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5話

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 そして迎えた次の日、


 ギルドに行くと数人のハンターとギルドマスターが待っていた。


「お、来たか!紹介しよう。彼らが風ノ剣のメンバーだ。」


 そう言って紹介されたのは、剣士、盾持ち、盗賊、魔法使いの四人パーティーだった。


「あんたが聞いてたハンターか、おれはリーダーのアルク!よろしくな!」


 人懐っこい顔でアルクと名乗った金髪の青年は鉄の胸当てを身に着けており、腰には赤い剣を帯刀している。


「ダグゾーと申す、よろしくである」


続いて名乗ったダグゾーは鋼鉄の全身鎧を身に纏い、大きな盾を背負っている。鎧で顔は見えないが寡黙そうな雰囲気だ。


「へぇ~、俺はギンだ。」


茶髪でチャラそうな雰囲気を醸し出してるギンは動きやすそうな皮鎧を着け、両脇に幾つものナイフを装備していた。


「ニーナよ。よろしく。」


 最後にニーナと名乗った魔法使いの女性はいかにもな恰好をしており、鍔の深い帽子からは黒髪が覗き、黒いローブを身に纏い、右手には碧玉が埋め込まれた杖を持っている。


 いずれも20歳くらいに見える。


「ガイです。こちらこそよろしくお願いします。」

「・・・」

「こちらが弟子のイブです。」


 イブは挨拶しなかったので僕が紹介した。


 グエル曰く、冒険者になってまだ二年だが安定して依頼をこなし、ギルドの有望株だそうだ。それに実力は四色に匹敵すると言う。


 一通り挨拶が終わったところで早速ダンジョンへと向かった。


 街から離れ、森に入り薄暗い木々の隙間を抜けていく。

 話によれば勾配の厳しくなる山の中腹あたりにダンジョンの入り口が存在しているはずだ。


 道中、森を縄張りとする魔物であるウルフの集団と遭遇したが、風ノ剣が難なく対処した。見たところかなりバランスの良いパーティーだ。

 盗賊がウルフを発見し、盾役が正面に構え、飛び込んで来たところを受け止める。その隙に剣士が攻撃し、側面からの攻撃は盗賊と魔法使いが対応している。


 うまく連携がとれている。これならダンジョン内でも問題ないだろう。


 リーダーのアルクが話しかけてきた。


「どうだ?俺たちのパーティーは?」


「いい連携ですね。安定感があります。」感じたことを正直に答えた。


「だろ?今は三色だが、調査が終わればすぐにでも四色に上がる予定だからな」

 アルクは得意げそうだ。


 風ノ剣は今回の調査の功績をもって四色に上がることが確約されていた。


「まったく、リーダーは気が早いわよ。終わってから言ってちょうだい」

 自信満々なアルクをニーナが嗜める。


「まあいいじゃないか、ニーナだって四色に上がれるって喜んでいただろ?」

 ギンは楽観的に言う。


「そうだけど、まだ終わってもいないのに気が緩んでいるわよ」


「今回は強力な助っ人もいるのである。少し浮かれるのは仕方ないのである。」

 ダグゾーもあまり心配してないようだ。


「そうだぜ!何たって七色だぜ!」そう言ってアルクはキラキラした目を向けてくる。


「なあ、次に魔物が出たら腕を見せてくれよ」


「ちょっと!」


「かまいませんよ。」

 同行するだけで何もしないというのは少し申し訳ない。


「いいのか!」


「ええ、といっても回復職なので期待に応えれるかはわかりませんが」


「やったぜ!」


 他のメンバーも声には出さないが興味ありそうだった。

 ただその後は順調に進んでいき、何事もなくダンジョンまでたどり着いた。


 そこは山に露出した岩盤に横穴が開いており、三人は縦に重ねられそうな大きさの自然洞窟に見えた。


「ここか?」

 ギンの問いにニーナが地図を確認する。


「ええ、ここで間違いないわ」

 どうやらこの場所がダンジョンの入り口のようだ。


「ようやく着いたな」


「ああ、早速調査を始めようぜ」


「配置はどうします?」


「基本的に俺たちが先頭、ガイさん達が後ろからサポート、対処できない奴が出たら入れ替わるって感じでどうだ?」


「わかりました」


 配置が決まったところで物資を確認し、腰にランプを付けたりと準備を整え、ダンジョンへ侵入していく。


 内部に入るとひんやりとした空気が肌を撫でた。湿った洞窟特有の低い気温だ。側面や天井はゴツゴツとした岩で覆われており、表面は結露している。とても人工物には見えない。

 だが、それに比べて足元は砂と砂利が敷かれ、やけに歩きやすい道が続いている。ここが自然にできた洞窟ではない証拠だ。


 慎重に奥へと進んでいく。


 ところどころにスライムを発見したが無視して進む。大量にいれば少し厄介だが、基本的に子どもでも簡単に倒せる最弱の魔物だ。倒すまでもない。

 それに今回はあくまで調査だ。

 スタンピードの予兆を正確に掴むためには中層まで進んで確認する必要がある。脅威にならない魔物はスルーした方が楽だ。


 奥に進んでいくと先頭で索敵していたギンが不意に立ち止まった。


「どうした?」アルクが問いかける。


「あれを見てくれ」そう言ってギンが奥の方を指差した。


 その先には、ゴツゴツした肌と蝙蝠のような翼をもった小柄で人型の魔物がいた。


「ん?あれはレッサーデーモンだな」


「なぜこんな上層に?」


 レッサーデーモンはデーモンという名の割にあまり強くない魔物だ。だが、通常はダンジョンの中層に現れることが多く、上層ではまず見ない。


 不思議に思いながらも難なく倒して先へ進んだ。


諸事情により先週は更新できませんでしたが、今週からまたいつもどおりに更新していきます。

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