生涯の友との出会い(?)
かみてに~神の力を手にしたならば~
000
やぁ!読者の諸君。初めまして。
俺の名前は ルシフェル まぁ後でまた紹介するのでここのところで切るけど、
もし諸君が、「神の力」を手にしたならばどうする?
世界征服?億万長者?不老不死?世界最強?
色々と夢や想像は尽きないものだよね?
今から話す物語は、そんな「神の力」を手にした男の物語さ。
ごくありふれた町のそう本当に本当に冴えない高校生だった。
だった?あぁ紹介してなかったね。
俺が天から堕ちてきて初めての友人さ。
彼は俺のことを友人とは思ってないのかもしれないけれどね。
でも最初で最後の友人だったとはハッキリと言える。
うん!本当面白い男だったよ。
興味がない人間達はさっさとその耳を塞ぐことをお勧めするよ。いや目かな?。
長い話になるからね。つまらないことも話していくよ?。
まぁ今となっては過去の話だけどね。
001
平凡で平凡な高校生それが僕だ。
これと言ってなんの取り柄もない。受験だってギリギリの点数だった。
運動?それも平凡。中学の時も特に部活に入っていたわけではないし、体育の内申点も
「3」だ。てか殆どの内申点も「3」ばかりなんだけど・・・
国語だけは「5」だ!! はぁ、こんなのでも自慢にもならないか?。
本当に本当に平凡な僕の人生が変わってしまった。高校2年生の春。
あの男にさえ合わなければと今も思う。いやあれは運命だったのかな?。
避けられない運命があるのであれば「アレ」を手にしたことが失敗だったのかな?
でも僕はあの日変わった。変化した。変異した。
神に誓おう。嘘偽りなく話すと僕は平凡ではなくなった。そうあの日僕は、
「神」になってしまったんだ・・・
キーンコーンカーンコーン
6時限目も終わり、下校のチャイムが鳴った。
部活がある生徒達はこれから青春を謳歌していくのだろう。
いや、部活が無くても友人や彼女がいる生徒も青春を謳歌するんだろうけどさ。
僕にはその2つの条件?が両方ともあてはまらない生徒だ。
友人もいなく、彼女もいない。部活なんてもってのほかさ。
この龍神高校にギリギリで入学できた僕は本当に本当に目立たない生徒だ。
まぁ高校くらい卒業できればいいかな?なんて思っている。
夢も希望もない平凡な高校2年生・・・
「じゃあまたね桐原くん」
隣の席の女の子 真白ユキ さん。
この子はいつも朝と帰りに声をかけてくれる唯一の存在だ。
彼女はこの2-B組の隣の席に配属された可愛い女の子。
頭も良くて友達も多い 本当に高嶺の花とはこの子に相応しい言葉であろう。
こんな子が彼女だったらな~と地味~に毎日妄想しているからね。
いや思春期ですからね。僕も一応。
真白さんも帰りましたし、僕も帰りましょうか。
真白さんを見送って帰る支度をする僕。
上履きを外靴に履き替え僕は家路へと向かう
今日も何も変わらない平凡な日だったな~。
と校舎を後にした僕の目の前に 彼 はいた。
黒いダークスーツを着こなす長身の男だった。
手には赤いアタッシュケースを持ちさながら、
スパイやマフィアを連想させる風貌だ
黒い髪をオールバックに決め、腕には高そうな時計 高そうな靴を履いている。
一瞬学校の先生?とも思ったけどこんな先生見たことないしな~。
彼 は誰かを探しているかのように周りを見ていた。
あんな目立つ恰好をしてこの学校になんのようだろうと思いながらも
僕は関わりを持ちたくないので、彼 の脇を通り抜けようとした。
「桐原優斗君だよね、ずっと待っていたよ」
と彼は言って僕の前に立ち塞がった。
なんで僕の名前を知っているんだろうと思ったけれども
彼はこう言った
「神になってみないかい?」
もう後には引けない最悪の出会いだった。
002
「新手の宗教の勧誘ですか?」
と僕は彼に言葉をぶつけた。
彼はスパイでもマフィアでもないだだの宗教の宣伝マンだった。
僕はそんな宗教とかに全く興味がないので、
テキトーに話を聞いてさっさと帰ろうと思っていた。
「なんだよ~冷たいな~ここでどれくらい俺が待っていたと思っているんだい?
キミが来るまでずっとビクビクしながら待ってたんだよ?」
と彼は言った。
本当にしつこい宣伝マンだ。
「宣伝マンじゃないよ俺は、初めまして ルシフェル と申します」
僕の心を読んだのか?読心術か?てかルシフェルって名前何?
完全にヤバイ奴だと思って僕は彼に背を向け家路に向かう。
「ちょっと待ちなよ桐原くん。これは君にとってとてつもない話だよ?
人生がまるっきり変わるようなお宝話さ、こんなところじゃあれだから
どこかでお話しないかい?」
とまた彼は僕の前に立ち塞がってきた。しつこすぎるだろ!!。
「僕は全く宗教には興味がありませんので!!」
僕には珍しく大声を出してしまったので、周囲の生徒の視線が集まってしまった。
「恥ずかしいのでさようなら!!」
と僕は彼の脇を再度抜けるように走った。
悪徳宗教ってものすごい金額を取られるんだよな、と思いながら
全速力で走った。走った。
「あらら逃げられちゃったよ、ま、これも運命ってやつだからね~」
と彼は呟いた。
僕は久しぶりに全力で走ったので脇腹が痛かったけど
周囲の目のほうが痛かったので、さっさと家に帰った。
まだ家族は誰も帰って来てないようだ。
両親共々、共働き家庭だからこの時間にいないのは当たり前か。
午後3時50分寝るには少し早いけど僕は自分の部屋に仮眠の為に向かった。
「やぁ遅かったね、キミは人を待たせる天才かな?」
自分の部屋の中にダークスーツの男がいた。僕のベットに座っていたのだ。
人間は夢と勘違いした時は頬を指で抓るという。
なので僕も実践してみた。
「マジ痛ぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
夢ではないようだった。これは現実か!!?
校門の所にいた男が何故自分の家の中にいるんだという恐怖心が僕の勇気を上回り、
「お、おい何で家の中にいるんでございますか?」
と敬語交じりの言葉で僕は男に言った。
「うん。普通に窓から入ったよ。鍵やガラスは壊してないだろ?」
と男は窓のほうを指さす。
確かに窓は健在でキズ一つ無かった。でも僕はそれどころでは無かった。
「け、警察を呼びますよ!家宅侵入罪で捕まえてもらいますよ!!」
と僕は学ランのポケットから携帯を出し、警察に電話をかけた。
ツー、ツー、ツー、
繋がらないなんで?僕は再度警察に通報したが結果は、
ツー、ツー、ツー、
だった。
「無駄無駄この部屋の中圏外にしてあるからね」
と男は笑いながらそう言った。
レベルが違う悪徳宗教宣伝マンだと僕は心から思った。