表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/43

第8番階級執行者アルマロス戦

033


「隠しておくつもりだったんだけどさ~やっぱルシフェルにはばれるか★」

ここは僕の家の僕の部屋だ。

僕と水島アルマロスとルシフェロさんの3人で話をしている。

「てかお前も僕とルシフェロさんを狙いに来た執行者なんだろ?」

「一応そうなんだけどね。君と僕の芸術性はシンクロしちゃったから殺りにくくて★」

澄ました顔でなんてことを言っているんだこいつは。

「それで僕の学校に潜入したわけか」

「うん。天界からの命令でね 君のデータを見てこいって☆」

「でアルマロス。優斗くんの評価はどうだった?」

「100点満点☆戦うのに最高のポテンシャルを持っているね☆」

「じゃあ僕と今夜にでも決闘するのか?」

「そうだね~。本当はやりたくないけど命令だからね。桐原くんとは種族の垣根を越えた友情を感じたんだけどさ~。殺らないで戻ったら、俺っちがどういう目にあうか★」

「正直僕もお前とは闘いたくないのが本音なんだけど」

「しかたないよね★」

「ああしかたないな」

と部屋の中で二人の闘気が混ざり合っていくのを感じる。

「アルマロス 今晩22時ちょうど優斗くんと闘え」

「うんじゃあ22時ね場所はレミエルを倒した公園でいいよね☆」

「ああ天子公園だ」

「ほんじゃあもう少し君と話とかしたかったけど、ここまでだね★」

「ああじゃあな」

と水島を送り出した。

「ルシフェロさん 奴の情報を教えて下さい」

「お、やる気満々だね」

「僕達をだまそうとしていた奴ですよ」

「そうか、じゃあ話そう。奴は8番階級執行者・アルマロスここまではさっき話したよね。やつは『幻想のアーティスト』と呼ばれているよ。彼の神具は『神輪しんりんポセイドン』という両手にはめて使う輪だ。たしか能力は水の中に潜ったりできるだったっけかな?いや物体に潜ったり泳げたりする能力だ。そうだそうだ。彼が操るのは水。水って言ってもただの水じゃないよ。爆発する水さ。それをばらまいて戦うのが彼の流儀だ。あと格闘戦も得意だったね。天界でも素手の格闘術では2番目位か。

格闘戦ではキミのほうが有利だと思うけど、彼の足技には注意が必要さ。

天子公園は砂場だから彼にとって不利な状況かもね。」

「そこまで聞ければ大丈夫です」

「なんか闘いが板についてきたって感じだね」

「これでも守りたいものがある男ですから」

「そうだったね、今日も期待しているよ」

とルシフェロさんは言った。

アルマロス それが水島コウキの本当の名前、本当の姿か、

僕はベットに飛び込んだ。

疲れたからじゃない。

心の整理をしたかったのだ。

僕を殺そうとするならばいくらでもチャンスはあったはずなのに、

奴は僕を殺す気は無かった。

周りへの配慮なのかもしれないけど、

奴はやらなかった。

友情めいたものを感じたけれども、それも全て演技なんだろうか。

わからない。わからない。わからない。

だが今日奴と本当の意味で決着をつける。

体力テストや音楽ゲームではない。

決闘だ。

「お兄ちゃーん、ご飯だよー」

本当に間の悪い妹である。


葵と晩御飯を食べ食器を洗い、自分の部屋に戻る。

奴との決闘の準備のため、レミエル戦の時に来ていたスウェットに着替えた。

レミエルの決闘の前はパソコンで格闘の動画を見る位焦っていたが、

今の僕には必要なかった。

22時には少し早かったけど僕はルシフェロさんと家を出た。

歩いて天子公園まで向かった。

僕が到着した天子公園はいつもとがらりと雰囲気が変わっていた。

いつもの砂しかない公園の地面は、

水でいっぱいに濡れていた。

「やぁ遅かったね。ずっと踊っていたらこんなになっちゃった☆」

「結界も張らないで、公園を水浸しにするなよアルマロス」

「そうだったねルシフェル、俺っちも心の整理が中々つかなくてさ★」

とアルマロスは白を基調とした派手なダンサーのような服に着替えていた。

「ルシフェロさん結界を張って下さい」

「ああもうやるのかい?」

「はい」

僕達は水浸しの公園の中へ入った。


034


「決闘のルールを説明するよ。1対1の決闘だ。俺は一切手を出さない。そして俺に攻撃するのは反則とみなすよ。僕が『レミエルの力を使える』のを忘れないでね。どちらかが戦闘不能になる。ギブアップを宣言するまで決闘は続く。両者承諾したかな?」

