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大人

後半初R入ります。凄いこと書く気はないし書く力もないんですけどR15で大丈夫ですよね?ドキドキ。


と思ったのですがディープキスの描写はNGっぽいですね。

ちょっと?カットすることにしました。

即編集で申し訳ありません。



このアイストリア皇国では男女共に15歳が成人となる。

もうすぐ15歳になるわたしも、いよいよ成人の仲間入りだ。

だが、社交界デビューの予定は未だにない。

お父様の意向だ。

まぁ別にいいんだけどさ。

でも成人は、そういうわけにもいかず、ちゃんと成人の儀というものを受ける。

そして、フェルナンドとユーリとの結婚の日取りも話し合われることになっている。

順番もそうだが、身分的にもフェルナンドと先に結婚することになりそうだ。

というか、周りは、さも当然というように順番をどうするか、なんて話にもならない。

ユーリと先に...なんて考えているのは、わたしだけだろうな。

ユーリもそのつもりでいるようで一般的な最初の結婚から1か月後の話をしている。

なんでよう。

わたしは15歳で結婚というのさえ抵抗があるのに。

前世なら高校生だよ。卒業してからにしない?学校なんて通ってないけど...。

ちなみにフェルナンドは19歳、ユーリの1コ下だ。

ほら。年齢的にはユーリが先なんだよ。

成人してないこともあってフェルナンドとも、ユーリとも色っぽい展開にはなったことがないが成人したらわからないではないか。

そういうのはユーリと先にしたい。

こちらでは、そういう初めてというものは重要視されない。

そして、女性には性教育は、さらっとしかされないのに男性は非常に濃い教育を受けさせる。

話に聞いているだけなので具体的にどういう教育がされるのかわからないが(聞いても教えてくれない)しつこくエイダンに聞いたところ、女性の心理を含めたいろいろなこと、そして技術、だそうである。

