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幼馴染の初恋を実らせるために汗水鼻水流す話  作者: 消しゴム
幼馴染の初恋を実らせるために汗水鼻水流す話
5/6

「で、それを私なんかに話してどうすんの」

それからの私の中学校生活は聞くも涙語るも涙の非モテ生活が始まったわけだが原因となった庵里とは高校が違った今でも交流を持っているから世の中何がどう転がるかわからない。庵里は美少女のくせに趣味が一般人とは画していて、男同士でくんずほぐれつする本をたくさん持っていた。以前染められそうになったけど逃げた。私は漫画やゲームが大好きだが、純粋に楽しむに留めておきたいのだ。そちらの世界には行きたくない。

さて、ここからが本番だ。今までは所詮思い出話だ。未だに私が彼氏いない歴=年齢なのも、灰色の中学校時代に両親が年甲斐もなくハッスルして弟をこさえラブラブ加減に磨きがかかったりしていたのも、まあいいのだ。弟可愛いし。雅季くん可愛いし!!


「好きな人ができたんだ」

私は食べきれば金券がもらえる1.5キロラーメンを食べる手を休めて、味にマンネリを感じ始めていたのでコショウをバサバサとふりかけ、ぐちゃぐちゃにかき混ぜた。

「大将、ライスはタダになりますか?」

「か、勘弁してくれお嬢ちゃん……」

「ケチ」

涙目の店長に私は仕方なく再びずるずるとラーメンを食べ始めた。

「かよちゃん、俺好きな人ができたんだけど」

私のリアクションが予想と違ったのか一緒にラーメンを食べに来ていた啓太がもう一度同じことを繰り返した。ほうほう、好きな人ねよかったね。

「おめでとう」

「う、うん」

「それより三十分以内に食べなきゃ五千円だよ分かってんの」

「……ウッス」

その後私たちは揃って二十五分三十二秒で完食した。

大将は心なしかげっそりしていて、挑戦三回目の私たちはとうとう出禁を喰らった。


商店街で自転車を押して帰っていると、啓太がおもむろに口を開いた。

「かよちゃん! 俺好きな人できたんだってば!!」

「はあ……葉月ちゃん? 美奈代ちゃん?」

いい加減しつこかったので仕方なく話を掘り下げてやる。

「いや仲はいいけど違うって」

「ハッ!! もしかしてわた」

「それはない」

「わかってるよジョークにも耳を貸さんのかお前は」

せめて最後まで言わせろウ○コ野郎。

はあ……それにしても、そうか。葉月ちゃん失恋決定だな。おいたわしい。小学校の頃から一途に啓太のこと想ってたのに。わたしゃ悲しいよ。

「で、それを私なんかに話してどうすんの」

「てっ、手伝って!!」

「帰れ」

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