平穏な日常?~真白さんの家に行こう
025
あの日、真白さんのほうからキスしてきたけど、
まさか僕のほうからキスを強要されるとは。
まぁだって告白の答え=彼女+結婚前提だからそれくらいの行為ができなくてどうする僕。
いやだが、自分からキスをしたことがない僕だからこそ緊張はするものだ。
真白さんのキス顔可愛いな~いやそういうこと考えている場合ではない。
早く答えは出さねばなるまい。
真白さんがこんなにも勇気を出してくれているのだから・・・。
僕は真白さんの唇にそっと自分の唇を重ねた。目は開けたままだ。
その時葵が時間終了間際にダンクシュートを叩きこんだのを見てしまった。
完全に葵と目が合った。
試合終了。
龍神高校の圧倒的な勝利で試合の幕は閉じた。
チームメイトや先輩達に賞賛される葵。
僕達も両校へ拍手を送った。
葵が僕のことをガン見していることを除いては素晴らしい大会だったと思う。
なんで僕の妹は僕をガン見しているのだ。
怒っているのかな?。試合終了間際にキスしていたことを。
試合後、監督の解散の一言で女子バスケ部はそれぞれの場所に帰った。
葵も制服に着替えて、観覧席にやってきた。
「お兄ちゃん私の葵ドライブ見た?」
「葵ドライブ?なんじゃそりゃ?」
「相手を3人以上抜いてシュートを決める技」
「あれ技名あったんだな」
「中学からずっと使っている技なんだけどね」
「いや葵のバスケテクは凄いと言われているのは知っていたけどあれほどだとは、雷神と影で呼ばれている僕も驚きの動きだったよ」
「てかお兄ちゃん達、試合終了の時ちゅーしてたでしょ」
「げ」
やっぱり見られていたのか。恥ずかしい。
「葵ちゃん。私たち付き合うことになったから」
と急に真白さんが僕の腕に自分の腕をからませてきた。
「お兄ちゃん。人生初彼女だね。おめでとう」
「お前に言われたくない。お前だって彼氏いたことないだろ」
「バスケットボールが恋人だから」
なんか妹に名言を言われた。少し恰好良かったのが逆に腹が立った。
「葵ちゃん。私のことは『お姉ちゃん』って呼んでいいからね」
「・・・・・・お姉ちゃん?」
「ちょっと真白さん」
「桐原くん!!私達もう恋人同士なんだからさ。さん付けはやめてくれる?」
「お兄ちゃん!!お姉ちゃんって呼んでってどういうこと?」
「あー説明すると長くなるんだけど、僕達結婚前提で付き合っているんだ」
「ほへ?」
と葵が現状を理解していないであろう声を出した。
「将来を誓いあった仲なんだよ僕達は」
「そういうこと魔法使いから賢者にいきなりクラスアップしたって感じってことだね」
「・・・・・・ああまぁそうとらえてくれてもいいや」
葵は少し、いや僕が言えたことではないが、恋愛に疎いのだ。
「じゃあなんか私、新聞部の取材あるみたいだから行ってくるね~」
見に来てくれてありがとーと葵は行ってしまった。
新聞部ね~また堂島さんだな。
「桐原くんこの後時間ある?」
「真白さ、いや真白。時間ならあるよ」
「さっそくで悪いんだけど私の実家に来て欲しいんだけど」
「実家?」
僕はこの時「実家」の真の意味を知っていなかったのであった。
026
僕は真白と真白のお父様の3人で高層ビルの最上階にいた。
なんで実家にいくということがこんなことになってしまったんだろう。
少し話を逆戻って話すとしましょうか。
僕と真白は龍神高校の入り口前にいた。
真白がどこかに携帯で連絡を取り始めた。
「彼氏と二人で学校前にいるわ、迎えにきて頂戴」
と真白は携帯を切った。
「ねぇ。誰と連絡してたの?」
「秘密♡」
いきなり彼女が彼氏に秘密を作った!!。
(秘密っていう点では僕のほうが秘密だらけなんだけどね。)
3分くらいかな?それ位で見るからに高そうな車がやって来た。
「お嬢様お待たせ致しました」
「そんなに待ってないわ、乗って桐原くん」
使用人風の外国の男に真白は流暢に答えた。
「え~と真白?これって・・・・・・」
「いいから乗って、ね?」
真白のプレッシャーに気押されて車に乗る僕。
「で実家って言ってたよね?いつものマンションじゃなくて?」
「あそこは私の学校通学用のマンション」
「はい?」
話がよくつかめない。
前、真白を送った場所は通学用のマンション?なんだそれは?。
「まぁつけばわかる話よ桐原くん」
「僕はこの状況が理解不能なんだが」
10分位して、車はある高層ビルの前についた。
『ピュアホワイトファイナンス』
という会社の建物らしい。
「お嬢様よい会合を」
「ありがとうセガール」
「・・・・・・」
僕はまだこの状況が理解できていなかった。
「どうしたの?桐原くん。行きましょ」
と真白に手を握られビルの中へ入って行く僕達。
「えーと真白?この建物って?」
「私の実家。言ってなかったかしら?」
「お帰りなさいませお嬢様!!」
30人位の執事みたいな人達と30人位のメイドみたいな人達が一斉に頭を下げた。
「頭を上げてパパに会いに来たのよ」
「は!!こちらへ」
と執事みたいな人達のリーダーであろう赤髪の男が前を行く
僕は真白に手を引っ張られながらビルの奥のエレベーター前までやってきた。
「ではよき会合をお嬢様」
「ありがとう二階堂」
と僕達はエレベーターの中に乗る。
「まだ僕は状況がいまいち掴めていないんだけど」
「学校では言ってなかったわね」
と真白はビルの最上階のボタンを押す。
「私本当は」
チーン。
ビルの最上階について真白はこう言った。
「超お嬢様なのよ」