ガードとな?
ごきげんよう、アニス・ノア・アイスター 5歳です。
皇族は5歳熱を乗り越えると自身を護衛する騎士をつけられる。これがガードだ。
今日から、わたしのガードを決めるために騎士団巡りをするそうな。
アイストリア皇国には3つの騎士団と近衛騎士団がある。
近衛は皇族直轄の騎士団でガードは全員、近衛騎士になる。
以前は、近衛騎士からガードを選んでいたのだが現皇帝の妹、つまり、わたしの叔母にあたる皇女だった人が、自分に選ばせろ、と。 陽光騎士団の、あの騎士がいい、と我儘言ったらしい。
だから父陛下は、わたしにも自分で選べ、と言ってきたのだ。
「アレとアレなんかどうだ」とささやいてきたが、ひょろっとした能面男子とぽちゃっとしたブサイク(ごめん)男子だったので、そっとスルーだ。
わたしにとってのイケメンは総じて、この世界ではブサイクなのだが、この世界のイケメンが、わたしには難解だ。
体系はひょろっとしたタイプ(モヤシ)とか、ぽちゃっとしたタイプ(ぽちゃ)がモテる。筋肉がついた、騎士ならこうだろ!(わたしのイメージ)なタイプは嫌われる、とまではいかないが、女性からは敬遠される。
そして、前世でいうところの能面なタイプがイケメンらしい。分厚い唇、太い眉、大きな鼻、小さな目などもモテる要素なんだとかで、これらがバランス良く配置されている顔なんて、それはもう素晴らしいらしい。 いや、ブサイク、じゃなくて暑苦しくね?それ。 でも能面男子と暑苦しい(失礼)男子の違いは好みだろう、とわかるのだが能面男子と能面男子の優劣がわからん。
同じように暑苦しい男子と暑苦しい男子の優劣もわからん。
わたしの傍仕えには女性もいるのだが、その子たちが、近衛騎士の、なんとか様も素敵だけど、やっぱり、なんとか公爵様が一番よね、と言っていたので教えてもらったのだが、どっちも能面男子だった。 この場合、わたしがイケメンだと思わない方が、この世界のイケメンなんだから、ブサイクな方がイメケンなんだろう、と判断つくと思うでしょ?
いや、わかんねーわ。
前世でいうところの塩顔イケメン同士でどっちが、よりイケメンか?て好みもあるし一概には言えないよね?
そーゆーことなのかと思っていたけど、どうも彼女たちには、はっきり一番があるらしい。
でも、わたしにはわからない。
少し考えてみたけどやめた。 わかったところで、わたし的イケメンではないし、多分だけど、一生この違いはわからないと思う。
5歳熱に罹る前は、なんとなくわかっていたような気がするけど前世の感覚の方が強くて、この世界のイケメンをイケメンとは、もう思えない。
前置きが長くなったが、今日は叔母の好みがいた陽光騎士団を見学する。
(わたし的)イケメンいるかな? わくわくするね♪
撃沈。
結果をお伝えすると(わたし的)イケメンはおりませんでした。
いや、なんでだよ!
一人くらい、いるだろ! いれよ!
ついてきた傍仕えのアイリは、わたしも、そっちのけで終始ポーッとしていた。
模擬戦のときに、団長が傍で、〇〇と××です。とか△△は剣での接近戦が得意で...とか教えてくれていたが、うん、顔を覚えられん。
すまないね、団長さん、説明してくれていたのに。
まぁね、ここで、わたしに選ばれれば近衛入りだ。 騎士にとっては名誉なことだし給与も上がる。モテもするだろう。
わたしへの視線もウザか...熱かった。
だが断る。
ガードになれば、わたしの傍にいるんだよ? イケメンの方がいいじゃん! いや、弱いヤツをガードにするわけにはいかないだろうけどさぁ、それなら近衛騎士でいいよ。
とりあえず、明日に期待しよう。
あ。細マッチョな騎士を見れたのは良かったでした(´艸`*)