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3話

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 翌朝、僕は弟子のイブと共に街の入り口付近に建つ、二階建てのログハウスの前まで来ていた。


 ここはギルドと呼ばれ、街の様々な依頼が集まる仕事斡旋所だ。


 各国の首都に本部が存在し、そこから各街に支部が建てられ、独自のネットワークを築いている。

 支部は主にその土地の生活や安全に関わる仕事を受け持ち、清掃や家事の手伝いから薬草の採取、魔物の討伐まで、その内容は多岐に渉る。特に魔物の討伐や希少な植物の採取など、危険を伴う依頼を専門に受け持つ者をハンターと呼び、その強さや依頼の成功率によってランク分けされている。


 ハンターのランクは下から順番に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫に分かれており、ランクが上がるごとに新しい色が追加されていく。つまり一色(赤)が一番低く、七色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)のハンターが最高ランクである。


 木製の扉を押しながら建物に入る。


 中は木質の温かみのある空間であり、自然光が二階窓から吹き抜けを介して差し込み、内部を明るく照らしている。正面にカウンター、右手に食事処が配置され、左手には依頼書が壁一面に貼られている。


 依頼書の周りには人だかりが出来ており、品定めするようにじっと依頼を眺めている。

 おそらく一番割の良い仕事を探しているのだろう。


 そんな彼らを横目にカウンターへと進んでいく。

 カウンターの前まで来ると受付のお姉さんが笑顔で尋ねてきた。


「本日はどのようなご用件でしょうか?」


「少々聞きたいことがありまして、ダンジョンのことを耳にしたのですが、調査団が派遣されるというのは本当ですか?」


 受付嬢は怪訝な表情に変わった


「ギルドに登録されている方でしょうか?

 申し訳ありませんが関係者以外にはお答えしかねます。」


 名乗り忘れていたことに気づいた僕は手に持った七色のハンター証を懐から取り出し、

 見せながら「失礼、申し遅れましたガイと言います。」と言った。


 ハンター証を見た受付嬢は表情を一変させ、驚いた様子で


「す、すみません七色のハンター様でしたか。た、直ちに確認いたしますので少々お待ちください!」と言い、急いで奥の方へ駆けていった。


 周囲にざわめきが広がった。


「おい、今七色って言わなかったか?」

「ああ、俺もそう聞こえたぞ」

「一体誰だ?この辺りにはいなかったはずだろ」

「帝国で有名な七色といえば剣聖ルスタと要塞鎧のガルデンだが、どう見ても違うな」

「他国のハンターか?」

「偽物かも知れないぞ」


 七色はハンター全体の1パーセントに満たない。各国に数人いるかいないか、その程度だ。

 帝国でも現在二人しかいない。

 辺境の街では相当珍しいだろう。

 ハンターたちは口々に話しているが懐疑的な者も多く、警戒もしている様子だ。


 そんな中一人の男がこちらにやってきた。

 見たところ戦士のようだ。

 スキンヘッドの巨漢で斧を背負い、厚手の革防具を身に纏っている。


「なあ、お前。本当に七色か?そうは見えねぇな。嘘付くなよ。俺は三色だが、もし本当にお前が七色なら俺なんて楽勝だよな。どうだ?俺としょうう゛ぇ?」ドサッ、


 なにやら言いがかりを付けてきたが、言い切る前にいつの間にか移動していたイブに後ろから後頭部を剣で殴り付けられて倒れた。気絶しているが命には別状なさそうだ。


「いや、何してるの???」


「この男が不敬にも師匠に勝負を挑もうとしていたで、身の程を弁えさせました。あと100年、いや100万年は早いですね。」


「いやいや、それ先制攻撃だから!もう少し穏便にいこ?」


 周囲は一気に静かになり、倒れた男はギルド職員に運ばれていった。

 静寂は少し間続いたが次第に声が戻りはじめ、


「なあ、あいつ性格はあれだが腕はある方だろ?」

「動きが見えなかった。気配も、」

「あの娘何者だ?」

「師匠って言ってなかったか?」

「だとしたら本当に七色はありえるか?」


 そんな様子を見て「師匠は人気者ですね」とイブが言ってきた。


「違うから。イブは反省してね」


 その後も視線を感じながら、カウンターに手を置き待っていたがなかなか受付嬢は帰ってこない。


「にしても長いですね、、、わたしが様子を見てきます」


 そう言ってなぜか武器を持って乗り込もうとしているイブを止めているとようやく受付嬢が戻ってきた。


「お待たせしました。マスターが話を聞きたいとのことですので、こちらへどうぞ」


 そう言って奥へと通された。


少し遅れましたが3話目です。続けて4話も投稿します。

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