技術とは何か、と聞いても絶対教えてくれなかった。

終いには未来の夫にお尋ねください、と部屋を出てしまったよ。

当時、婚約者はいなかったので、そんなのいつだよ、なんて思ってた。

ちなみに、わたしへの性教育は母陛下から行われた。

母陛下も男性の性教育がどのようなものかは知らなかった。

あ!フェルナンドかユーリに聞けばいいじゃん。

いや、フェルナンドはやめとこう。変なこと聞いて変な雰囲気になっても困るじゃん。


ところで、成人の儀に着るドレスが出来上がったらしいので試着に行くことになっている。

本当は今日のガードはガイだったのだが、試着を見てもらいたくてユーリと替わってもらった。

この国では成人の儀に着るドレスは何色と決まっているわけではない。

トレーンが長め、ということ以外、みんな自由に着飾っている。

ちなみに男性はフロックコートのような丈の長いジャケットを着る。色は自由だ。


わたしは悩んだのだがスモーキーピンクにした。

...ユーリの目の色を意識してみた。

そして、フェルナンドの髪色でもある。

綺麗なピンクも考えたのだが、わたしは髪が銀髪、目が緑。

つまり、ちょっと合わなかったんだな。くすんだ色にすることによって落ち着いたのだ。

でもユーリはピンクプラウンの瞳。

うむ。悔いなし。




早速着てユーリに見てもらう。

「.....とってもお綺麗です」

シンプルな言葉だけど目は口程に物を言う、てね。

「ありがとう、ユーリ。ユーリに一番に見てもらえて嬉しい。この色、ユーリの目の色のつもりなの。他の色じゃないからね?」

フェルナンドの髪色とも言えるのだがユーリにだけは本当のことを知っていてほしい。

「わたしの...」

ユーリが嬉しそうに微笑んだ。もちろん、わたしもだ。

が、ここに闖入者が。

「アニス。ドレスを試着していると聞いて見に来たよ」

「わぁ、素敵だ、アニス」

「あぁ、やっぱり、もっと明るい色の方が良かったけど何を着ても似合うし、その色は大人っぽいデザインと相まってなかなかいいね」

「すごく素敵だよ。でも成人するんだと実感すると寂しいな」

「本当にお綺麗です。アニス様の成人のドレス姿をこんなに早く見ることができるなんて、やっぱりこのポジションはいいですわぁ」

レスター兄様、ライム兄様、ジルリアン兄様、フランお義姉さまだ。

ユーリが押し退けられている。

フェルナンドもユーリも、この4人に会うと、いつも睨まれている。

何か言われるわけではないのだが、目に入ると、いちいち睨む。

フランお義姉さまなど一度、舌打ちが聞こえたこともあるほどだ。

あれは舌打ちだった。絶対。


あぁ、ちょっといい雰囲気だったのに。

結局、そこからは、わちゃわちゃして終わってしまった。


その日のスケジュールを全て終え、自室に戻ってくる。

傍仕えの出してくれるお茶を飲んで、ほっとする。

「ユーリ」

わたしは自分の隣をポンポンと叩く。

ユーリは嬉しそうに、わたしの隣に腰を下ろす。

なるべく表情を抑えようとしているのがわかるが、抑えきれていない。

可愛い。

ユーリにもお茶が出され、傍仕えたちは部屋を出る。

ユーリと婚約してから、こんなふうに2人きりになれることがある。

フェルナンドともそうだ。ガードをしている関係でユーリの方が断然多いが。

もたもたしていてフェルナンドと婚約することになってしまったし行動は早い方がいいこともある、と学んだわたしはユーリに聞いてみることにした。

「ねぇユーリ。フェルナンドより先に、わたしと結婚したいとは思わない?わたしはユーリと先に結婚したいと思ってるんだけど」

ユーリは驚いた顔をしている。

そんな驚くことか?

「...ありがとうございます。わたしも、そのようなことを考えなかったと言えば嘘になってしまいます。でもアニス様と結婚できるだけでも奇跡なんです。先に何人と結婚していようと構いません。わたしを忘れないでいてくれれば、それで十分です」

.....この世界の考え方―っ!

独占欲を抑えるように教育されるんだろうな。

でも、ちょっと寂しい。

「それに身分も、先に婚約したのもフェルナンド殿です。わたしが先に結婚すると後々響いてくることが考えられます。この方が波風立たずに済んでいいんです」

「そう。ユーリ本人も、これでいいと言うのなら、わたしの我儘になるわね」

「申し訳ありません」

「謝らないで。なんだか惨めな気分になっちゃう」

あ、ちょっと気まずくなっちゃった。どーしよ。

話題を変えよう。話題、話題...。

そうだ、アレを聞くときがきたよ。

「ねぇユーリ。男性って、その...女性のことについて、いろいろと...なんていうのかな、えーと、勉強するんでしょ?」

「勉強、ですか?」

「そう、前にエイダンに何回も聞いて少し教えてもらったことがあるの。女性の心理を含めた、そのぅ、いろんなこと?技術、とか...?」

何のことかわかったのだろう。

ユーリが、じわりと赤くなった。耳まで赤くなったよ。

「具体的に、どんなことを学ぶの?」

「ぐ、具体的に、ですか? ...それは、ちょっと...」

ユーリは顔を赤くしたまま口を覆うように手を当てると目を逸らした。

「あぁ、具体的にはマズいかしらね。えーと、さわりだけでもいいわ。言える範囲でもいいし」

「.....」

ユーリの反応はない。

「...そんなに言えないようなこと?」

うーむ、さらっとこんな感じー、でいいんだけどな。難しいのかな。

ユーリが視線だけをこちらによこす。

うわ、流し目っ!?

イケメン(しかも、わたし好み)の流し目の破壊力たるやっ。やべぇッス。

「な、何?」

「やってみましょう」

何を!?

ユーリが右手をソファの背に置いて近づいてくる。

「...ユーリ?」

そのまま、かすめるようなキスをされた。

イケメンのアップにどうしろと!?

更に左手でわたしの頭を引き寄せるようにすると、かすめるようなキスを何度もしてくる。

「ん...」

ぎゃー、変な声出た!

それから深いキスの後、ユーリが、ゆっくり顔を離す。

ぼーっとユーリを見つめる。

「もっとしたくなるから、そんな顔しないでください」

どんな顔かわからないけれど、どこかへいっていた恥ずかしさが一気に戻ってきてユーリの胸に顔を伏せる。

いつの間にか、わたしはユーリの腕に縋るようにしていた。

え!?ホントにいつの間に!?自分のことなのに、いつの間に!?

ユーリが、わたしの頭と髪を撫でてくれるのが気持ちいい。

「わかりました?」

ん?何が?

まだ顔は赤いだろうけど、ゆっくり顔を上げる。

ユーリは、くすり、と笑って言った。

「どんなことを教えてもらうのか」

あ!それか!

「うん、あの、わかった...と思う」

「思うんだけどね?」

「はい?」

「あの、ユーリって初めてじゃないの?」

「いえ、もちろん初めてです」

「え、ホントに?」

なんか...なんか凄かった気がするんだけど。

「本当です。初めてではないように感じたのなら嬉しいです。本当は、いっぱいいっぱいだったので」


ホントかよ。この世界の教育、恐るべし...。

それともユーリが凄いだけ?

ちょっと先が怖くなったわたしだった。




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