『磁力体質の俺、陰キャだけどスポーツで密かに無双する。正体は絶対バレない。』
「初投稿です。読んでいただきありがとうございます。
楽しんでもらえると嬉しいです!」
赤ん坊の頃、俺はベビーカーで散歩中にゲリラ豪雨に襲われた。
そして――雷に直撃した。
普通ならここで死ぬ。漫画なら主人公補正で生きる。
俺はそのどっちでもなく、
「一週間ギリギリで生きてたら、なんか身体に物がくっつくようになった」
という、中途半端な結果を手に入れた。
つまり、磁力。
東京の片隅に突然誕生した磁石人間。
でもまあ、赤ん坊だから自覚はない。
気づいたのは物心ついてからだった。
――小学一年生。机の脚にくっついて動けなくなる。
――筆箱の中のシャープペンがガチャッガチャ鳴る。
――給食のスプーンが顔に吸い付く。
(いやホラーかよ!!!!)
母親は「育ち盛りね……」で片付けた。
違うよ母さん、育ちは磁力じゃないよ。
そんな磁力持ちの俺だが、もちろんスポーツ経験はゼロ。
陰キャ人生まっしぐらで、学校の体育はいつも端っこ。
運動音痴すぎて、縄跳びで転ぶ天才。
なのに――高校入学初日。
「おい新人。人数いねえから、ちょっと助っ人頼むわ」
唐突に運動部員に連れ去られ、体育館に連行。
よくあるいじめの導入か?
「お前、シュートだけでいいから。ほらボール!」
え、いきなり!?
俺、スポーツ童貞なんですけど!?
とりあえずボールを拾い上げる。
その瞬間――
カコン!
ボールが俺の手に“張り付いた”。
離れない。
吸盤かな?
「新人、その持ち方なんだよwww」
「手汗やべぇのか?」
(いや磁力のせいなんだけど!?)
しょうがなく、ボールを無理やり剥がし、リングに向かって投げる……つもりが、
――投げた瞬間、俺の手元に戻ってくる。
「ブーメランかよ!!」
「おまっ……物理法則どこいった!?」
俺自身もビビって固まる。
(ど、どうしよう……! なんかカッコつけてるみたいで逆に恥ずかしい……!)
しかし先輩たちは、
「……まあ、面白いから続けろ」
「新人、才能あるわ(物理的な意味で)」
と、なぜか気に入ってしまった。
こうして、
陰キャ+スポーツ未経験+磁力の謎生物である俺は、
奇妙な体育デビューを果たしたのだった。
――続く。