「はい」

「OK」

「じゃあ結界を張るよ」

とルシフェロさんは前と同じように公園内を回り結界用の粉洗剤を撒き始めた。

僕は前と同じように柔軟体操をした。

下が水なので靴から入って来る感触が気持ち悪かったがそんなことを気にする必要はない。

これは決闘なのだ。前の通り目の前にいる執行者をぶちのめせばいい。

それだけだ。僕はゴッドギプスを外した。

「それじゃあ結界も張りましたし決闘開始と行きますか」

ルシフェロさんの合図と共に両者は走り出した。

やはり下が地面ではなく水なので走りにくい。

アルマロスは水面を滑るように僕に接近してきた。

いきなりアルマロスの鋭い蹴りが僕の顔面めがけて飛んできた。

僕は咄嗟にガードする。

が下が水のために滑って転んでしまった。

それに合わせてアルマロスは下段蹴りを放ってきた。

僕もその蹴りを迎撃するように不安定な体勢から蹴りを放った。

バチン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

と両者の蹴り足が交差する。

「おー痛てて、ずいぶんと鋭い蹴りを出せるね☆」

「お前もな」

と僕は右腕を振り上げる。

アルマロスは僕の攻撃をガードすることなく、後ろへ下がった。

ゴッドアームで強化された僕の攻撃は天使に対しても有効らしい。

この水場に苦戦しながらも、僕はアルマロスに対して打撃を叩きこむ。

アルマロスは踊るように僕の攻撃をひらりひらりと躱す。

やりにくい相手だ。

この水場でアルマロスは滑ることなく踊るように打撃を繰り出して来る。

僕はその攻撃を躱したり、ガードしながら、渾身の一撃を叩きこむチャンスを狙った。

格闘戦が得意なだけあってアルマロスには隙がなかった。

アルマロスは自ら接近してきた。

顎を狙った掌底を放って来た。僕はそれをガードし、パンチを叩きこもうとしたが、

僕のパンチは奴には当たらなかった。

アルマロスが水の中に潜ったのである。

こんな浅い水の中に潜れるはずもないのにやはり僕が戦っているのは人間ではないなと痛感した。神具ポセイドンの能力。

いきなりだった。アルマロスが水の中から飛び出し、

僕の顎にサマーソルトキックを繰り出して来た。

「ぐっ・・・」

僕はダウンせずその場で踏ん張り、宙を舞うアルマロスの腹にストレートを叩きこんだ。

「がはっ!!!」

とアルマロスは血を吐き水場に落ちた。

僕は再度追撃するためにアルマロスに接近する。

まただアルマロスは水の中へ潜り、僕から離れて公園の中央に出現した。

「接近戦じゃ分が悪いや★」

とアルマロスはその場で回転し、野球の玉くらいの水の玉を何発も発射してきた。

水の玉はバウンドしながら僕のところへやって来る。

逃げ場は無かったのでガードを固めた。

その時ルシフェロさんが言っていたことを思いだした。

ただの水じゃない爆発する水だと。躱すべきであった。

ドバババババババン。

と水の玉が弾け飛んだ。

顔は爆発から守れたけど、右腕以外の僕の四肢は

ところどころ欠けて無くなっていた。

「うわぁあああああ」

痛みは後からやってきた。

だが僕の欠損した部位は瞬時に回復した。

回復のイメージ。レミエル戦で学んだゴッドアームの力。

「ふぅそんな毎回毎回簡単に回復されたら俺っちの力は尽きてしまうね★」

とアルマロスは水の塊を龍の形にして僕に放ってきた。

これも爆発する水だ。

流石にこの大きさの爆発を喰らったら僕の体は吹き飛んでしまうであろう。

僕は右腕に力を込めて水の龍を迎撃した。

ゴッドアームが黄金色に発光する。

ドバーーーーーーーーーーン!!!

と水の龍は爆発した。

僕の右腕ゴッドアームが打ち勝ったのである。

「嘘―!!!」

とアルマロスは驚愕していた。

が、すぐさまアルマロスは次の手を打ってきた。

「連鎖爆発に注意なーのだ☆」

一瞬意味がわからなかったが、わかった時点で遅かった。

アルマロスは地面の水場を全て爆破したのであった。

そうこの水も全て爆発する水。

僕と闘う前に用意していた。僕を殺す為の仕掛けだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