結構王道なプロローグ
俺の名前は宇都宮蛍。
ほんとにどこにでもいる高校生。
運動能力は並みよりは少し上、勉強は平均的にできる。
ただ、容姿が…少しだけ…ほんの少しだけ特徴があり。
結構女子に近いらしいのだ。
目はぱっちりとしていて、まつげは長い。整えていないのに眉毛のラインが緩やかなカーブを描いており、鼻はスラッとしていて高い。髪型はちょっと長めで、女子のショートカットみたいな感じ。
それに体型も女子のようらしい。
そんなに筋肉はなく、男子にしては小柄な体躯。手は小さく、指は細い。なぜかくびれもしっかりとある。
お陰で学校の男好き(つまりホモ、ゲイ)に何回か告白されてる。そのたびに自信がある走力でにげているが。
しかも、対極的に女子からは敵意の目線。なぜかって?自分より可愛い男子がいたら殺意が沸くんだと。んなの、知らないよ。
よって、付き合ったことはない。つまり童貞だ。
友達からは「え、処女じゃないの?」って言われた。死ねばいい。
さて、そんな俺だが…
車にひかれてる。
いや、まさしくそう表現するしかない現状だ。いっておくが自殺なのでは決してない。
さっきまで近くのスーパーに買い物を行ってきたところだ。トマトに牛乳、炭酸飲料に豚バラ肉。
そんな帰り途中、俺は事故にあったのだ。いや、俺の不注意じゃないんだ。
急にガードレールを突っ切って俺にトラックが激突したのだ。
運転手の顔が見えた。寝ている。あー、居眠り運転ね。ちゃんと寝とけよおっさん…。にしても、俺の後ろ…ここ橋だから川じゃないか…。
俺は意味のないことを知りながら、ふんばった。最後にこの車を落とさないように。
ギギギ…といいながら速度が落ちるトラック。ギリギリ落ちなかったようだ。
でも、もう限界だ…。
俺は自分の血糊で滑ったようだ。まっ逆さまに川に落ち始める。
なんで殺した相手を助けようとしたかって?知らないよ。おっさんが優しそうな顔死ねたからじゃないのかね。
なんにせよ…。
俺は死んだ。