4話
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案内された先は質素だが質の良い家具で揃えられた応接室であり、机を挟んで置かれたソファーの向かい側には、彫り深い顔をした大柄で熊のような男が座っていた。
おそらく彼がここのギルドマスターだろう。
「マスター、ガイ様をお連れしました。」
「ああ、ごくろう。下がってくれ」
「はい、失礼します。」
受付嬢は元来た方へと戻っていった。
「待たせてすまない。俺がギルドマスターのグエルだ。そこに掛けてくれ」
グエルはそう言って手前のソファーに手を向けた。
「では遠慮なく」僕たちがソファーに座ると、こちらを観察しながら
「最初に確認しておきたいのだが、お前が蒼天行脚か?」と尋ねてきた。
蒼天行脚というのはいつの間にか付けられていた二つ名だ。高ランクのハンターなどは大抵二つ名を持っている。
個人的には出来ればもっとこう、ハンターらしい強そうな名前にして欲しかった気持ちはある。
「まあ、そうです。」
「やはりか、噂は聞いている。侵攻時に助けてくれたらしいな、礼を言う。」
「いえ、こちらが勝手にやったことですから。」
「そうか、謙遜だな。
早速本題に入ろう。ダンジョンの調査団についてだったな、何が知りたい?」
「実は、調査団に同行させてもらいたいと思いまして。」
「・・・ふむ。こちらとしては願ってもない提案だが、理由を聞いても?」
「簡単なことですよ。
新しく発見されたダンジョンは未知であり、危険が多い。しかもかなりの深さがあると聞きました。前に調査団が見逃してスタンピードが起きた例もあります。放っておけないだけですよ。」
グエルは少し考えた後
「そうだな、わかった。同行を許可する。
調査を依頼しているのは風ノ剣というチームだ。彼らに話しを通しておこう。」
「ありがとうございます。調査はいつになります?」
「ああ、明日の朝だ。」
「わかりました。」
「だが隣のお嬢さんも一緒に行くのか?」
イブは15歳だ。通常、ハンター登録は14才からなのでまだ駆け出しに見えるのだろう。
「ええ、彼女は弟子です。5色なので問題ありませんよ。」
グエルは一瞬意外そうな顔をしたが「ずいぶん若く見えるが、さすがだな」とすぐに納得した。
「当然です!」イブは胸を張って答えた。
こうしてギルドマスターとの交渉は成功に終わった。
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宿への帰り道にて
「わざわざ、調査団と一緒にいく必要あるのですか?
三色程度なら足手纏いになりかねないと思います。」
イブは少々不満そうだ。
「僕たちが先に依頼を受けていたら必要ないけど、今回は先客がいるからね。
横から依頼を掻っ攫うと風ノ剣を全く信用していないことになる。
だからあくまで同行という形にしてるのさ。」
「そうですか。
・・・でもやっぱり邪魔ですね。」ボソッ
最後の方は良く聞き取れなかったがイブもとりあえず納得してくれたようだ。
タイトルは変えるかもしれないので(仮)にしました。
あらすじももう少し進んだら書き直します。