エピローグ
ジェイクと結婚式を挙げた。
ここでも式に着るドレスに色の決まりはなく、皆、好きな色のドレスを着ている。
でも、わたしは、やはり白だ。
真っ白なマーメイドタイプのドレスに王族らしく床につくスレスレの長さの袖のロコット、帯も真っ白、アクセントに赤と黒が入っている。
アイストリア皇国ではベールなんてつけなかったが、ここではドレスに合わせてベールをつける。
アイストリア皇国からはレスター兄様とフランお義姉さまが参列してくれた。
手紙で近況を知らせてあるので最初こそ心配そうだったが、すぐに笑顔になってくれた。
参列国と、その招待客の数も凄かった。
さすがダイナチェイン王国...。
国民にも御披露目されたが歓声の中、非難の声もあるのに気付いた。
わたしの平和な生活のためにも考えないと。
そして新婚初夜。
なんて恥ずかしい響き...。
ジェイクは始めこそ恥ずかしそうにしていたし、たどたどしい感じがあったけれど気が付くと翻弄されていた。
だから何なの、この世界の男性のレベルの高さはっ!
何のって、えーと、そーゆーのですよ。
思わずジェイクにも確認しちゃいました。
初めてダヨネ?て。
もちろん初めてだそうです。
一体どんな教育がされるのか、いつか知る日がくるかな?
翌日は立てない、なんてことはなかったが違和感はあるし、体中が痛かった。
筋肉痛やら何やらで。
ジェイクは傍仕えや使用人たちから冷たい目で見られて可哀相だった。
わたしは何ともフォローできなくて黙ってた。
でも1週間は、でろでろに甘やかすと決めていたから頑張ったよ。
ジェイクは甘えるのが好きみたいだね。
わたしが彼を抱え込むようにして、わたしの胸に顔をうずめて寝ると、よく眠れる、と言った。
まだ快眠、という程には眠れないようで夜も度々、目が覚めて、わたしの寝顔を眺めているらしいが、すぐにやめてほしい。
わたしと一緒に寝ると許されたような気がする、と言っていた。
贖罪を手伝って少しでも罪悪感が薄まればいいと思う。
その後、無事ユーリとも婚約できた。
第3の夫を、という声も出てきたがジェイクが黙らせた。
誰にも靡かないわたしの態度も良かったようだ。
だって勧められるのがさぁ、アレなんだもの。
しかも中にはジェイクやユーリを下に見たあからさまな態度のヤツもいたし。
いや、イケメンだとしても、もういいです。
わたしには2人でも、いっぱいいっぱいなので。
それに王族となったわたしに夫の保護は不要だ。
ジェイクも強いけど騎士のユーリもいて、権力も地位も財力もある。
保護なら他の女性にどうぞ。
もちろんユーリとの結婚式も白を着ました。
アイストリア皇国ふうのドレスで。
そして、1週間。また筋肉痛になったよ。なんでだ...。
鍛えられてるはずなのに。
ユーリとは目が覚めると後ろから抱きしめられてることが多かった。
寝返りをうって後ろを向くと寂しくなるのだとか。可愛いか。
でも、ヘンなとこを触ってるのが、ちょっと...。
もぞもぞしていると、すぐにユーリが目覚めて、そういうことに移行する。
ダメ?と言われてダメと言えないわたし。
仕方ないじゃん、惚れた弱みってヤツ?
まぁ幸せだからヨシとする。
◇◇◇◇◇◇◇◇
怪物と呼ばれ、影と恐れられた王子は遠いアイストリア皇国の天使と結ばれて変わった。
天使と結婚してからは他国からの侵略に備えるだけで、それ以上国土を広げず流民の救済に力をそそいだ。
国王となってからは、より実力主義を広げ、アイストリア皇国のシステムを真似て病院を建設、5歳熱だけでなく他の病も低額な診療代金で治療した。
広い国土と属国の国々は王国と同様の様々なシステムで整備され属国となった国の国民は、それまでよりも良い生活に喜んだ。
ジェイク・ダイナチェイン。
彼の代で王国は確固たる地位を築いた。
国王より目立つことはなかったが妻となったアニス女性陛下は天使と呼ばれ、その功績は大きい。
彼女は国王との間に1男1女、第2の夫ユーリとの間に1男2女(双子の女の子)を授かった。
もう少し細かい描写、というか絡み?を書きたかったのですが、そうすると長くなりそうだしR18になりそうでやめました。
とりあえず、アニスのお話は、ここで終了といたします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
何とも拙いものでしたが最後まで書ききることができたのは良かったでした。
次は、この世界の違う女の子のお話(短編)を書きたいかなー、と思います。
また、どこかでお会いできたら嬉しいです。




