎の中のほうが地獄だった。

学校の教員達や外より多い生徒達が、

皆赤い涙を流していた。


038


龍神高校の生徒数は1年から3年まで合わせると300人を超える。

その生徒が既に登校しているとなるともう地獄が想像できる。

「水島お前外で走り回っていろよ」

「え?なんで?」

「こいつらの狙いは殆どが僕だ。そして校舎の外のほうが逃げやすい。お前なら解決するまで逃げ続けることができるだろう」

「解決って桐原くん。どうやって解決するのこれ?」

「どこかで生徒達を操っている奴がいる。そいつを倒す」

「OK。俺っちは外でフルマラソンしてくるよ★」

と水島と別れ僕は校舎内にいるであろうサリエルを探すことにした。

ルシフェロさんとの電話は途中で途切れてしまったが、

たぶんサリエルは人間をなんらかの方法で操っているのであろう。

その前に目の前の状況を打開しなければならないが・・・・・・。

「死ねーーーーーーーーーーーーーーーー」

と凶器と狂気をばらまいて襲ってくる生徒達。

真白をおぶっているので手は使えないので、

両足で次から次へと来る生徒達を吹っ飛ばす。

何度も何度も何度も何度も何度も

吹っ飛ばしていったがきりがなかった。

やはり突っ切るしかない。

僕は生徒や教員の頭を足場にして次々とジャンプで移動した。

この症状が治った時がかなり心配だが、それどころではなかった。

僕は2階への階段を目指した。

2階への階段は2年生達が占拠していた。

何人か同級生の顔も見える。

階段は天井が近いのでさっきのジャンプ作戦は使えない。

今度はボウリング作戦だ。

蹴りで生徒をボウリングのように蹴り飛ばした。

吹っ飛んでいった生徒は階段の上の生徒に当たり、

雪崩のように崩れて来た。

本格的に洗脳が解けたあとのことが心配だった。

僕はその間を突っ切って突破する。

2階にはついたがそこも生徒達が占拠していた。

そして最悪のことに2階は運動部が占拠していた。

龍神高校は運動部にも力を入れている。

多種多様の部活があり、スポーツ部、ラグビー部や相撲部は全国クラスだ。

その猛者共が2階を占拠していたのだ。

僕はまた突き飛ばすが、僕の手加減キックではこの猛者達はビクともしなかった。

ラグビー部達は凶器を持たず、その体一貫で突っ込んで来た。

「ぐぬ!!!」

背中の真白に衝撃が行かないようにもろにタックルを受ける。

だが圧迫攻撃は僕に効果的で、身動き一つ取れなくなってしまった。

「桐原くん!!」

「真白!!」

突如現れた女子生徒によって背中にいた真白は捕まってしまった。

「桐原くん!!」

と身動き取れない僕は彼女が3階へと連れ去られる姿を

見ていることしかできなかった。

ゴッドアームの力を解放すればこのデブ共も吹っ飛ばすことは

可能なのだろうけど、

たぶん殺してしまうだろう。

完全に僕のミスだ。こんなところで追い詰めれれてしまうとは。

いっそ解放するか?殺人罪に問われても彼女を救いたい。

「一般人は殺したら駄目だよ。優斗くん」

と窓ガラスを割って男が入ってきた。

男は蹴りで頸椎を撃ち相撲部達を失神させた。

「流石にピンチになってしまったね。優斗くん」

ルシフェロさんが颯爽と助けに来てくれた。

「ルシフェロさん!!」

「優斗くんの電話が途中で切れたからなんとなく状況が読めたから助けに来て正解だったよ。携帯は壊されたの?新しいのを買わないとね~」

「そうですね・・・・・・いやそういう場合じゃないんです真白が連れ去られてしまったんです。早く救出に向かわなければ」

「サリエルの居場所は掴んだよ」

「どこですか?」

「屋上だ」

「早く行きましょう」

「その前にこいつらを気絶させないとね」

いつの間にか集まっていた生徒や教員達に僕達は囲まれていた。

でも心強い味方が来てくれた。それだけでも僕は希望が持てた。

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